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首席騎士様は、家族とまみえる

リカルド様とそんな話をしたその週末、あたしは結局リカルド様のお屋敷にお招きされることになった。


っていうか今現在、立派なゴージャスな食堂ですんごい豪華な料理でもてなされてるんだよね。もう緊張で美味しいかどうかもわかんないよ、申し訳ないけど。


最初はもちろん断ろうと思ったんだよ? あたしバリッバリに庶民だしこんなゴージャスなお屋敷にお招きされたって、完全に浮いちゃうのなんて分かりきってるし。


でもさ、リカルド様がものすごーく気まずそうな、でもお父さんとお母さんのお願いを無碍にもできないんだっていう弱りきった顔するから。


でっかいワンコが耳も尻尾もシューンとなって、悲しそうにキューン……って鳴いてるみたいな、そんな顔するからさぁ。断り切れなかったんだもん。


でも、今はそれをモーレツに後悔している。


なに、この偉そうなお兄さん。



イヤ、お母さんはとっても優しくって素敵な人だよ? リカルド様のお話から想像してたとおり、たおやかそうでその中にも芯の強さを感じるみたいな、笑顔が麗しい美しい方だ。


それに、お父さんも意外にも穏やかそうな方だった。申し訳ないけど、もっと強面のすぐに怒鳴るような鬼教官みたいな人を想像してたんだけど、寡黙な方なのか言葉少なで口元に微笑を浮かべたまま、終始相槌を打っているだけだ。


そしてほとんど一人でしゃべりまくり、吸い込むくらいの勢いでゴージャス料理をたいらげ、水みたいな勢いでお酒をがっぱがっぱと口に運んでいるのがお兄さんだ。


ほぼ野獣だよ。がさつすぎるよ、騎士ってこんな感じでいいわけ?


リカルド様は尊敬してるって言ってたけど。憧れなんだって言ってたけど。


絶対! リカルド様の方がいい男だ!!!!!



「Aランクの魔物を倒したらしいが、よほど飛龍の体調が悪かったとみえるな。リカルドごときに倒されるとは飛龍の名がなくではないか」



しかもこのお兄さんときたら、さっきからずっとこの調子でリカルド様を馬鹿にしたような話しかしないの。正直さっきからめっちゃイラついている。困った顔で微笑んでないで、なにか言い返してよ、リカルド様。



「あらあら、ソルトったら。リカルドが倒したのはとても立派な飛龍だったそうよ。それにリカルドは今回の討伐演習はもちろん、この一年ずっと学年で首席だと学長からもお褒めの言葉をいただいたのですよ。貴方もリカルドの成長を喜んであげるべきよ」



優しげに微笑みながら、お母さんが諫めてくれる。お母さん、やっぱ分かってくれてるんじゃん、マジでグッジョブ!



嬉しくて感動していたら、お兄さんの方から盛大な舌打ちが聞こえてきた。

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