13 その後
セオドアに告白してから話しはどんどん進んでいった。
ルーク殿下が言うにはセオドアは王宮医師の功績が認められていて、いずれ爵位を得るらしい。セオドアは恐れ多いと言っていたが、これからの事を考えると無いよりあった方が良いだろう。
婚約も私の両親にルーク殿下が口添えしてくれてスムーズに進んだ。
幼馴染のレオは事件を告白した事とミリアに脅かされていた事で情状酌量を受け刑罰は無かった。
しかし、立ち直るにはまだ時間がいるだろう。
でも私が婚約をしたと知るとお祝いの手紙をくれた。
ミリア嬢は若い貴族を破滅に誘った件では主犯格とされ、未だ裁判中との事だ。牢屋行きは免れないだろう。
クロエ王女のお茶会には平和が戻り、傷ついた令嬢達も新たな婚活に向けて前向きらしい。
私といえば、前世でいう看護師になりたいと思っている。病人に寄り添いたい。セオドアには賛成してもらえた。
今日は朝から侍女マリーとサンドイッチを沢山作った。それを差し入れとして王宮医師団室へ向かった。
マリーはいつの間にか医師見習い達と打ち解けている。休憩を促し皆にサンドイッチを振る舞った。そこに何故か侍従ジェフも顔を出した。私がセオドアを探しに部屋を出る時、マリーがジェフの口にサンドイッチを突っ込むのが見えた。
私は薬草畑へ行った。するとセオドアが相変わらず薬草に夢中になっていた。
「セオドア、もうお昼だよ。」
「え。そんな時間か。」
私のアイデアで設置した薬草畑のベンチに2人で座った。持ってきたサンドイッチを渡し、飲み物も準備した。
「デイジーはもう食べたの?」
呼び名はすっかり、セオドアとデイジーになっていた。
「作りながらつまみ食いしてたからお腹いっぱい。午後からは薬作りを手伝うね。」
「ああ、ありがとう。サンドイッチ、美味しいよ。」
「ねぇ、ふたつ質問があるんだけど。」
「なに?」
「どうして私に自分の前世を隠したの?」
一瞬、セオドアが止まった。
「それは…。自惚れかもしれないけど、君の気持ちには気づいてた。ただここでは伯爵令嬢だろ?僕だなんてもったい無いって思ったんだ。早く忘れてもらって幸せになって欲しかったんだよ。」
「全く私の事を分かって無かったって事ね。確かに私が告白した時も同じように言ってたわね。まぁそう言う事なら許す。」
「許されて光栄です。デイジー伯爵令嬢。」
「もう一つ質問、いつから私を好きになったの?前世から?この世界から?」
セオドアは吹き出しそうになる所を堪えた。
「何でそんな事。いいだろういつでも。」
「大事な事なの。私は前世から好き。セオドアは?」
「…そんな、医者が患者に特別な感情を持つなんて、不適切な事。言えないだろ。」
「なるほど、前世からだったんだ!」
ガッカリと肩を落とすセオドアにそっと抱きつく。薬草がそよそよと風に揺れる。
「さぁ午後からは薬作りでしょう!頑張る!マリーも手伝うって。」
元気に立ち上がるデイジーに目を細め、セオドアはやれやれと幸せを噛み締めた。
END
完結出来てホッとしています。
読んでくれた方、ありがとうございます。
また、全体を通して誤字報告頂きました。とても勉強になりました。ありがとうございました。




