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森で襲われてる人助けるって、テンプレだよね。

前回のあらすじ:家に帰ってきた!鍛えるため、ダンジョンに行きたい。でもダンジョンって人間の街にあるよね。人化しよう!!おぉ、人化したアロエ美少女!!

鏡には、長い髪を下ろした、無表情な美少女が立っていた。


ってこれ、私の前世の顔そっくり!

無表情で、なに考えてるか分からない顔。うわー。そっくりだ。

まさか異世界まで来て前世の顔引きずることになるとは。

前世にあんまいい思い出ないんだけどなー。


顔以外はけっこう変わってて、髪がこげ茶っぽい黒から完全な漆黒になって、目の色が赤くなってる。そして、真っ黒でちょっとテカってる角が2本と、黒いコウモリの翼が生えて、八重歯が鋭い牙になってる。肌は前世より白くてすべすべになってる。というか、青白い?ヴァンパイアだからかな?あと、前世よりちょっと顔立ちが整ってるかな?前世以上の美女になってしまった。ふふふ。

前世より美少女になったけど、前世より無表情度が上がってるような……?


羽は出し入れでできるみたい。便利だねぇ。


ヴァンパイア化したときに、新しいスキルをゲットした。

《超回復》と《HP超回復》と《夜の加護》と《満月の加護》《鬼神化》。

超回復は、傷を受けてもすぐ治り、治るときにはHPを消費する。

HP超回復は、HP回復速度がすごく上がり、どんどんHPが回復する。だいたい5秒でHP1ぐらいかな。

夜の加護は、夜にステータスが強化され、HP回復や超回復も効果が上がる。

満月の加護は、満月の夜、満月の光を浴びたとき、ステータスが3倍になる。スキルの威力も3倍になる。

鬼神化は、10分間ステータス、スキルを劇的に強化できる。ただし、解除した時、反動でHPが1になる。

これらのスキルは、コウモリ状態でも使える。


また私はチートになった。ちょっと私強すぎない?


あとは、人化状態で羽をしまったらステータスやスキル威力が制限される。



まあ、そういうわけで、私達は無事人化できた。


「あー。あー。うん!声が出る!久しぶりに声出したなー!!」

いい感じ!




「よし!さっそく人間の街に向かおう!」

「おー!いくz……って私達、服着てないじゃん。」


あっ!そういえば、服着てなかった!?


このまま行ったら逮捕されるだけじゃん!!


どうしよう!!


「うーん、とりあえず、毛皮を着て、人がいるとこまで行って、服を売ってもらおう。あと、魔法で角を隠せたりできる?」


「できないけど、なんで?」


「国によっては魔族は穢れた者とされて、殺されたりするからね。」


「まじか……。そんな物騒な……。」


「まぁいいや。とりあえず、マップを見て、人がいるまで行こう。」

マップは半径1キロ以内しかマッピングされないんだけどな……。


とりあえず、翼をしまってウルフの毛皮を身に纏う。


と、そのとき。

『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!』

という叫び声が森の端の方から聞こえてきた。


叫び声のした方向に走る。


そこには、ワイバーンに、小さな荷馬車と女の子1人が襲われていた。


ーー種族:リトルレッドワイバーン(ランクC)

 名前:なし 状態:通常 LV:45/125

 HP :263/263 MP:211/211

 赤いリトルワイバーン。鱗の色が違うだけで、普通のリトルワイバーンと変わりない。ーー


リトルワイバーンか。余裕で勝てるな。


ワイバーンに1発、闇魔法をぶち込む。


闇魔法はワイバーンの腹に直撃。ワイバーンは腹がなくなって死んで墜落した。グロい。


「ワイバーン1撃とか、相変わらず威力おかしいね……。」

まぁ、リトルだしね。


「助けてくださってありがとうございます!ワイバーンが1撃とは、お強いんですね!!」

襲われてた女の子からお礼を言われた。


「わたくし、旅商人のアーシャと申します。先ほどはワイバーンから助けてくださり、本当にありがとうございます!護衛の冒険者を雇ったのですが、相手がワイバーンで、逃げてしまったのです。助かりました何かお礼をさせてください!」


