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最強スキル【勝確BGM】で異世界ヒーローしますッ!  作者: かんでんち
第五話 ルミナスパレスリゾート編 2
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救出ミッション開始

「ご主人、真っ暗ニャが見えるのかニャ?」


「あぁ、視覚を強化してみたら見えるようになった」


 ならばと長靴猫は扉を指さした。


「そこ、油圧ユニットのある機械室だニャ!」


 制御室の扉のハンドルノブを回して中に入る。中にも別の扉があり、メンテナンス通路へと繋がっているようだ。


「ここを進めばいいのか?」


「ロミからラジアル・クラウンの内部データを受け取ったニャ! このままメンテナンス通路を……んニャ?」


「どうした?」


「やばいニャ、やばいニャ! ご主人、エルクシア学院の皆が捕まってるニャぁ!」




 長靴猫を中継して地下のロミたちと通信を行う。


「ロミ、状況をわかる範囲でいいから教えてくれ」


『ホテル、ビーチ、水族館、グランピングエリア、モール街の五箇所に纏めてそれぞれに部隊を分け、生徒たちを拘束してるみたいだ。今のところ外部に何かを要求している様子はない。目的がわからないな……。少なくともラジアル・クラウンの占拠じゃないみたいだが』


 混乱した生徒たちは瞬く間に制圧されていた。

 テロ騒動からラジアル・クラウンでは様々な対策が講じられていたものの、巨竜の咆哮の作戦が成功したの最大の要因は“暗闇”だった。完全管理された生活環境に慣れ親しんだ生徒たちは、突然照明が落ちるという状況を生まれて初めて体験したのだ。そのパニックの中で銃声が轟き、大半の者たちが戦意を喪失してしまっていた。教師陣は一箇所に集められ、総勢60人余りの生徒たちは幾つかのグループに分けられて巨竜の咆哮の監視下に置かれていた。


『こういうのは夜襲が定番だと思っちゃいたが、完全に裏を搔かれた気分だ。外部には既に救難信号を送った』


「怪我人は?」


「何人か軽傷者はいるようだが、今はまだ……、ちょっと待て――」




「へへへ、エリート学生さんとはいえ、所詮ガキだな。イージー過ぎて拍子抜けだぜ」

 

 跪いた10名の生徒たちを前に、気味の悪い嗤い声の男は恐怖に怯える生徒の顔を満足げに見下ろしていた。そこに、別の男が拿捕したエリアたちを連れ立って合流する。


「隠れてやがった」


「おー、ご苦労さん。2人かぁ……、例の女は?」


「そっちはまだ見つかっていないらしい」


「おいおい、マジかよ。リーダーブチ切れんぞ。先行した奴等がしくじったのか?」


「いや、どうやら直前で事前情報と異なる行動を取ったらしい。まぁ、直ぐに見つかるさ」


「チッ……。面倒臭せぇなぁ。……おい、そこのお前ッ!」


 品のない男は銃口を、縮こまっていたマーカスに向けて命令する。


「この中で一番価値の高いヤツに、そこの女と同じ首輪を付けろ」


 マーカスの隣では泣きはらした女生徒がビクンと肩を震わせる。女生徒の首下でチョーカーの一部に取り付けられた機械が点滅を繰り返していた。


「なんですか、それは……!」


「何って、へへへ、そりゃ爆弾に決まってるだろォ? 安心しな。爆発しても一人分の首が飛ぶだけさ。全員に付けておけって言われちゃいたが、そんなことしなくても心優し~い生徒さんたちには十分かと思ってな。ここにいる数人だけに付けてある」


「また勝手なことを……」


「まぁ、そう言うなよ。結構面白れぇんだって。おい、イケメン君、さっさとやってくれよ!」


「ひぃ……っ」


 マーカスは投げつけられた首輪を拾うとエリアたちに近寄った。エリアはマーカスをきつく睨みつけ『自分に付けろ』と必死に訴える。マーカスの視線はエリア、ラヴィをゆっくりと行きした。


 完全に恐怖に屈したマーカスはラヴィの首にチョーカーを巻く。


「貴様ァァァッ!!!」


 エリアはマーカスに食って掛かる。しかし、男にロープを引かれて膝を着くだけだった。


「別に自分に付けたって良かったんだがなぁ」


「ヒヒヒッ、無理無理。俺もさっき同じこと言ったんだがよぉ。爆弾だっつたら、隣の女に付けやがったんだ、コイツ」




 同時刻――。


 レニーとポーリーンはショッピングモールの中で息を潜めていた。


「レニーさん、お二人は……」


「大丈夫だよ、エリアが強いの知ってるでしょ? 私たちができるのは捕まらないことだ。今はそれだけを考えよ?」


 強気に励ますレニーだったが、ポーリーンは涙を堪えるだけで精一杯だった。


「ステナビは……やっぱダメか。どこへ逃げれば……」


 突然、銃声が響いてモール街のアーチガラスが砕かれる。


「おーい! 聞いてるか、隠れてるヤツらぁ! 今から10数える度に一人ずつぶっ殺すからなぁ!」


「……っ! れ、レニーさん!」


「下衆野郎……っ!」


 男が大声で数字を数え始める――。


「なんとか、ポーリーンちゃんだけでも……でも、どうしたら……」


「……。……レニーさん、わたくし……誰も、見捨てたくありません……っ!」


 ポーリーンは震える手でレニーの手を握る。

 レニーは下唇を噛んでレニーの手を握り返した。


「ここにいるッ!!!」


 ヘラヘラした男は女生徒に突き付けた銃口を外してガスマスクの下で嗤っているようだった。


「あら~、出て来ちゃったんだ。まぁしゃーねぇ。ほら、こっちにこい」


 レニーとポーリーンは手を取り合って、捕縛された生徒たちに合流した。




 ロミが制御盤を殴り付ける――。


『ちくしょう、最悪だ! アイツら、生徒たちの首に爆弾を付けやがった!』


「爆弾……。人質か……」


『あたしたち以外、全員捕まったみたいだ。パパたちはホテルの部屋に閉じ込められて外にも出られない。軍がラジアル・クラウンを取り囲んでいるが、人質が多すぎる。場所もバラバラだし一気呵成に制圧できる段取りが付くまでどのくらいの時間が掛かるか……。セーダイ、もうお前だけが頼りだ!』


「わかった。ロミ、アイツ等の無線を何とかできるか?」


『マスター、テロリスト数名の声紋をトレースしました。ある程度の欺瞞工作が可能です』


「よし、なら各個撃破していく! ロミ皆が囚われている場所を教えてくれ!」


 長靴猫をの指示に従いメンテナンス通路を走り抜ける。


『爆弾はどうする? ここの奴等は……持ってないみたいだ』


 シアが気絶しているテロリストの衣類を探るがそれらしいものは見つけられなかった。


「手に入れば何とかなるか?」


『現物があれば……。ただ、未使用のものを入手しろ。無理やり外すとどうなるかわからん』


「手に入ったら、吾輩が届けるニャ!」


「一人でも死なせたら、俺たちの負けだ――、必ず皆助けてみせるッ!」


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