第13話:ケイ
「クレナ…。」
「ケイ…。決まったの?」
「うん。…………あたしを、壊して…!」
「ケイ…!」
クレナは内心驚いていた。
あれだけ言っていたのに、何故このような事を言ったのか…。
「ケイ…。皆がその道を選んだからって…」
「皆って事は…。シアも壊される事を選んだんだ。」
「…ケイ、知らなかったの!?」
「何にも言わないで行っちゃったから…。でも、恨んだりしてないよ。シアが選んだ事だから…。」
「……………」
「ねぇ、クレナ…。あたしが生きたらこれから先、いろんなものを壊したりするんだよね…。」
クレナは、ただ頷いた。
「あたしね…。生きたいって思ってる。今も変わってないよ。」
「じゃあ、何で…!」
「でも、誰かにずっと大きな傷をつけてまで生きたくない!だから、お願い…!」
「ケイ…。」
その後、準備を終えたクレナは、もう一度ケイに聞いた。
「ケイ…。本当にいいの…?」
ケイは、何も言わなかった。しかし、しっかりと頷いた。
「それじゃあ…、やるよ…。」
「その前に、クレナ…。お願いがあるの…。」
ケイはお願いの内容を言った。その内容をクレナは了承し、作業を開始した…。
―――クレナ、これどうやって作るの?―――
―――これはね、ここをこうやって…。―――
―――あ、分かったー!ありがとう!―――
―――どういたしまして。ところで、どうしたの?突然…。―――
―――聞いた話なんだけど、これを作って大切に持っておけば、願いが叶うんだって!―――
―――そうなんだ。ケイの願いって、何?―――
―――皆と一緒にいれること!―――
―――ねぇ、クレナ…。―――
―――どうしました?―――
―――ずっと、5人一緒にいようね!―――
―――はい!先輩!―――
ケイ…、ケイ先輩…。
いつでも皆が一緒にいれる事を望んでいましたよね。私のわがままで3人を作ってしまって本当にすみません。
でも…今も昔も、皆でいれて幸せでした…。
本当に………ありがとうございました……………。
クレナは、最後のコードを切断した…。
次話で最終話になります。