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1 前世 春奈と樹先生
私は「川崎春奈」22歳。持病を持って生まれ、今はもうベッドから起き上がる事も出来ない。
思えば子供の頃から入退院を繰り返してきて病院で過ごす事も多かった。そんな中、初恋は14歳からの担当医、「樹先生」だった。
樹先生は私より一回り位年上だ。一見ボサっとしているが、医者としての仕事ぶりは尊敬していたし、優しい笑顔に恋をしていた。
私は亡くなったら、異世界に転生して金髪の美しい王子様と舞踏会で踊るんだって話を馬鹿にしないで聞いてくれた。
なのに先生は1年前、トラック事故に巻き込まれて亡くなってしまった。
‥‥私を看取ってくれる約束はどうしたのだ。
‥‥もう一度、私が先生の為に一生懸命整えた前髪を、人差し指でつついて笑って欲しい。
私の命もあと僅かの様だ。
ベッドに横たわり、手を取ってくれている両親と弟に今までの感謝を伝えると、徐々に意識が遠退き始めた。
樹先生が異世界に転生していたらいいのに。
もしそうなら‥どうか‥‥私も同じ世界に転生させて下さい。




