2 親と執事の話
赤ん坊が眠りについた頃部屋に2人の美男美女とタキシードを着た白髪の老人にしては背筋が真っ直ぐの人が入ってきた。
老人の手にはキラリと窓から差し込む月明かりに照らされた剣を握っていた。
男女はベッドで眠る赤子を悲しそうな顔で見つめていた。
「・・・本当に殺すのですか?旦那様」
「黒髪赤目は我が一族に不幸を招くと言い伝えられている」
────王国が栄える古くからあるこの伯爵家は昔神の使いと言われる猫に酷いことをして以来、黒髪赤目の子供は猫の姿になってしまうことがあると親から子へと言い伝えられている。
私はいったいどうしたらいいのかと妻や執事長と話しあったり我が家にある猫にまつわる文献を探したが詳しいことは一切書いてなかった。
「やはり殺さなくてもよいのではないですか?これまでの不幸になった記録がある訳では無いですし、、何よりやっと生まれたあなたとの娘です」
妻が悲しそうに愛しそうに娘の頬を寝でる姿をみて心が傷んだ。
娘の顔を見ていると瞼が震え目を開け、その深い赤い目で私を見つめ、まるで心の奥までを覗き込んでくるような不思議な感覚がした。
「あら、起きたの?」
娘を妻が抱き上げると小さな声であーと言い笑って擦り寄っている姿を見ると殺す気は無くなっていた。
「5歳までは面倒を見よう。それまでに使い魔と契約できるようにしておけ」
まだ言葉が分からないであろう娘に向かいそう言った男は踵を返し部屋を出ていった。
取り残された老人と女は5歳までに立派育っていくことを願いながら赤ん坊の顔を見つめていた。
うーん、、小説って書くの難しいですね。