第二回目契約更新の夜 ファイト!
今回で【第一章】は完結です。《天然ヒドイン》ノアと《発掘馬鹿》ヴァシリウスのなれそめ編でした。愛は……あるような、ないような。
扉を開けると、正装をして花束を持った旦那様がいた。
「お手をどうぞ、奥様」
「えっ?」
出された手にウッカリ自分の手を乗せたら、グイッと引っ張られて大きな肩に担がれた。
奥様部屋は明け放たれたのだった。
な、なんでだ〜!!!
※
そして連行されたのが……何だこの部屋。
ダブル……トリプルベッドォ???
「ノア……やっと抱ける……」
は?
不穏な発言をしたとたん、肩に担いでいたわたしを旦那様がベッドに落とした。
「これから初夜をする」
は?
「チョット待って!!」
「待たない」
「まずは話し合いましょう!」
「そんな時間はない。何年待ったと思ってるんだ」
「わたしたち、ただの契約結婚でしたよね、契約。書類上、形式上! 白い結婚!」
「結婚に白も黒もあるか。そんなどうでもいい契約内容は、前回削除した」
どうでもいい? そこが重要だったんじゃ。
適当すぎるぞ、この男。
自分が書類にしたことを勝手になかったことにするとはオーマイガーッッ!
わたしを聖女呼ばわりする『頭のおかしい札束ビンタ変態クソ旦那ついでにセクハラ男』をどうしてやろう。
しかしわたしは伯爵家をタダで間借りしている身――しかも没落寸前のテリア家を救ってもらった負い目がある。
ヤバい、前回の契約内容を読んでなかったわ。
そんなことを考えているうちに、凶悪旦那様が覆いかぶさって来た。
だからと言って、セクハラするとは許すマジ!!
『出でよスタンガン!』
ピリピリピリピリピリピリィィィ!!!!!
「ウワワワワァァァーーッ!!!」
セクハラ男は動きを止め、ベッドに突っ伏した。
眼鏡が床に落ちて割れた。
フーッ、危なかったわ〜。
マジ貞操の危機だったわ~。
お嫁に行けなくなるところだったわ〜。
この男は変態だから、よくよく気をつけなければ。
スタンガンは常備しておこう。
次の契約は断ろう。
どれどれ、眼鏡を失ったクソ男を拝んでやろう。
わたしはベッドに突っ伏している頭をグイッとひねった……。
イケメンだったぁ〜!!!
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ヴァシリウス、初夜未遂。残念!
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☞(何だかいわゆる契約結婚ストーリーと違う)と思った読者の皆様、誠に申し訳ありませんでしたm(_ _)m『愛している』『わたしもよ』という展開ではなく、似たものクズ夫婦の突っ走りストーリーです。ほのぼのです、たぶん。
☞第二章はヴァシリウスの発掘現場編です。愛らしい(と思い込んでいる)妻を発掘チームに見せびらかしたいヴァシリウスのおバカ話です。5月11日くらいからの投稿になります。




