第10話:アレフ再開
「あいつは・・・。」
俺は、アレフとの初対面を思い出す。
確か、初めて死んだ時、教会で俺を撃ち殺した奴だ・・・。
俺は、腰にある剣の柄に右手を添えた時、気づく。
ここは、攻撃禁止区域だった。
俺は軽く舌打ちをし、剣の柄から手を離した。
「おお~、そんな怖い顔するなよ~、一時間暗い建物で話し合った仲じゃんか。」
「あんた達、そんな関係なの?」
「教会で一時間といえばわかるか?」
「教会・・・一時間・・・ああぁぁ~、無敵時間のことか。」
「おいおい、つれないなぁ~そんな事いうなよ。警戒されてしまうじゃないか。」
「まあ、ここでは攻撃できないけどね。」
アレフと女は笑いながら見詰め合っている。
いや、牽制しあっていると見るべきかな。
俺は二人の隣のテーブルの椅子に腰掛ける。
「おいおい、こっちに座ったらいいじゃんか。」
アレフはそういいながら、顔をこっちに向け、「こっちに来るな」という顔をしている。
女に背を向けているからだろう。
はいはい、お前達がどうなろうが、そんなの俺には関係ない。
まあ・・・・・アレフをこのまま無傷で帰す気はないがなぁ。
俺はアレフの情報を過去の記憶を遡って思い出す。
拳銃が専用武器だったな。あの時、3mくらいの位置を常にキープしていたなぁ・・・。あれから三ヶ月だ・・・レベルは上がっているからその時の距離以上にはなっているだろう・・・。
後は・・・確か職業は剣士とか言ってたな。
俺はアレフと女が楽しそうに会話をしているのを聞きながら、アレフを見る。
背中に長剣を背負っているな・・・。他にはそれらしきものは見えないな・・・。
ついでに女の方を見る。
女はフルプレートで、ヘルメットはなし・・・顔は柔らかそうな目つきをしていて、金髪、ロングヘアーだ。胸は大きいみたいでフルプレートなのに胸部分に突起がある。盾を装備している。武器はないのかと思っていたのだが、盾に剣の柄らしきものが見える。
ほぉ~剣を内蔵できる盾か。ちょっとほしいかも。カッコ良くない?盾から剣出したら。
女を見ていると、女は俺と目線を合わす。
その時、こっちにウインクをしてきた・・・。
な、なにしてるんだ・・・・お前を口説いている奴が目の間におるのに・・・。
アレフはそれに気づいたのか、またこっちを見て・・・
殺すぞぉっという顔をしているな・・・まあ殺すのは俺のほうなんだがな。
俺は、どうやってこの状況からアレフを外に引っ張るかを考えることにした。
アレフのことだ・・・。きっと口説ききるまで粘るだろ。待ってる俺の身にもなれっと言いたい。
あの女が外に出れば、きっとアレフも着いていくだろう・・・。
だが、あの女がこちらに協力してくれる可能性はないだろう・・・。
協力したと見せかけ、二人で俺を殺しに来るか・・・。俺がアレフを殺した後を狙ってくるか・・・。
協力関係を結ぼうとするのはまずいなぁ。
っと思っていたら、あの女が俺がいるテーブルの椅子に座りなおす。
「「なっ」」
アレフと俺は、女の行動に理解できず、驚きの声を上げる。
女はにこっと笑いかけるように・・・
「私の名前は、シズカ。あなたの名前は?」
「・・・・・・・・・・・・・・お前に話す名前はない。」
俺は、顔を近づけて話してきた女に無愛想に返事する。
アレフも女に続き、俺がいるテーブルの椅子に座り、
「シズカさん、こんなやつ相手にしないほうがいいですよぉ。」
ぉぃ、さっきまで相棒って呼んでたくせに、女が絡むとこんなやつに格下げにするのか。
まあお前は、俺のことを経験値としか見てないかもしれないがなぁ・・・。
俺はこの三ヶ月でレベルを上げ続けた・・・。
アレフのレベルは一体どれくらいなんだ・・・。俺は勝てるのだろうか・・・
こんなときに鑑定能力があればいいんだが。
この世界は自分以外に鑑定能力を使えない。特殊能力に『鑑定』を持っている奴以外は・・・。
どの職業でないと持てるのかもわからない。
「自分で鑑定もってます」っていう馬鹿がいないのが現状である。
だが一度噂で、特殊能力に『鑑定』があるっていうのが広まったことがあった。
なんでも鑑定を使って、相手の専用武器を見抜いたとか・・・。
まあ持っていたとしても、俺には関係ないが・・・。
「ねえ~あなた達ってどっちが強いのかしら?」
「そ、そりゃああああ、私ですよぉ~。なんたって一回アイツを殺してますから。」
「へぇ~。」
「・・・・・・・・・・。」
アレフは自信満々自分をアピールし、シズカはにたって笑いながら両者を見ている。
俺はアレフに怒りを感じながら、無言でアレフを睨みつける。
「じゃあ、私は勝ったほうと一緒に旅しようかしら。」
「本当ですか!? おい、お前、早く外にでろやぁ!」
アレフはシズカの言葉に嬉しそうな笑顔を浮かべ、俺に罵声を浴びせ、外に向かう。
・・・・この女に操られているのが気に食わないが、アレフを殺せるのだ・・・願ったり叶ったりだ。
俺もにやりっとした顔をし、アレフの後をゆっくりと追いかける。
シズカという女にも気をつけておこう。
・・・・この女からは、何か得体の知れないものを感じる。
「あの子がね・・・。」
シズカは大地を見ながらぽつりと呟く。




