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駄世界が!!

 魔王の影を退けた勇者一行は、アメルダの酒場に戻り、使命を果たした勇者は、元の世界に戻るのであった。

 再びアメルダの酒場に戻り、メロウス達はログの確認を行っていた。


 そしてそれを心配そうに見守るロイ…


 三人は声を揃えて答えた。


『ロイは絶対に見ちゃ駄目!!』


「だから僕はどうなってんですかぁぁぁぁぁあ!!!!!」


 憐れみの目がロイに注がれる中、勇者のりくんは、ヴァルバリンと話をしていた。


「どうだ?お前でも魔王が倒せただろ?」


「倒せたけど思ってたんと違います。」


 それはそうだろう、魔王を無理やり盾でしばき倒すと言う前例はない。


「ハッハッハ、ヴァルバリンで倒すという目的に対して、最善を尽くしただけだぞw」


「でも、装備が勇者に助けられるって、おかしくないですか?」


「ハッハッハ、いいことじゃないか」


 勇者は明るく笑い飛ばした。


「ハッハッハ、世界に生まれたばかりの者を、先輩が助けなくてどうする?」


「そうですかね〜」


「そうだとも、それに伝説の装備として生まれたなら、いずれ勇者を助けることも在るだろう?」


「まあ、流石にあると思います。」 


「勇者になる奴だって、強いとは限らない、その時は、お前が、魔王を倒せる勇者にしてやれば良い。」


「出来ますかね?」


「僕がやって見せたように、固定観念にとらわれず、必要なことをすればいい。」


「はい」


『冒険者たちよ、聞こえるか』


 神様だなっとみんな思ったが、相手にする気がなかった。


『聞いてるよね?』


 一向に誰も話を聞こうとしないので、ヴァルバリンが答えた。

 

「あの~みんな答えないみたいなんで、冒険者じゃないけど僕が答えます。」


『気にしなくてよい、こっちも勝手に話す。』


「はい」


『勇者のりくんよ、お前はこの世界において、己が役目を見事に果たした。よって、可能な限り願いを叶え、元の世界に送り届けよう。』


「ハッハッハッ、元通りに戻してくれればそれで・・・いや」


 勇者のりくんは少し考えて答えた。


「勇気ある者に力を与える能力を、ヴァルバリンに与えてくれ」


『与える力を与えてくれか…』


 神様は、もったいぶるように間をあけた。


『では』「早く言わんかい!!」


 神様が言い出すより、メロウスがキレる方が早かった。


「お前が御大層ぶろうが、ダッ!れも有り難くないんだよ!!トッとっとっしろや!!駄神が!!」


『俺だって一生懸命なんだかんな!!TT』


 プププ神様ざまあ神様涙目、とメロウスは思いました。


 それは横目にしながら、メロウスこえーなと、その他の人々は思いました。


「フム、ともかく僕はもとの世界に帰るが、魔王は完全に死んだのではないのだろう?」


「私は、あなたが帰れば、半年から一年を目途に最後の勇者召喚を行うことにするわ」


 アメルダの酒場を見渡すと、みんな各々が好きに飲み始めている。


 一杯目でべろべろになったロイは、勇者に絡んできた。


「あのれ~勇者~、僕に一体何をしたんれすか?」


 肩に手を回す姿に、あっちゃ~しまったと言う面持ちで、りえぞうが割って入る。


「そう言うんじゃねぇよロイ、どちらかと言うとアレだ!柴田○美のせいだ!!」


「柴田○美!柴田○美!柴田○美!!いったい柴田○美は俺に何をしたんです!!」


「正確には柴田○美の漫画の影響のせいなんだが、お前にばっかり悪く出るなんてな」


 今度は、りえぞに食って掛かっている。酒は嫌いではないが、酒に弱く、からみ冗語だった。


「おい、それは良いが僕はどうやら時間のようだ」


 勇者のりくんの体が、足元から光に包まれ出した。


『こっちの話を全然聞かないので、勝手に進めさせてもらう。』


「ちょっと待ってよ、私まだなにも言ってないんだけど!!」


「じゃあな、かえりん」


「ログ読んだけど、私はわりといい感じの旅だったと思うわ」


「そうか、ところで神とやら」


『なんだ勇者よ』


 急に神っぽい言い方しやがるなとメロウスは思った。


「僕が帰ったあと、ログはどうなるんだ?」


『…』


『…』


『…なくなって、強制的に記憶になるっぽい』


 ロォォォォォォォォォォイ!!!!!


「ロイ!気をしっかり持って!!あなたなら大丈夫よ!!きっと乗り越えられる!!」


「ロイ!人生色々だ!良い日だってきっとあるさ!!!」


「ロイ!私なんて千年も秘密を抱えてたんだから!人間の人生分くらいきっと耐えれるわ!!」


「だから僕はどうなってんですか!!!」


 全員が下を向き、つぶやいた。


「そっ…それはこれから…」


 誰も目を合わせやがらねぇ…(血涙)


「そろそろこっちにいる限界のようだな」


『最後に言っておくことはあるか?』


「ヴァルバリン、勇気ある者を、勇者を助けてやるんだぞ」


「はい!」


 光が勇者のりくんを完全に飲み込み、空間に消えかける寸前に、光から言葉が聞こえて来た。

 

「あっ、あと、柴〇先生のキャラの中に、リストカット癖の酷い奴が居たから気をつけておけ」


 完全に光が消えると、全員の目がロイに注がれた。


「アッアッあ…なんだコレ、頭の中に、いっいや体にも体感がある。」


 ログ体験を知ってる三人は、ああ、この時が来てしまったと、ハラハラしながら見守るしかなかった。


「なっ何アレ、デッカイ生魚にムキムキの足だけはえてる?…アッアッ…アァァァァァァァ!!」


 冒険の中、巨大な鯛に足がはえただけの化け物に、ロイは求愛されたのだった。


「案内があるから殺しちゃ駄目?なんで!!」


 その化け物は、湿地帯の管理をしている魔物とは別の一族で、善良な存在だった。


「寄ってくるんですけどぉぉぉぉぉぉぉ!!ヌメヌメしてるんですけどぉぉぉぉぉ…オロロロ…」


 その場に崩れて嘔吐するロイに、次のログが襲い掛かる。


「うっううう・・・なに?アマゾネス?違う!!ほぼ山賊じゃん!!僕にひとめぼれ!?やめてくれ!!」


 いまロイが見ているのは、この世界のアマゾネスの中でも、屈指の強さを誇る戦士に合ったログ、その姿はアマゾネスを超える屈強さと…


「山賊のオッサンを超えるビジュアルじゃねぇぇぇかぅぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!俺の大事なものがぁぁぁあ゛あ゛あ゛ぁぁぁあ!!!」


 ロイは気絶する限界近くまで疲労してうつ伏せに倒れている。


「…ロイ?よかった?じゃないモテモテよ?」


「そそう、だな、モテモテ?だろ?」


「存在は知ってたけど、人間にするとそんなにありえないのね?」


「ぅっうううう…クッソ!なんだよコレ?なんでこんな目に合ってるんだよ?」


 ロイはわなわなと震えている。


「この!駄世界がぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!」


 アメルダの酒場にロイの絶叫が響いた。


 勇者のりくんと別れた三人とヴァルバリンは、魔王の本復活に向かって新たな準備を始める。


 このタイトルはここまで、次回は続編『誰にも抜けない伝説の剣の秘密は伝説の剣の鞘が知っているⅡ~神装の盾ヴァルバリン~』として書いていきます。

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