第9話:城壁の戦い
土の細い道を1時間ほど歩くと白い城壁が見えてきた。
城壁の上で弓を構えている影が見えたので、俺は左手を前に出し、直径1mの丸い空気の盾を出す。
この空気の盾は、渦となっており、盾に触れたものをはじく性質がある。
渦の為、真ん中は無となっており、そこを狙われると俺は攻撃を直撃することになるが、見えるものではない為、狙うことはまず無理といっても問題ないと思う。
それから10秒も立たないうちに、多数の弓矢が俺に向かって降り注いできた。
「なんて数だよ・・・まったく。」
俺は右手でも空気の盾を出す。
飛んできた弓矢の10数本は、盾と接触し、見当違いの場所に飛んでいく。
他の弓矢については、地面に突き刺さっていく。
俺はダメージを受けることなく、弓矢の雨を乗り切る。
城壁の上にいた影は、弓矢の雨と共にいなくなっていた。
「ヒット&アウェーかよ。・・・・やっかな相手になりそうだ。」
俺は足場に城壁の入り口に向かう。
城壁の入り口内には待ち伏せている可能性があるな・・・。
あれを使うか・・・。
俺は、特殊能力の『浮遊』を使い、5mくらいの城壁の上に着地する。
その時、城壁の上に弓矢をもった男が隠れていた。
・・・・入り口から入った所を上から撃つつもりだったみたいだな。
俺が城壁に着地したことに驚いたのか、その男は動きが止まっていた。
どうやって登ったのか聞きたそうな顔だな。
俺はそのまま左手の手のひらを男の顔に向け、空気の弾を放った。
空気の弾は音はするが、目に見えない為、所見で躱せる人はなかなかいない。
男は、空気の弾を顔に受け、後ろから地面に倒れた。
・・・・・顔、とばなかったな・・・。こいつ、そこそこのレベルがあるな。
「・・・・・・・・・・・・しねぇ!・・・って、右手が、う、動かない」
男は倒れたまま、俺に向けて高速の弓を放とうとするが、俺は、空間制御で男の右腕を掴んだ。
その右手は弓の弦を轢こうとしていたので、右腕を封じると、男は慌てていた。
俺はそのまま魔法剣を出し、男の首を飛ばした。
「ぶほおおおおお・・・ば、ばかな・・・俺はレベル25だぞぉ・・・。こ、こんな初心者みたいな装備のやつにやられるはずが・・・。
男は首だけで器用に喋っている。
男がいってた通り、俺の装備は初めて防具屋で選んだままの装備をしている。
俺はレベルが上がり、今では鉄一色で染めても特に重たさを感じないだろう。
だが、この格好でいるほうが戦いやすいのだ。
まず、相手が勝手に俺は初心者だと勘違いし、気安く殺しにきたりする。必殺技をもっていそうな相手も俺程度ではいらないだろうと様子見の攻撃をしてくる。
俺はそういう奴らを油断しきっているところを殺す。
これが俺の罠といっても過言ではないかもしれない。
まあ、レベルが離れている相手にはほとんど通じないが・・・。
さきほどの俺の攻撃で城壁の一部が崩れ、城内に降り注いだ。
建物関係も基本壊すことは可能であり、さらに時間が立てば自動で修復する。
壊したい放題ともいえる。
俺は、弓の男が粒子になったのを確認し、ソウルイーターに吸わせる。
そのまま階段で城内に降り立つ。
そこは建物がぎっしりと詰まっており、また離れた場所には玉ねぎ形の屋根の城らしきものが見える。
「城ということは、ここは国で間違いなさそうだな。」
俺は、周りを警戒しながら、城に向けて歩き出す。
こんなに大きい国なのに誰一人いない・・・。
いや・・・・隠れているのか。俺は『透視』を使い、建物の中を確認していく。
すると・・・男と女の2人組がテーブルを挟んで座っているのが見えた。
俺は透視を弱めていくと、そこは食堂であった。
「ご飯でも一緒にどうとかいってるのか・・・・平和な奴だな。」
俺はそういうと、さきほどの食堂に入っていく。
さきほどの男と女は俺が入ってきたことにビックリしたのか、椅子から立ち、こっちを見ている。
女の方もまんざらではなさそうだなぁ・・・。
と思っていると、その男には見覚えがあった。
黒髪で目がとがっていて・・・イケメン・・・・・
アレフだった。
「だ、誰かと思えば、相棒じゃんか♪」
「・・・・・・・・・・・・・」
「なあなあ、ちょっとだけでいいから俺と遊ぼうぜ」
「ええ~、どうしようかなぁ~。」
「なあ、俺が守ってやるからよ。」
「うーん・・・。」
「此処来て、色々あったんだろ?」
「ど、どうしようかなぁ~。」
アレフがその女に手を伸ばしたとき、大地が入ってきた。
「「!?」」
「だ、誰かと思えば相棒じゃん♪」




