少しのきっかけ
短い百合物語です。最後までお付き合い頂けると大変嬉しく思います
私は同じクラスの人に恋をしている。
今は授業中で私は授業に集中せずにその人の後ろ姿を見ている。
背もたれを使わずに背筋を伸ばして、ノートにしっかりと書き写している。
(綺麗な髪だなぁ…)
黒く腰まで伸びた長い髪。
今は後ろで2つに結んでいて少し汗ばんだ白いうなじが見えていい。
けどしばるのがもったいないぐらいに髪がしなやかだ。
枝毛とか無いんだろうな、手入れとかちゃんとしてるのかな?手入れしないとあんな風にはならないか
私も同じように伸びている自分の髪に触れる。
乾かさずに寝たからぼさついてる、鏡を見てないからどれだけボサボサになってるかは分からないけど私は毛量が多いからどうせぼわっと膨らむので関係ない。
チャイムが流れて、授業が終わる。
「さっきのプリント、委員長に預けて今日が終わる前に持ってこいよ」
と先生が声をかけ、クラスのえーとゆう声を気にせずに教室から出ていく。
鳴りやまない声に静止させるかのように私の好きな人。
もとい委員長は声を発する
「はいはい、分かったから。とりあえず、終わるまでにわたしに持ってきてね。わたしも持っていくのめんどくさいんだからね」
透き通る声音が私の鼓膜をふるわせる。
クラスの人達は
「そうだよな、委員長の方がめんどくさいよな」
「持っていくのとかたるいわ」
「委員長~もう出していい?」
とか委員長を囲んでいる。とゆうか委員長がクラスをまとめている。
私もチャンスなのです。
学校の1日が終盤を迎えた頃。
私は勇気を込めて声をかける
「あの、これ。砂咲さん。プリントです」
多少声が震えてるのは気のせい。
と思いたいのだけど、やはり委員長―好きな人に声をかけるのは緊張する。
「ありがと。季良ちゃん。」
笑顔を私に向けてくれて、嬉しい。
くしゃとした笑顔は目が閉じていて可愛い。
目はでかいはずなんだけど、だからこそ倍増する。可愛さ。
私はチャンスをしっかり取って満足して去ろうとする。と
「ねえ。季良ちゃん。」
砂咲さんに声をかけられて止められる
いつもこのやりとりだけで終わるのに珍しい。
「な、なんでしょう?」
少しなにか言いたそうにしている砂咲さんは迷ったあげく
「あっ、いや。なんでもないわ。ごめんね、それじゃ」
と振り返り何処かへ去っていった。
「なんだったのだろう?」
1人私は呟き、家へ帰る。
家へ着くと扉をあけ
「ただいま」
と誰もいない家へ挨拶をする。毎度お馴染みだ。両親は共働きで一緒の所で働いていて俗に言う職場恋愛ってやつだ
私は部屋を行き、机にノートを広げる。
私は妄想を書き留める。これが私は趣味だ。砂咲さんとの妄想を。
何処に行った、喋ったとか全て妄想をして、楽しんでる。ふつうに喋ったりするのも凄く楽しい。
それを越えることは出来ないけど、それでも私はいいと思っている。と思っていた。
あの話を聞くまでは
「えっ転校?」
頭の中が空っぽになった。
「そうなの。二人で動けるのが私達しか居なくて。ごめんね」
なにも考えられない
「いつなの?」
「葉月の修学旅行の後よ」
そんなイベントもあったな、とかあったとか漠然としたことしか考えられない。
その日の夕飯は味がしなかった。
少し時間がたってベットで寝転がって私は考える。
私は友達は少ない。とゆうか居ない。なら転校しても別にいいのかなとも思うけど。私は。砂咲さんを見ていたい。好きなんだ。女の子同士でもそれでも好きで好きで。妄想物語を書くぐらいには。好き。
でもこの思いは普通ではない。女の子同士だし、喋ったこと少ないし、気持ちは知ってほしい?気持ち悪いと思われるのも嫌。0.1%の確率すらあるのかも怪しい。この気持ちをどこかに落とさないと私はこの先もずっと砂咲さんを気持ちの中で飼うことになるだろう。停滞はしたくない。見れないし。それでも私は…
気持ちぐるぐると回る。矛盾とゆう中で。
スマホのアラームが鳴り私は目を覚ます。
休日だけど私はアラームをかけて寝ている。生活リズムが狂うのが嫌でやってるが気分がすぐれなくて二度寝したい気分。
私の修学旅行は2週間後で、わりとすぐ来る。
それまでには気持ちを整理しないと。
普段は部屋に引きこもってるけど何故か家に居たくなかった。
こんな気持ちになったことないのに、
私は家を出て近くの公園へ行き、そこら辺のベンチに腰を掛ける。
暑い…まだ夏ではないのに、そいえば砂咲さんのうなじ汗ばんでたしまぁ仕方ないのかなと何が仕方ないのか分からない。
でもどうしようかな…私…多分クラスの誰も悲しむどころか特に何もなさそう。私も砂咲さんが居なければ素直に転校出来たんだけど、
「ねえ?」
クラスが変わったぐらいでなにも変わらないのはもう何回も経験してきて確信してる。私は空気なのだ。
「ねえってば!」
それでもいいと思ってるしいじめられるよりはいい。
じゃあこのまま空気のように去るのが良いのかなとまた矛盾とゆう洗濯機の中でぐるぐるとしてる
「ねえ!季良ちゃん!」
えっ!?考え更けていて気付かなかったけど、目の前には私の好きな人。
砂咲さんが立っていた。
「は、はい!?」
私はびっくりして声が裏返ってでてしまった。
「ごめんね驚かせて。でも気付かなかった季良ちゃんがいけないんだよ?」
膨らませた頬が可愛いらしい。
さっきまでの悩みが何処かへ消えていく、ようだ。
私服の砂咲さんを始めて見た
全体的には黒いのだけどパステルカラーの小物とかが良いアクセントになり暗くなっていない。明るい印象受けるぐらいだ
「すみません」
と私は頭を下げる
「いやいいんだけど、考え事?」
貴女のことで悩んでますなんて言えるはずもなく
「なんでもないですよ」
「単純に耳が遠いのかな?」
「普通だと思います」
なんか意地悪じゃない?ボケかな?
