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あの素材の使い道!

時系列は前話と同じ日です。


なんだか一昨日は吃驚するくらいPVが多かったです。

とっても嬉しいのですが、何故なのでしょう……



俺は悩んでいた。


理由は単純。この間のランクアップ試験の際に貰った『久遠』の素材で何を作るかを考えていたからだ。


あれ程の素材なら、かなり優秀な武器や道具がいくつも作れる。とも思うが、俺の魔導具職人としての、いや、魔導機神・・・・としてのカンが、そうすべきではないと訴えてくる。


「といっても、放置しておくのも嫌だしなー」



はっ!こんな時に便利な人?がいるじゃない!!


ソーフィーアーちゃーん!!

『五月蝿いです、マスター。何の用ですか?』


最近この子やけに反抗的になったと思うの。

反抗期なのかな?神器にも反抗期ってあるのかな?


『何が反抗期ですか……。私はマスターの訳の分からない要求に応えるのが億劫になって来ただけですよ』

なーんだ、それだけかー。って、訳の分からない要求だと!?

一体いつそんなことをしたって――

『いろいろありますよ。自覚しているでしょう?』

……はい。


いや、ほんとソフィアさん物知りなんだもん。暇な時にネットを開く感覚でソフィアさんと話しちゃうんだよ!



確かに!今まで訳の分からない要求をしてきたということは認めよう!!

だが今回は!今回は、大切な相談なんです。ほんとマジお願いします!

『わかりました。マスターのその殊勝な態度に免じて、今回は話を聞きましょう。でも、これからはちゃんと意味のあることを聞いてくださいね?』

は、ははーっっ!それは勿論です!!


どっちが『マスター』なのか分かんねぇな、これ。


『それで、何の用ですか?』

いや、この間倒した『久遠』の素材あるじゃん?

あれを何に使おうかと思ってさ。

『?普通にいつも通りに道具を作ればいいのでは?』

なんかそうすべきじゃない気がするんだよねー。

『…………なるほど、それ恐らくアレですね』

アレ、って何さ?

『それは内緒です。でも、是非マスター思うがままに作ってください。そうすれば、きっと今までのものとはが違うものが作れるはずです』



むう……なんかソフィアさんが難しい事ばっかり言ってる……


噛み砕いて言うと、アドバイスは無い!自分で考えて作れ!って事かな?



…………ソフィアさん、使えねぇぇぇ





******


「観自在菩薩行深波羅蜜多――」

『……マスター、何をやっているのですか?……』


ん?いやなに、どんなものを作るか思い付かないから、般若心経でも唱えようかと……

『おかしいですよね。もっと別に方法があるでしょう』


そんな事言われても……



「お兄ちゃん!!ただいま〜!!」


もう一度般若心経を読もうとしていると、アリスが帰ってきた。


「お帰り、アリス。楽しかった?」

「うん!あのね、エルちゃんと一緒に遊んだの!!」

「そっか、何したの?」

「えっとね、一緒にヴィオラちゃんのお店に行ったの!それでね、新しい魔導具を作ってたの!!」


ほう、新しい魔導具の開発とは、ヴィオラも頑張っているようだな。


これは今度抜き打ちで見に行くのもいいかもしれないな(ニヤリ)。


「ちっちゃな箱からいろんな物が出てくるの!でも、アイテムボックスとは違うんだって。むからゆうへのそうぞー、ってヴィオラちゃん言ってたの!!」


……無から有を創造する箱?まーた訳の分からんものを作ったな、あいつ。



ん?なんかビビっと来たぞ?もしかして、これがソフィアの言ってたやつか?


思うがまま、つまりこのイメージ通りに作れば……


「ありがとな、アリス!おかげていい発想が浮かんだ!!」


そう言ってアリスの頭を撫でる。


すると、彼女は不思議そうな顔をして、


「お兄ちゃんの役に立てたなら嬉しいの!」


と言いながら、にへっと笑った。





******


思い付くとすぐに作り始めたのだが、正直どうやって作ったかは覚えていない。



アリスと話した三時間後、目の前には両手のひらに乗るくらいの大きさの宝箱のような箱があった。


「…………なにこれ」


自分で作ったクセに、何を作ったか分かっていないアホである。



というかこの箱、内部に何かいる。


腹を切り裂いて何もいない事を証明する某アニメを思い出したが、それは置いておこう。


それより、何が居るのか気にはなるのだが、なんと言うか、開けてはいけない気がするのだ。


うまく言葉では表せないが、この箱を開けるとSAN値がぶっ飛んでいきそうなのだ。



この箱は封印しよう、と決意した。




封印するとはいえ、これが一体何なのかという事は知る必要があるだろう。


って事で、困った時のソフィアさん再び、である。


『あれは真の神器です』


ほうほう、真の神器とな?

なんか厨二臭いと思ったけど今更か。


俺の存在の方が厨二っぽいし。


あれ?でも俺自身が存在しているという事は、それは厨二であって厨二でないのか?


哲学的だね。



とと、話がそれたな。


何の話をしていたかはよく分からんが。


まあつまり、あの箱は『真の神器』なのか。


……神器?そんな神聖なものじゃなく、もっと禍々しい何かだろ?



恐ろしいものを作ってしまった気もするが、使わなければ問題無い。



取り敢えずあの箱は『善悪の箱(パンドラ・ボックス)』と名付けた。



この名前も、自分で考えたというよりは、魔導機神としての直感だけどね。








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