「えっお礼なんていいですよ。」


「いえ、商人たるもの、恩を受けたら返さなくてはなりません。借りを作るのは良くないのです。」


「えっと、じゃあ、服をくれたら嬉しいかな。」


「わかりました。少々お待ちください。」

といって馬車の荷台に入っていった。


「こちらはどうでしょうか。全てに防御や頑丈さが付与されております。さらに自動洗浄と自動修復も付与されております。私の商品で最もいい品です。下着も自動洗浄と自動修復が付いているいい品です。」


そう言って、白いワイシャツと黒いプリーツスカートのセット、下着を渡してくれた。

スカートにはリボンとかも付いてて、可愛い。


アロエには、異世界ファンタジー漫画で出てくる女冒険者がよく着ているような、ミニスカートの服が渡された。


鑑定してみると、

ーーーーーーーーーーーーーーーー

冒険者の正装(ワイシャツ、スカート)

ランク:A(超高級品)

付与:自動修復、自動洗浄、頑丈、物理耐性、魔法耐性、物理軽減、魔法軽減、不可視魔法

冒険者も立派な可愛い服着たい。でも冒険者って服汚れるし、普通の服だと戦いで破れるし、鎧ないと危険だし……ということで作られた服。冒険中でも着れる。丈夫で、鎧いらず。さらに、よく動く冒険者のため、スカートの中が絶対見えないよう幻影魔法も付与されている。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

すごいな……。普通にやばい。すごい性能。超高級品だって。

アロエのもAランクで、同じ付与がされていた。


「それから、こちらもどうぞ!」

そう言って、私には黒い花の髪飾りを、アロエには赤い宝石のブローチを、くれた。

「これは、モノづくりが得意な魔族の方作った、角が見えなくなる効果のあるアクセサリーです。人間の中には、魔族の方をよく思わない人たちもいるので、そういう時にお使いください。ただ、見えなくなるだけで、触ったらわかるので、お気をつけください。」

ーーーーーーーーーーーーーーー

偽装の髪飾り

ランク:S(国宝級)

付与:偽装魔術、頑丈、物理耐性、魔法耐性、自動洗浄、自動修復、魔の気配無効

魔族のための、角を見えなくすることができるアクセサリー。ON、OFFで切り替えることで、隠したり解除したりできる。寝たり、羽を出すなどの魔族特有の動きをしたりしたら解除される。また、付けていると魔族特有の、魔の属性の気配が消える。

ーーーーーーーーーーーーーー

「って国宝級じゃん!?こんなのもらっちゃっていいの?」


「国宝級だったんですか!?でももちろんいいです!!あなた方は命の恩人ですから!そして、あなた方は、禁忌持ちですよね。私は商人で、いろいろな人の対応をしてきているので平気だったんですが、他の人だと嫌悪感を抱くと思います。そこで、そのアクセスは、禁忌スキルの代償の、禁忌の気配も消すことができるのです。」

「そうなんですか……………」


禁忌スキルの代償で相手に嫌悪感を抱かれる、っていう悩みが消えた。

すごいものもらっちゃった。こんな簡単に解決するなんて……。


「それから、お名前を伺ってもよろしいですか?」

「リリーと言います。」

「アロエです!」

「リリーさんとアロエさんですね!服だけではお礼として足りないので、全ての商会で使える、ゴールドカードを無料でお渡しますが…。よろしいですか……?」


『ゴールドカードって何?』

アロエに念話で聞く。

『最近はやりのキャッシュレス決済ができるカードの一種だよ。カードの中にお金を貯められるの。その中でもゴールドカードは、手に入れるのにすごいお金がかかるし、信用のある人、お得意様にしか売ってくれないカード。全ての店でゴールドカード割引があるし、ゴールド会員だけが入れるところがあったりもするよ。ただ、月に2000ペル取られるよ。キャッシュレス割引を考えれば持ってた方がおトクだね。』

へー。こっちの世界でもキャッシュレス決済とかあるんだ……。


ちなみに、ペルはお金の単位で、円とほぼ同じぐらいの価値。

1ペルが鉄硬貨、10ペルが銅貨、100ペルが大銅貨、500ペルが小銀貨、1000ペルが銀貨、5000ペルが銀貨、10000ペルがミスリル小硬貨、50000ペルがミスリル硬貨、10万ペルが小金貨、50万ペルが金貨、100万ペルが白金貨、って感じの貨幣が使われてる。


