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強☆人☆類 〜握力がインフレした俺はゴリラの異能使い〜  作者: 徳島静
第2章『ゴリラゴリラベリンゲイ』
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鳩、インスタ映え、シルバニアファミリー

「だがやはり伝書鳩だけじゃ心許ないな。一応ラインしとくか」

スマホを取り出し、グループラインを開く。


『栄光鏡明騎士団(チーム・シャイニンググラスビクトリー)の騎士全員に告ぐ。成増始まって以来の危機である。円卓会議を始めるので本日17時にスキップ村集合。ガラハッドより』


完璧な招集文だ。

メッセージを打ち込んだグループラインは、俺の通う小学校で結成された強人類チームのものだ。


全員が中二病なので、それぞれ円卓の騎士の名を冠したコードネームで呼び合っている。


そんな俺の肩書きはガラハッド。


幼稚園のお遊戯会で視聴したキングスマンの影響で、ガラハッドの名だけは絶対誰にも渡さない。殺してでも奪い取ると決めていた。

もちろんコードネームを決める時すんなりはいかなかった。

俺と同じくキングスマンに影響された男(現モードレッド卿こと高橋くん)との争いがあったのだ。


約4秒しか続かなかった静かなる対話を経た後の暴力で俺はガラハッドの名を勝ち取った。

高橋くんの信頼と友情は八割ぐらい失ったが、それでも俺はガラハッドの名を守りきったのだ。


「むっ既読がついたぞ」


円卓の騎士を冠した集団なのに既読は17くらいついている。恐らくこれで全員だろう。

俺はスマホを見つめたまま3分ほど返信を待つ。

それから5分ほど待った。

伝書鳩は戻ってこない。

6分経過で返信はまだ帰ってこない。

そしてさらに25分ほど待って俺は恐ろしい真実に気がつく。


「こいつら全員……既読スルーしやがった」


人にあるまじ非道!

許せん。


そんな俺の様子にようやく動けるようになったよしたかがあきれた様子で口を挟む。


「お前前回のクリスマス円卓会議のプレゼント交換でシルバニアファミリー一式送ってからほぼ全員の騎士にシカトされてるんじゃなかったっけ?」


……そうだった。

理由は分からないがほぼ全員青い顔で尻を押さえると俺から距離を置くようになったのだ。

何故?


「なんて理不尽だ。どうして避ける?きっとやつらにはあの可愛さが理解できないんだ。ネズミの家族だぞ?」

「そこそこ仲の良い男友達からシルバニアファミリー送られたらもうノンケとは思われないぜ?あとシルバニアファミリーにネズミなんかいたか?」

「ネズミいない?それはさておきそういうことだったか……」


だから俺のプレゼントに当たったアグラヴェイン卿が固まっていたのか。普段はウザいくらいに饒舌なのに。

――ほんと時が止まったみたいになってたからな。


「マジかよ、俺そんないいオトコ扱いされてたのかよ。今度は海ぶどうとか無難なものにしとくか」

「宇治春は無難という言葉を前々前世から調べ直してこい」

「待て。返信があった」


ランスロット卿からである。

その驚きの内容とは……


「鳩美味ええええwww鳩肉まぢ映えるw」

「ヘドウィグぅううううう!」


恐ろしい文面と恐ろしい画像が送られる。

美味しく揚げられたフライドチキンと成り果てたであろう我が愛鳩(ヘドウィグ)と思われる画像だ。


こんなの酷すぎる。あんまりだよぉ……


「なーんちゃって☆」


カーネルの親父との自撮りツーショットを成し遂げるランスロットの画像が添付される。

あのアマ……心の臓が停止するかと思ったぞ。


続けて騎士団の長であるアーサーからメッセージが届く。


「いつもお世話になっております。表題の件でご連絡させていただきました。大変申し訳ございませんが、騎士団一同からは『貞操の危機』を理由に欠席の連絡が来ております。そちらにはアグラヴェイン卿のみが向かわれるとのことですのでご理解下さると助かります。それでは失礼いたします。アーサー」


なにこのビジネスライクな距離感を感じる文章。完全に疑われてる。

そして一番疑心暗鬼を抱くはずのアグラヴェイン卿だけが来てくれるとかアイツどんだけいいやつなんだ。

つーかランスロットは女なんだから来てくれよ。


「あたしゎ。これからタピオカミルクティーとサモサの専門店に映えに行くからムリ」


なんなんだよそのインドとサブカルの奇跡のベストマッチはよぉ。


「なんかもう人間不信になりそうだけど行ってくるわ」

「宇治春、強く生きろよ」


齢、小学生にして早くも人間関係でヘトヘトになった俺はよしたかの激励を受け、スキップ村へと向かうのだった。

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