↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凡人でもできる現代ファンタジー攻略法  作者: 夜鐘
第二章 スケルトンダンジョン攻略 後編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/84

スケルトンダンジョン:ボス戦2



 こちらの切り札「仮称:聖なる鏃」で頭を吹き飛ばされ、失ったはずの首部分から新たに骨が生えてくる。



 頭蓋骨だけでなく、腕や肋骨、大腿骨のような色々な骨が増殖し、新たな骨格を形成していく。


 だが、それは今までのような人間をベースとした形ではない、明らかな異形。

 


 何本もの肋骨が複雑に絡み合って出来た上半身からは、新たに何本もの手が生えている。

 足は複数の骨が集まり、その巨大な上半身を支えている。

 首が至る所から生え、そこにぶら下がったいくつもの頭がこちらを見下ろしている。


 

 何人もの人骨を使って無理やり作られた巨人。見上げるような大きさの、いびつな怪物が出来上がった。


 

 何本もの手には、それぞれ剣・槍・魔法の杖が握られている。 


 なるほどね...嵌めたクレストの意味はこういうことか。




 ・・・ボス戦のお決まり、第二形態だ。




************




 身に着けていた防具はボスの魔法で焼け焦げた。

 インベントリから予備の防具を取り出し、手早く身に着ける。


 【重量軽減のネックレスLv2】を【痛み耐性のペンダントLv1】に付け替えたので、その分装備は軽めに。


 膨大なアイテムと【研究者の手帳】に記された記録がここにきて役に立つ。



 この空間に飛ばされた当初、高いと思っていた天井もボスの第二形態を目にすると、ちょうどいいどころか少し手(・)狭(・)にさえ感じる。



 いびつな骨でできた怪物は、アンバランスにも思える体で、こちらに向けて剣を振るってくる。



 何本もの骨が連なった多関節の腕による攻撃は緩慢に見えたが、その長さのため先端のスピードは見た目以上だ。


 範囲も広く、よけきれないと判断して盾を取り出す。

 その見た目通りのパワーを備えているようで、容易に盾が弾き飛ばされる。

 まあいい、在庫はたっぷりある。



 全体的に、いびつで巨大な体に比べて武器は小さい。


 剣はあらかじめそのスピードさえ気を付ければ、食らうことはなさそうだ。



 問題は、文字通りの手(・)数(・)の(・)多(・)さ(・)。



 剣を持った腕だけで二本以上あるが、それに加えて槍を持った腕、魔法の杖を持った腕が複数ある。


 槍を持った腕は振り下ろすようにして、こちらを突き刺そうとしてくる。

 

 魔法の杖を持った腕は、先端をこちらに向け様々な種類の魔法を飛ばしてくる。



 普通に考えて、こんなにたくさんの攻撃を避けられるはずがない。視界に収まりきらない腕もある。


 後ろにも目を付けなければ無理だ。攻撃の予知などできない凡人にはいささか厳しい。





 だが、なぜだろう...

 間違いなく強いはず、そして手強いはずなのに、最初の人型の時に比べて脅威に感じない。

 戦いに慣れたからか、アドレナリンのせいか、それとも俗にいう「巨大化は負けフラグ」だからかもしれない。

 




 冷静になって観察してみれば、第一形態に比べて隙(・)が多い。

 


 短剣を投擲、骨が寄り集まって的の大きくなった足に突き刺さる。

 

 ブレスレットの効果によって雷が付与され、動きを阻害する。




 先ほどまでの、剣戟に乗った魔法に比べて着弾まで猶予がある、それに杖の方向で射線がわかる。

 落ち着いて観察すると、複数の頭蓋骨によって詠唱しているようだが、生えた腕ごとに硬直もある。



 剣を持った腕も槍を持った腕も、魔法の射線をふさがないようにしなければならない。

 必然、動きが単調になる。



 剣は横なぎ。

 槍は上からの突き刺し。


 よけながら、攻略法を探る。


 ・・・



 まずは、巨大な上半身から果実のようにぶら下がった頭蓋骨。見上げるような位置にあるこ(・)れ(・)を弓で射貫く。


 そのたびに、突き刺さった所から炎が上がる。

 ざまあみろ、私の右半身のお返しだ。

 


 何個かの頭を黙らせれば、余裕ができる。

 とはいえ、最初に潰したはずの頭が新しく生えてきたので、もっと根元から絶たなければいけなさそうだ。



 インベントリを開き、アイテムを探す。


 【器物の指輪】と違って、取り出すのに操作がいるのがインベントリの欠点だが、その分膨大ともいえる量のアイテムをしまっておける。


 こんな状況にならなければ使わなかったような道具も、奥で眠らせて置ける。



 5秒にセットしたキッチンタイマーをボスの足元に放り投げる。


 第一形態の魔法剣士スケルトンであれば、容易に切り飛ばしたであろうそれも、長すぎる腕ではかなわない。

 

  

 ピピピピッ ピピピピッ ピピピピッ



 上に待機していた、槍を持った腕が一斉に足元を突き刺した。


 引っかかった!

 そうだよな、近接職だ。振動を感知したらつい手が出る。

 

 魔法も剣も相変わらずこちらを狙ってくるが、一時的に三分の一を引きはがせた。

 この機は逃せない。


 剣の横なぎの範囲だけ気を付けながら、頭蓋骨を射貫いていく。




 ついに、魔法が止まった。

 槍を持った腕は、すでにタイマーを破壊し復帰しているが、魔法が使えなければそれでいい。



 インベントリから【魔石の粉末】入り瓶を取り出す。


 前回はあえなく失敗に終わった自作アイテム。

 


 ボスに向かって投擲。今度はガラス瓶ごと。今まで砕いた粉末、全部だ。



 足元で割れた瓶、舞い上がる【魔石の粉末】。

 当然のように、剣を持った腕、槍を持った腕がそこめがけて攻撃を始める。

 

 砂埃とともに、より魔石の粉が舞い上がる。



 弓を構える。



 【魔石の粉末】の引火条件はなにか。

 

 


 答えは「魔力を含んだ火」だ。




 放たれた矢がボスに突き刺さった瞬間、耳をつんざく様な大きな爆発が起こった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。