「まぁいいや、ここで何してたの?待ち合わせ?」
ぎくり。何て言おう。待ち合わせでもないし
長い沈黙を察したのか
「言いたくないこと?彼氏とデートとか?」
「そ、それは一番無いですよ!」
食いぎみに否定してしまった。
逆に怪しまれたかも知れない
「えー、季良ちゃん可愛いし普通にあると思ってたよ」
か、かわ、かかか、か、可愛い???カワイイ??かわいい?え?
「そんなこと無いですよ!?」
そしてまた裏返る声。
可愛いなんて言われたことなくて動揺してしまった。
しかも好きな人に言われるなんて
少し考えたかのように砂咲さんは
「季良ちゃんは今から予定あるの?」
なんて言ったら正解なんだろう
「な、無いですけど」
「じゃあ、遊びに行こう!」
「へ?」
砂咲さんは私の手を取り走り出した。
正解は正解だったけど何故こうなった?
そして私達は遊んだ。
ショッピングモールへ行き、ウィンドウショッピングして、他愛のない会話をしてそれだけなのに。ただ楽しくて時間は過ぎていく。早く。楽しい時間は早く無くなる。
ずっと続けば良いのにとか思ってしまった、このまぐれ。運の良さを感謝しないと神様に
夕方になりそろそろ帰ろうと並んで歩く帰り道の途中
「そいえば、季良ちゃん。転校するんだよね?」
また私は頭が真っ白になる
「な、なんでそれを?」
「たまたま聞いちゃって、先生達が話してるところを」
どんな表情をしてるだろう私は。
目を合わせられない。
砂咲さんはどんな表情をしてるだろう。悲しんでくれるのか。喜んでるのか。何も感じてないのか。分からない。
「だから折角の休みだったし、季良ちゃんと遊びたいなと思って家に行こうと思ったら公園で考え込んでたからびっくりしたよ」
「えっ?じゃあ」
「もちろん。最初の思い出作りだよ、このまま急に居なくなるのは寂しくない?」
「そりゃ、寂しいです。」
段々弱くなる語尾
「だよね。一緒のクラスになったんだもん。運命だしさ遊びたいと思うのが当然だよね」
「は、はい」
意を決して私は砂咲さんの顔を見るとくしゃとした笑顔で、それは私の心の中のもやをかき消してくれるそんな太陽のような笑顔だった。
「砂咲さん。わたし…」
へ?なに私口走ろうとしてるの?
砂咲さんは察したのか察してないのか分からないけどそれをかき消す
「砂咲さんって堅くない?もう私達友達なんだしさんは要らないし、下の名前でいいよ」
「いやでもさすがに下の名前は……」
「嫌なの?」
「嫌ではない、ですけど」
「じゃあ良いじゃん」
ほらほらはやくと言わんばかりに砂咲さんはこちらを見る。普通に照れるんだけど。
「千夏ちゃん…?」
「ちゃん付けかー!まぁいいや、これからもよろしくね、季良ちゃん。」
これからも?わたしもうちょっとで転校するんだけどそれまではってことかな?
私はここで少し勇気を出す。どうせ短い間しか無いんだ。
「わ、私も季良じゃなくて、な、名前で呼んでほしい、なって」
ちゃんと聞こえてただろうか?少し小さかったかな?
「じゃあ葉月ちゃんでいいかな?」
は、破壊力ありすぎる。お母さんに言われるのは大違いだ。
自然に口が歪む、
「なに、にやけてるの」
と笑う千夏ちゃんは私の心のもっとわしづかみにしていった。
千夏ちゃんとわかれて家に着く。
私はベットに寝転がる。
遊んだのは久しぶりで疲れたけどそれでも楽しさの方が大きい。
凄く楽しかった。想いも強くなる。これからももっと遊びたい。友達として。それからもっと親しくなって。友達以上になりたい。私は。
夢を見させられたんだ私は。夢でよかったのに、楽しさを知った。現実での楽しさ、笑顔、触れた手、呼び掛ける声。私は触れてしまった。夢を。
でも離れてしまう。近付けたのは離れる理由なのに。なら夢は見たくなかった。夢で終わってたらよかったよ。いいや自分からも踏み出したのに。
頬を何かが伝う
私はどうすれば良いの
ありがとうございました。
僕は柚月ユズキです。観覧ありがとうございます。楽しんでいただけたら嬉しいです。誤字、脱字、読みづらさとかあったら教えてくれると嬉しいです。
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