プロローグ
キオドルナ国―――
広大な土地、豊かな食料、人口は500万人以上の大きな国である。
そこでは、人々と共にあるモノが暮らしている。
それは、
“生きた等身大の人形"。
最初は、貴族の
「等身大の人形が見たい」という思いつきからだった。それから
「動くように」
「人間のように滑らかに動くように」
「言葉が喋れるように」
「会話が出来るように」
「滑らかに話せるように」
「食べ物が食べれるように」等、人々の欲求は解消すればするほど止まらなかった。
この頃から、このような人形を作る事を専門とした職業―――人形師ができ、人形師を助ける組合、
「ヘミルダ」ができた。
そして、随分人間に近づいてきた人形に対しての最後の目標―――
「感情を持たせる」、
「個性を出す」の2つが多くの人形師達、ヘミルダの組合員達によってついに完成された時、新たな問題が発生した。
「人形を人間として扱うべきか否か。」
「人形が幾ら人間に近づいていようが人形は人形だ。」
という意見もあったが、人形師やヘミルダの
「人形は私達にとっては自分の子供と同じだ。」
という意見に賛同する人が多く、結果人形は人間として扱われ、命名や戸籍の登録、学校や職業選択の自由等が可能になった。
しかし、人形であるため、どうしても材料費はかかってしまう。
「その点については仕方がない。」と黙認されたが、特に差別される事もなく、人間と人形は仲良く過ごしてきた。
また、人形師の中には自分の作った人形と共に過ごす者や一般人の為に低価格の人形を作る者も現れた。
クレナもまた、人形と共に過ごす人形師である―――
今回は連載物を書いてみました。初めてなのでどうなるか分かりませんが、皆様が楽しめる内容に出来たらいいと思います。次もぜひ読んでください。