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凡人でもできる現代ファンタジー攻略法  作者: 夜鐘
第一章 スケルトンダンジョン攻略 前編

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侵入者

 ステータスの検証をする際、最も問題となるのは、一度振ったステータスポイントは元に戻せないということである。


 この問題は掲示板上でも、攻略者たちの間でも度々話題になっている。

 もちろん、どのステータスにポイントを振っても無駄になることは無さそうだが、限られたポイントは()()()()()に使いたいというのが人の性だろう。



 そんな人々に漏れず私もこの段階で足踏みしていた訳だが、今回見つけたステータスアップ効果のあるアクセサリーを使い、疑似的に「ステータスを振った状態」を体感できれば、ステータスアップの効果をポイントを消費する前に検証できるのではないだろうか。



 *******



 そんなわけで、さっそくいつものダンジョンにやってきた。

 ステータス関係の検証を家でやるわけにもいかなかったので、やってきたはいいものの、ダンジョンに入ってすぐに違和感を感じた。



 ダンジョンに入って、まず思ったのは「やけに静かだ」ということだ。いつもはスケルトンたちが発している()()()()()が今日に限って聞こえてこない。


 普段なら、一層目にはそれなりの数のスケルトンがいる。

 というのも、攻略をすすめてから、階層を降りる最短ルート上に存在するスケルトン以外は無視して進んでいたからだ。


 しかし、気のせいでなければ今日はいつもよりもスケルトンが少ない。確認してみると、私が倒していない場所のスケルトンもいなくなっていた。

 一層目のスケルトン相手にアクセサリーの検証を進めるつもりだったが、流石にこの違和感は放置できない。


 いつもよりも慎重にダンジョンの階層を降りていくと、またしても妙な痕跡が見つかった。二層目にある石櫃のふたがいくつか開いていたのだ。

 私はA型なので、今までのアイテム収集(盗掘)の際、アイテムを取り終えた棺のふたは丁寧に閉め直していたにも関わらずだ。

 この状況から導き出せる結論は一つ。

 

 それは「このダンジョンに誰かが来た」ということだ。



 **********



 思い返せば、このダンジョンの【ゲート】を隠していた青いビニールシートが今日は若干ずれていたような気がする。


 正直、今の段階でこの「スケルトンダンジョン」の存在が外部に知られるのは避けたい。もちろん、このダンジョンの存在を秘匿し、アイテムや情報を独占したいという気持ちもあるがそれだけではない。

 

 というのも、私はこのダンジョンが性質的に、大人数での攻略には向いていないと考えているからだ。


 二層目から四層目までのカタコンベは石櫃が所狭しと並んでおり、通路が狭く、戦闘に使えるスペースが少ない。加えて松明による明かりしかなく、全体的に薄暗い様相になっている。


 考えてもみてほしい、こんな場所で大人数が戦闘なんかしたらどうなるか。混乱は必至だろう。

 加えて遠距離攻撃を持つモンスターが多く、避けるスペースの少ないこのダンジョンの性質上、避けた矢や魔法が別の誰かに当たる事故が多発することは容易に想像できる。


 

 そして、私がこれから挑む五層目。おそらくだが、この五層目が何らかの節目になるのではないかと考えられる。というのも、ネットで調べた限りでは、階層タイプのダンジョンでは5の倍数ごとに何かしらの大きな変化が起きるそうなのだ。

 例えばマップの様相・タイプがガラッと変わったり、中ボスやそのダンジョンのラスボスがいたり。

 そう考えると、ここまでダンジョン攻略を進めてきた身として、誰にも邪魔されずに、5層目に挑みたいというのが正直な感想だ。

 


 まあ、結局このダンジョンを独占したいというのが一番なのだが。



 他人にこのダンジョンの存在がばれた際の面倒を考えながら、半ば侵入者の存在を確信して、三層目に降りていく。


 三層目に降りると近くから鈍い音が聞こえてきた。

 気配を隠しながらその場所の様子を探ると、三人の男性がスケルトンと戦っているのが目に入った。

 彼らに見つからないよう、遠くから観察する。三人とも高校生くらいに見える。どうやら一人は金属製の剣を、他の2人は木製の槍を使っているようだ。

 リーチのある武器を使う三人が一体のスケルトンを相手に窮屈そうに戦っているのが見て取れた。


 やっぱりそうだよね。どう考えても複数人で攻略するのに向いてないんだよね、このダンジョンというかカタコンベ。



 そんなわけで、しばらく彼らを観察していると、遂に相手のスケルトンが灰になっていった。


 さて、どうしたものか。

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