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訓練(グラディオ視点)

あけましておめでとうございます

【おめでと!今年もよろしく!】

「はい、ディオの分。昨日より、回数が多いけど、無理のない範囲でね?倒れたら、元も子もないから」


 レリーナはそう言って、紙を渡してきた。うっ……、外周と素振りの回数が増えてる……。


(やるしか、ないか……)


 エルハントとダイレンと別れて、一人、課題をこなす。二人は、いつものレリーナの走り込みだ。アレができるって……


「本当に、彼女は何者なんだ?」

「グラディオ様?お手が止まっておりますわよ?」

「リーナちゃんに言いつけますよ?」


 自称:お目付け役のシャーロットとアリアに注意され、グラディオは再び、課題をこなす。満足したのか、また世間話に花を咲かせていた。


 なぜ、彼女は軽々、やってのけれる?なぜ、彼女は外周を息も上がらずできる?なぜ、彼女は、スピードを落とさず、移動できる?なぜ、彼女は……


「考えたら、きりがないな」


 模擬剣の素振りをしながら考える。自分は宰相家であり、公爵家。彼女は、平民。しかし、養女であるが、あの『伝説の冒険者』と呼ばれるルーベンの娘だ。あぁ、そうか……。


「教育の違いか……」


 それなら、納得がいく。彼女は勉強をしながら、ルーベンの訓練を行っていたのだろう。勉強ばかりの自分とは違って。


 実際、レリーナは血反吐が出るぐらいの訓練を毎日、養子になって、毎日、行っていた。その日々が当たり前だった。彼女にとって、ルーベンの娘、そして弟子になったからには、やらなければならないことだった。強くなっていけると実感できたときは喜び、できないときは毎夜毎夜、泣いていた。


「お・つ・か・れ〜!まさか、考え事しながら、やってた?」


 相変わらず、爽やかな笑顔で声をかけてきた。レリーナの後ろでは、エルハントとダイレンが仰向けになり、それぞれの婚約者が飲み物を渡している。


「なぜ、そうだと?」

「ん?剣の軌道が雑だったから」


 よく見てる。しれっと言い切ったレリーナにグラディオは軽く驚いた。


「私が教えているんだから、監督するのは当たり前でしょ?」


 何か問題でも?と言いたげな笑顔で、アリア作の飲み物を渡してきた。もちろん、素直に受け取る。


「だいぶ、体力がついてきたね。うん、これなら、合同訓練してもいいかな?」

「合同訓練?」


 聞いてない。そして、嫌な予感がする……。エルハントもダイレンも聞かされてないようで………。豆鉄砲を受けた顔になってるよ……。三人は、レリーナの笑顔がより一段と怖く思えた。

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