第13話:組み手
シズカはこの国から北にある国に用事があるらしい。
そこまで一緒に行こうと誘ってきたので、何処にも行く予定のない俺は即答した。
そして、俺達はこの国を出て、北に向かい、今、森の中にいます・・・。
「なあ、シズカ・・・。」
「なぁに?」
「道合ってるか?」
「・・・・・う~ん・・・たぶん。」
「これどう見ても獣道だよな・・・。獣いないけど。」
俺達は、森の中にある誰かが踏んでできたような道なき道を進んでいる。
その時、俺の空気の盾に何かがあたった感触があった。
俺は前方、左右、後方4方向に50cmくらいの空気の壁を5m間隔ではっている。
その左側の盾に何かが当たったのだ。
俺は、左側を警戒するようにそちらに振り向く。
シズカは俺の思考を呼んだのか、誰かの思考を呼んだのか、そちらを向いていた。
「やっときたわね。」
「・・・・今まで知ってるなら教えてくれても良かったんでは?」
「大地のビックリする顔が見たかったのよ。」
それで俺が死んだらどないするつもりだったんだ。と心の声で講義する。
すると、シズカはフフフと軽く笑うだけだった。
「おいおい、あれをはじくとはお前さん達、一体何者よ。」
そういうと、一本の木から忍者の格好をした男が降りてきた。
ってことはさっきのは苦無か、手裏剣のどちらかだな。
「見た目で騙されちゃ駄目よ。落第よ。」
「おいおい、無視しないで、二人で盛り上がらないでもらいたいな。」
忍者の格好をした男は、俺に向かって、ボーガンを放って来た。
俺はさきほど空気の盾で弾くことに成功している為、俺よりレベル低いんだろうと感じる。
そして、躱すこともせず、そのまま左手を男に向け、男のボーガンが空気の盾ではじかれたのを見てから、その空気の盾を空気の弾に変換し、男にを放つ。
男はボーガンが何もないとこで弾かれたことに驚いている間に、空気の弾で胴体が消し飛ぶ。
「ば、ばかな・・。」
「お前に聞きたいことがある。・・・・・・北はどっちだ?」
「・・・・お前ら迷子か!いててて、・・・・だれが教えるか、ぼけ!」
「・・・・・。」
そういいながら、忍者の男は光の粒子となり、俺のソウルイーターが少し粒子を吸った。
「前途多難っといいたいことだけど、さっきの子が北を教えてくれたからそっちにいこうかしら。」
「心読めるってずるいな。」
「私からいえば、あんなことできる大地の方がずるいわ。」
俺は少し傷ついた心を抑えながら、シズカの後に着いていく。
すると、森を抜けることに成功し、そこには草原が広がっており、また土の道も見える。
「ふぅ~これであの道をたどっていったら次の町には着きそうだな。」
「そうねぇ~。」
草原の中を歩いていると急に前を歩いていたシズカが動きを止める。
「どうした?」
「いや~、さっきの攻防を見て、ちょっとワクワクしちゃった。」
「そ、そうか?」
「ねえ、私と組み手しましょうよぉ♪武器なし、特殊能力なしで。」
「え?」
「もう私、このドキドキ開放しないとパンクしちゃう~♪」
「おいおい・・・・。」
「大丈夫、死ぬことなんてないから、武器も特殊能力も使わないから。まあ回復魔法もあるし。」
「特殊能力なしって項目は俺しか適用されないのでは。」
「大丈夫。私も他の特殊能力あるのを使わないから・・・。心眼は自動だからこれは許してね。」
「おいおい、動き読まれた組み手って、俺に勝ち目あるのか?」
「フフフ。」
シズカは笑顔を崩さず、構えたまま待っている。
「わかったよ。少しだけやってやる!」
俺がそういうと同時にシズカの笑顔が真顔になり、気づいたら俺の目の前にいた。
シズカはそのまま俺に向け、アッパーカットを放ってきたので、俺はシズカの顔にひざうちをする。
シズカのアッパーを俺は右に首を傾け交わし、俺のひざをシズカは顔を右にずらし躱す。
そして、お互いバックステップをし、一息つく。
「楽しい~♪次々いくよぉ~♪」
俺はシズカが消えたかと思ったらまた目の前にいたので、攻撃される前にシズカの腰に手を回し・・・ている間に腹に左のボディーブローを食らう。俺はグオっと口から唾液が少々飛び、後ずさる。
「ほいほい~♪」
シズカは後ずさった俺に回し蹴りを放って来た。
俺はその脚を横っ腹に受け・・・・ながら、蹴ってきた足を両手で掴む。
「え?!」
そして、ドラゴンスクリューをかまし、足を地面に叩きつける。
シズカは痛みに転がり、俺から距離をとる。
「や、やるじゃない。」
「ど、どうも・・・ダメージはこっちの方が大きいけどね。」
「じゃあ、これはどう?」
シズカはまた消えたので、俺は目の前に来るのではと思い、目の前に右ストレートをする。
「外れ!てやあああああああああああああああ」
シズカは俺の目の前にはおらず、俺の斜め上空に飛んでいた。そのまま蹴りを放ち、
俺はそれを両手で顔をクロスし、蹴りを受け止める。
「と、とめたの?本当に凄いわ。」
どうやら、スピードは向こうに軍配があるが、防御力は俺の方がありそうだ。
そして着地するシズカの足を俺は足払いする。
そう、重力がある限り、着地する。いくら心で読めていたとしてもこれは避けれなかったようだ。
足払いにより、シズカの体制が崩れ、その顔面に俺は右ストレートを放つ。
シズカは俺の心の声を読んだのか、両手をクロスし、顔面を守る。
シズカの腕に俺のパンチが当たり、衝撃により、シズカは後ろに跳ばされる。
「いててて。女の子の顔を躊躇することなく狙うってどうなん?」
「そういいながら、ぜんぜんダメージ受けてないだろ。」
「そんなことないよぉ~、左手が痺れてるぅ~。」
シズカは、立ち上がり、左手をブンブン振っている。
本当にどれくらい効いているのかわからないなぁ。だが、ここで待っていても勝てる見込みはないからな。
俺は手を振っているシズカに向かって突進し、シズカに左フックをする。
左手が使えないなら、ガードできないだろう。
・・・・と思ったら、シズカはその場にいなくなっており、俺のフックは空ぶる。
そして、シズカは俺の背後から声をかけて、
「これでチェックメイト!」
シズカは俺の背後から首めがけて手刀を叩き込む。
俺は前方に回転し、後ろのシズカから距離をとる。
「あれ?避けられちゃった。普通、振り返ろうとするでしょう。」
「そんなことしたら、やられていただろう。」
「本当、面白いね。武器でやりたくなっちゃうよぉ。」
「ここまでにしないか。俺も歯止めがきかなくなりそうだ・・・。」
シズカも俺も闘志が脇立ち、今でも死闘を繰り広げてしまいそうになる。
「そうねえ~、ここでどちらかが死んでバイバイってのも嫌だし。ここまでにしましょうか。」
シズカはそういうと俺に笑いかけ、「早くあの道に行こう」と走りながら俺に言葉を書ける。
「武器ありでしてたら絶対私が勝ったのに。」
「はいはい・・・。」
「あ、何々?信じてないなぁ~。」




