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強☆人☆類 〜握力がインフレした俺はゴリラの異能使い〜  作者: 徳島静
第4章『ゴリラゴリラゴリラの名は?』
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戦わなければ幼女になれない

「初めから全て見させてもらっていた。俺のライバルであるお前が美少女受肉おじさんに負けるなど許さんぞ」

「お前……俺のこと好きなのか?」


男にストーカーされるのは知る限りこれで二度目です。

なんか阿部星とかゲイスターとかそういう星の元に生まれたんか俺は?


「貴様を倒すのはこの俺。不本意ながら手を貸してやろう。その無様な赤ちゃん姿でも使いこなせるカードを貴様に!!マジックカード発動!!」

「なに!?」


ちょくちょく始まるカードゲームアニメ展開に困惑を隠せない俺(推定3歳にして男たちに愛されてるベイベ☆)。


ふちが緑っぽい巨大なカードの像が浮かび上がる。


リアルでソリッドなビジョンを目の当たりにできるのは童実野町市民と成増民の特権だよな。


「ハイボール・山☆崎!!」

「山☆崎!?」


よしたかの生み出したソリッドなビジョンは、女が農園でタピオカの収穫をする場面だった。軍手をつけ、麦わら帽子を被ったお姉さんたちが汗を拭いながらタピオカを木からもぎ取っている。


本物の馬鹿か精神に異常をきたした人間にしか生み出せないその光景は、妙に不安を掻き立ててくる!

心に直接ダメージを与える!


「このカードの効果!!赤ちゃんとママは他の女の発動した効果を受けない!!行け宇治春!!全速前進だ☆」

「やはりよしたか……こんなイカれた効果エロメンコでしかお目にかからないぜ」

「ふっはやく行け。この効果は3ターンしか持たない」


現実世界において3ターンがとれくらいなのかよくわからないが、急いだ方が良さそうだ。


かっこよくマントを翻して光の中に消えるよしたかを見送ったのち、俺は真冬へと向き直る。


「ママ!急いでくれ!」

「誰がママよ!!」


真冬ママ育児ノイローゼなのかな……。

ママは俺を抱えて橋下から飛び出す。


「赤さん!!討ち取ったりいいいい!!」


刹那。

おじさんの猛攻が俺たち擬似親子を襲う。


だがよしたかのインチキカードの効果は確かなものだったようで、その攻撃全てが消失してゆく。

おじさんは手に持つリコーダーを下ろすと、メスガキっぽく八重歯を見せる。


「どうやらなんらかのカードを使ったようだな。効果を受けないとかそういった類の幼稚園児が考えたようなテキストのものかね?」

「秒でカードの効果とかいう発想に結びつくのはなんでなの?」

「おじさんはプロのカードゲーマーだ。たとえエンジョイ勢の小学生相手でも環境を握るほどだよ?君たちの考えなどお見通しさ。ピッピんぐアナライズ!!」

「いきなりなんだよ!?」


前振りのないおじさんの技名。

だがその効果はすぐに判明する。


「ほう……3ターンの間他の女の効果を受けないカードか」

「なん……だと!?」


このおじさん。

心を読めるのか?


「だが君たちは忘れていないかな?おじさんは女の子であっておじさんなんだ。故におじさんは!そのハイボール・山☆崎のカード効果の対象に取られない!」

「しまった!テキストを逆手にとられたわ!」

「成増において!!新しい建国の父はおじさんだ!その礎となれることを光栄に思うがいい!ヨモトワサロ・クーオーイー・シヤミーア!!」


リコーダーから放たれるなんだか病んでそうな炎。

おじさんの幼女魔法は強大で全てを焼き尽くしそうだ。


「こ、これは!?親子の握力でも防ぎきれない!」


炎が迫る!

熱波が近づく中、抱かれたままではいられない。


俺は男。

男は立ち上がるもの!

赤ちゃんもいつかは抱っことハイハイを卒業する。


それが今なのだと!

俺の魂が言っている!!


「ばぶっちいいいいいいいい!!」


真冬を突き飛ばし炎を一身に受け止めた俺。

流石に無事ではいられなかった俺は全身火傷でその場に倒れる。


余程酷い傷なのだろうか。

真冬の顔は蒼白である。


「ど!どうして!?」


歩み寄りそっと俺を抱き抱える真冬。


「お前は俺のマッマ……死なせは……しないさ」

「マッマじゃねえええ!」


薄れゆく意識の中で真冬の絶叫が少しずつ小さくなってゆく。


やがて視界は真っ暗になり、痛みも薄れ、なんだか暖かい風を感じると、そこはやけに明るい場所だ。何故かラッパと食べるラー油の瓶を持ったケツ丸出しの天使数名、俺を馬鹿にする言葉を吐き捨てながら降りてくる。


あれコレ?

俺……死んだ?


なろう系の始まりを確信したのだった!

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