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強☆人☆類 〜握力がインフレした俺はゴリラの異能使い〜  作者: 徳島静
第4章『ゴリラゴリラゴリラの名は?』
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聖騎士ゴリラ伝説の開幕

「甘ったれるな!!」


変態は……キレた。

この令和の時代に、問題に発展しそうなほどの勢いで俺の横っ面をはったおしにくる。

普通に痛い。訴訟も辞さない。


「君がやらずに誰が成増を救うんだ!このままでは神々の寵愛を受けしこの美しい街が女児だけの街になる!それでもいいのか!」


それはそれで誰かにとっての主にロリコンにとっての黄金郷エルドラドになりそうな予感がしなくもない。

俺は変態に言う。


「だが……本当の力を開放すれば……俺はまた仲間を」

「これを見るんだ」


変態がまた現世のヴィジョン的なものを見せてくる。

そこに移るのは真冬だった。


「死なないで!わたしの赤ちゃん!死んじゃいやっ!!」


すっかりママに成り下がりやがって……。

やけどした俺の遺体をきつく抱きしめながら真冬は叫ぶ。


「まだ答えをもらえてないよ!まだわたしはあなたに勝ててない!」

「ふはははは!そのゴリラ赤ちゃんは死んだ!あきらめるのだ少女よ!」


幼女おじさんがしーっと歯を見せて威嚇する。

殺人という立派な犯罪に手を染めたものとは思えないくらいかわいい。


「だがおじさんは優しい!おじさんは君も同じ場所に送ってやろうと思う!ゴートゥー異世界!」


このおじさん幼女もまたなろう系であったか。

とそんなくだらないことを考えているうちに場面が切り替わる。


「君は仲間を失ったかもしれない。だが失わなかったものもある」


謎のビジョンが委員長やよしたかを映す。ついでに大家さんや大家さんの犬も映ったがそれは映さなくても良かった。


そうだ。

委員長はずっと影で支えてくれた。

握力がなければよしたかとも和解できなかった。


それに……


成増のアーチャーを破る力がなければ今の真冬はここにはいない。

俺もきっとここにはいない。


握力は人を変えてしまうくらい可能性のあるものだ。

フォースと同じで良い方にも悪い方にも転ぶ。


俺は、握力が悪い方向に転んで怯えてしまった。

仲間をまた失うことを恐れた。

委員長が俺との関係を壊したくなくて正体を隠していたのに似ている。だが彼女は勇気を出して一歩進んだ。

真冬もそうだ。

俺が原因で違う道を歩むことになり、そしてまた彼女も勇気を持って俺に正直な心を打ち明けてくれた。


だから俺も勇気を出さなければいけない。

いつまで一緒にいられるかは誰にも分からない。

もしかしたらまた失うかもしれない。

そんな不安は拭えない。


でも、今は仲間がいる。

俺の握力が繋いだ絆がここにある。


だから勇気を出して、全力で立ち向かう。

過去の過ちは受け入れてここからの未来ではもう二度と繰り返さない。


「うほおおおお!!」


眠っていた握力を呼び覚ます。

景色が歪む。

この謎空間が謎空間を維持できなくなるくらいの握力が放出されているのであろう。我ながら自分の握力が恐ろしくなる。


「退けば燃えるぞ!臆せば炎上!叫べ我が名は!」


そして全てを解放した俺は、


「ゴリラゴリラガラハッド!」

「うわっ!?いきなりなに!?」


現世へと返り咲いた。


もう赤ちゃんではない。

つややかな西ローランドゴリラを思わせる毛並み。

纏うのは握力で生み出した甲冑。

高く掲げた剣は握力選定の剣。


ゴリラの雄々しさと人間の知性。

その二つが絶妙に絡み合ったフォルムは完成されていると言ってもいいだろう。


「待たせたな」


聖騎士ゴリラ伝説の始まりである。

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