俺生きてた?閻魔大王様に謁見する!IV
「転生リスト?」
獄卒から渡された物は、生前愛用していたメーカーにとても良く似たタブレット端末だった。
ほぉー、天界も機械化が進んでるんだな。
そう言えば、さっき親切に色々教えてくれた外の獄卒さんもタブレットで俺の事を調べてくれていたな?全てが物珍しすぎて意識から消えてたわ。
物語とかで読む天界とか地獄って、巻物と筆で仕事してるイメージだったけど、現世と同じでどんどん進歩してんだな。
「今時は、閻魔大王様もタブレットとか使うんですね」
「あぁ、大昔は巻物じゃったんだが管理が大変でな。数千年前からタブレットなどを活用しておる……イメージと違ってがっかりしたか?」
「いえガッカリとかはして無いです。現代も進歩しているのですから天界が進歩していないはずないですよね。……あれ、でも数千年前からってタブレットなどは普及していないですよね?」
「そこは現世と一緒にされては困る。こちらにも技術者は多くいる故、多少普及が早くとも驚く事はない」
現世の人間如きが、天界より先に行けるわけねぇだろって事ですね?
……ちょっと悪意のある変換すぎたか。
「お話はそれくらいにして、リストのご確認をお願いしても良いですか?」
「すみません。直ぐに確認しますね」
渡されたタブレットをタップし、表示された物を見る。
人間
犬
猫
鳥
ネズミ……等々。
そんなに少ない感じしねぇけど、善行を積んだらこの項目がもっと多いって事なのか?
目立った善行を積んでないにしては多い気もするが。
色男の自殺助けたポイントとか、獄卒の愚痴聞いたお礼のポイントとかが、俺が思っているよりも高いのかもしれないな。
疑問に思いながら適当に目を通して、下にスクロールしていくと変な項目が並び始めた。
スライム
ゴブリン
オーク
スケルトン
ゾンビ
エルフ
ドワーフ
ロボット……etc。
これって、地球以外にも転生できるって事なのか。魔物に分類される種族が多い事には疑問だが。
ロボットはSFの世界なのか?
俺が熱烈なロボットアニメファンとかだったら嬉しかったな。
項目が思ったよりも多いので、素早く下にスクロールして、気になった物だけを閻魔様達に聞く事にしよう。
そうやって素早くだが、丁寧に項目を見ていくと前世で見た事があり、少々気になっていた珍しい種族を見つけた。
ん、ケットシーがある。
ケットシーってあれだよな、二足歩行の喋る猫。
魔法とか撃てて、精霊扱いされてた気がする……あっさい知識だけど。
だってゲームとかアニメでしか見た事ないし、イマイチどんな生物なのか分かんないんだよ。
よし、早速閻魔様達に聞いてみるか。
「すみません、このケットシーという種族についてお聞きしたいのですが……」
「え、ケットシー?」
獄卒さんがキョトンとした顔をしながら、俺が持っているタブレットを覗き込み不思議そうに首を傾げている。
「閻魔大王、ケットシーという種族をリストに追加しましたか?」
「そんなものワシが追加する訳無かろう。また"あやつ"が面白がって勝手に入れたのではないか?」
「……あー、あのクソが。余計な仕事増やしやがって」
おっと、獄卒さんや?ちょっとお口が悪う御座いますよ?
お顔の治安も悪くなっておられます。
門の外で列の整理してた獄卒みたいだ。
こいつ、素はこんな感じなのか?
「池田晴臣申し訳ございません。こちらの種族は私の愚かな部下がお遊びで入れたものになりますので、詳細は説明出来かねます」
「あ、じゃあこの種族は選べないって事なんですね」
「……そんな事はないぞ?そのそもお主の善行ポイントに見合っていなければ、お遊びでもそのタブレットには表示出来ん仕様になっておる。お主が望むのであれば、ケットシーとして転生する事は可能じゃ」
大体納得、お遊びで入れられてるが転生できない訳ではない……。
なら、異世界っぽい場所にも転生出来そうだし、種族的にも面白そうだからケットシーにしてみるかな。
他のスケルトンやスライムも惹かれるが、魔物は生きて行くの大変そうだし、エルフやドワーフも魅力的だけど……種族の決まりとか色々ありそうで面倒くさそうだからパス。
面倒ごとなんてないに越した事ないだろ?
ケットシーは精霊扱いなら気ままそうで、マイペースな俺の性格に合ってる。
転生した後の俺がどんな家族と出会って生活していくかは分かんないけど、記憶が消えても魂の根本は変わらないだろう。
「決めました。ケットシーでお願いします」
「本当にそれでよいのだな?」
「? はい、異世界で生きてみたかったですし……ケットシーって種族が面白そうなので」
「異世界でも人間という選択肢があるというのに、面白いってだけでケットシーに決めるなんて変な人ですね」
「そうですか? オタクなら興味を惹く種族だと思いますよ。それに猫族ってふわふわしてて可愛いじゃないですか?自分が猫になったら眺め放題、もふり放題じゃないですか、超魅力的です」
「そういう考えもあるのだな……。よし、ではそれで手続きをしてやろう」
普通の猫に転生する事も考えたんだけど、喋れないのが微妙なんだよなー。
ケットシーなら人語を喋れる可能性ある!
転生したら、池田晴臣としての記憶は消えちゃうけどやっぱりおしゃべりはしたいよな、人間と。
猫と会話ももちろん楽しいだろうけど、ケットシーという種族で人と話す体験をしてみたい。
生まれ変わった俺が人との会話を望むか、は…………今は分かんないけど、喋れないよりは喋れた方がいいよな? 選択肢増える訳だし。
俺の来世の種族が決まったので、獄卒さんに一旦タブレットを返すと何やら操作を始め、閻魔大王もそれを確認して満足そうに頷いた。
「では、準備ができたぞ!池田晴臣!お前の転生先はゼユミュ!種族はケットシーじゃ!」
ゼユミュ、地球みたいな星の名前か?
部屋が揺れる程に大声を出して閻魔大王様はその体に合った、巨大なガベルを机に勢いよく叩き付けた。
大声と巨大ガベルのダブルパンチの振動と共に、俺の足元の床に大きな穴が空いて、そのまま真っ逆様に落ちた。
「ちょ、えっ!? な、なんでこんなバラエティー番組の落とし穴みたいな転生の仕方なんですかーーー?!」
「すまん! 閻魔大王の今のブームが現世のドッキリ番組なんだ! 許せ! 怪我などは絶対にしないから安心してくれ!」
「いやぁ〜愉快じゃ……大変愉快!」
「痛くなくても! 底無し穴は
こえ
ぇ
よ
お
お
お
お
!!!」
俺は大声を出し、涙を流しながら、遠くなって行く心配そうな獄卒の声と、腹立たしい事に大笑いしている閻魔大王の声を聞きながら真っ暗闇に落ちていった。
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