第12話:シア
「シア…。来たの…?」
そうクレナが聞くと、シアは無言で頷いた。
「カナデから聞いたんだけど、シアって怖がりらしいね。」
「カナデが!?もぅ、隠しといてって言ったのに…!」
シアは顔を真っ赤にさせた。
「あと、シアとケイは生きるだろうって言ってた。」
シアは少し黙ってから言った。
「私…もしもを考えるのが怖いの…。そのもしもが良い方向に進んだらいいけど、悪い方向に向かったらと思うと…!」
「シア…。」
「このままでいたら、ケイやクレナ、それに他の人達に迷惑がかかるって分かったから…。私を、壊して…!クレナ…!」
「本当にいいの?シア…。」
準備が出来た―――最も、カナデのと同じだから時間はかからなかったが―――クレナは聞いた。
「うん…。ところで、カナデはもう…。」
「うん…。」
悟ったのか、シアはそれ以上聞かなかった。
「あのね、ケイの事なんだけど、生きるって言ったらちゃんと一緒にいてね。」
「うん。…シア、カナデと同じ事言ってる。」
「そう?何か嬉しい…。それじゃあ、クレナ…。」
「うん…。分かった…。」
―――クレナ、はい、これ。―――
―――うわぁ、どうしたの?こんな綺麗な花…。―――
―――庭に咲いてた。綺麗だったから摘んできたの。―――
―――本当に綺麗…。ありがとう。―――
―――ううん、別に…。―――
―――見て見て、これ。―――
―――どうしたんですか?そのブローチ…。―――
―――人形用の可愛いのが売ってあって…。思わず買っちゃった。―――
―――でも、今先輩が作っていらっしゃる服にぴったりだと思いますよ?―――
―――あ、ホントだ。―――
シア…、シア先輩…。
しっかり者で、でもちょっととぼけてて、怖がり屋で…。
そんなところがとても可愛いかったです。…本当に、ありがとうございました。
そして、クレナは最後のコードを切断した…。
「シア…。カナデ…。何で、なんで…?」
ケイは1人で泣きじゃくっていた。
今までずっと4人一緒だった。こんな別れは想像していなかった。
「ずっと…。皆と一緒だと思っていたのに…。」
ケイは、考えて考えて、ふと思った。
―――もしも、このまま生きていたら、きっと――!―――
ケイは、クレナのいる部屋に向かった。