「ありがとうございます!いいんですか!?」

「これでもお礼したりないぐらいですよ!カードはこれです。登録は、身分証明書とこのカードを重ねて魔力を流すだけでできますので。では、急いでいるので行かせてもらいます。ありがとうございました!!」


そう言って、アーシャさんは馬車を動かしてどこかへ行ってしまった。






私達は、もらった服を着て、髪飾りをつけた。


「よし。じゃあ、 私達も行こうか。すぐ近くにダンジョンのある街を発見した。そこに行こう!」


「見つけたんだ!さすがリリーちゃん!」


5分ほど歩いて森を出た。森をでると、目の前に、巨大な壁が広がった。

壁の周りを歩いて、一番近くの街の入り口へ向かう。

おっきい壁だなぁ。





しばらく歩くと、入り口に着いた。


入り口には、〈ようこそ聖エネチュア王国、森の迷宮都市へ〉と書いてある。


聖エネチュア王国かぁ……。

聖何とか王国っていう名前の国は魔族を悪とする国が多いらしいんだよねー。


まぁいいや。入ろ。


「あっリリーちゃん。検問は基本僕が答えるから。ボロが出ないようにお願いね。」

「よくわからんけどわかった!」


入り口を通ろうとすると、門番らしき人物に止められた。


ここで検問があるらしい。

検問といっても、身分証明書を提示すれば終わりなのだけど。

って、身分証明書?持ってないけど!?


「身分証明書を提示しろ。」

「持ってません。」


「なぜ持ってない?」

「いろいろと事情があって、戸籍がないのです。」


「戸籍がない?どういうことだ?そしてお前達はどこから来た?」

「遠い田舎の、アスカール村というところです。」


アロエが嘘八百を並べていく。


「魔族や、敵対国のものじゃないだろうな。」

「たぶん違いますよ。敵対国がどこかは知らないけど、僕らはリュミネール王国から来ました。」


「リュミネールか。なら大丈夫だな。何しにここへ来た?そして、なぜ戸籍がない?」

「ここに住むためにここに来ました。」


「住む?リュミネール王国に家はないのか?」

「リュミネール王国は、知っての通り、光の神を崇める国です。そんな国で、この子は、黒い髪と赤い目を持って生まれてきたんです。光の国で、黒い髪を持つ彼女は忌み子とされました。親も、最初は育てていたのですが、8歳の時、彼女は闇魔法を使ってしまったのです。黒髪で闇属性持ちで目も赤くて不気味。悪魔の子だ。と言われて、森に捨てられました。それから、森で暮らしたり、髪を隠して他の村に入れてもらったりと、何とか生き延びて来ました。そういうわけで彼女は、戸籍を作る歳である、10歳になる前に捨てられたので、戸籍がありません。僕は、9歳の時魔物に攫われ、精霊に助けられ、森の中で精霊に育てられてすぐ今に至ります。」


うわっ。こんな長い話、よく考えたね……。でもすごいそれっぽい。すごいなー。


「そうか……辛い話をさせたな。」

「いえ。」


「最後に、犯罪の確認をする。この水晶に手を置け。」


私達が手を置くと、水晶には青く光った。

これで、指名手配人物とかだと赤くなるらしい。


「通ってよし。」


やっと通してもらえた。長かったな。





「ふう。なんとかごまかせた。こうならないためにも、身分証明書作んなきゃね。」


「嘘、すごかったね。よくあんなペラペラと……。あと、身分証明書って今から作れるの?」


「冒険者登録すればいいんだよ。冒険者証は身分証明書の代わりになるから。」


「そうなんだ!」


「うん。冒険者になる人は、勘当された貴族とか、捨て子とか、犯罪で捕まって、釈放された人とか。訳ありな人がなることも多いからね。訳ありな人のために冒険者証を身分証明書の代わりにできるようになったんだよー。」


「へー。」


「あっ!あっちに冒険者ギルド発見!あそこで登録しよ!ついてきて!」


そう言ってアロエが走り出した。



ちょっ!まってー!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 新しいスキルをゲットしてチートに近づく時はワクワクしました。 [気になる点] 特にありません。 [一言] 続き期待しています。
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