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未来の失敗が見える子供は、全部避けて進む ~一歩ずつ間違えない選択が、世界を変えていく~  作者: 黒川レン


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第29話 提示された条件

 次は、選ぶ側だ。


 そう理解した瞬間、これまでとは違う緊張が走った。


 戦うでもない。

 逃げるでもない。


 “選択”そのものが、勝敗になる。


 部屋は静かだ。


 だが、その静けさは重い。


 中央の男が指を組んだまま、こちらを見ている。


 試している。


 まだ終わっていない。


「条件は単純だ」


 男が言う。


 声は変わらない。


 だが、内容は違う。


 ここからが本番だ。


「お前を――こちら側に置く」


 空気が止まる。


 一瞬。


 父の視線が動く。


 護衛の気配が変わる。


 だが、誰も動かない。


 僕はただ、男を見る。


 続きがある。


 必ず。


「表に出す必要はない」


 男が続ける。


「だが、動きには関与してもらう」


 つまり――


 利用する。


 こちらの能力を。


 完全に。


 僕は静かに息を吐く。


 想定通りだ。


 だが――


 問題はその先だ。


「見返りは」


 父が問う。


 低く。


 だが、はっきりと。


 交渉だ。


 対等に近い形で。


 男がわずかに笑う。


「守る」


 短い。


 だが、重い。


「この街での動きを、保証する」


 来た。


 王都での自由。


 つまり――


 “敵対されない権利”。


 大きい。


 非常に。


 だが、それだけではない。


 必ず裏がある。


 僕は視線を動かす。


 男の手。

 机。

 紙。


 そして――


 その奥。


 見えない場所。


 断片と照合する。


 崩れる未来。


 この場。


 条件の直後。


 つまり――


 これが原因だ。


 その認識に至った瞬間、答えは出た。


 受けてはいけない。


 そのままでは。


 僕はゆっくりと視線を戻す。


 男を見る。


 そして――


 わずかに、首を傾ける。


 “条件不足”を示す。


 言葉はない。


 だが、十分だ。


 中央の男の目が細くなる。


「……足りないか」


 低い声。


 だが、否定ではない。


 むしろ――


 興味が強まる。


 いい。


 主導権が、少し戻る。


「何が欲しい」


 来た。


 選択権が渡る。


 ここが分岐だ。


 僕は視線を動かす。


 父を見る。


 そして――


 もう一度、男を見る。


 ゆっくりと。


 “範囲”を示すように。


 円を描くように。


 王都全体を。


「……範囲か」


 父が呟く。


 理解が速い。


 中央の男も同じ結論に至る。


「この街すべてか」


 確認だ。


 僕は動かない。


 否定しない。


 肯定もしない。


 だが――


 それで十分だ。


 男がわずかに笑う。


「大きく出たな」


 軽く。


 だが、その裏にあるのは計算だ。


「それを与えれば、お前は自由に動く」


 正しい。


 完全に。


「そして――我々を利用する」


 その通りだ。


 だが、口には出さない。


 必要がない。


 沈黙が落ちる。


 長い。


 だが、その中で、全てが決まる。


 そして――


「いいだろう」


 男が言った。


 決定だ。


「条件を追加する」


 来た。


 だが――


 断片が走る。


 この瞬間。


 この言葉。


 そして――


 崩れる未来。


 ここだ。


 原因は。


 僕は目を細める。


 男の次の言葉を待つ。


「ただし」


 静かに。


 だが、はっきりと。


「一つだけ、優先する」


 来た。


 罠だ。


 ここだ。


「我々の指定した一件」


 それだけで分かる。


 自由ではない。


 一点拘束。


 そこから崩れる。


 断片と一致する。


 完全に。


 僕は動かない。


 だが、内部では決まっている。


 これは――


 受ける条件ではない。


 なら――


 変える。


 形を。


 僕はゆっくりと視線を動かす。


 男ではない。


 その奥。


 さらに奥。


 “見えない存在”へ。


 そして――


 ほんの一瞬だけ、視線を止める。


 中央の男の呼吸が止まる。


 来た。


 通じた。


 その瞬間。


 空気が変わる。


 この場の主導権が、わずかに動く。


「……なるほど」


 低い声。


 だが、先ほどとは違う。


 “理解した側”の声だ。


「条件を修正する」


 来た。


 完全に。


 流れが変わる。


「優先ではなく――共有だ」


 意味が変わる。


 強制ではない。


 協力に。


 これで崩れない。


 断片が変わる。


 未来が、書き換わる。


 僕は静かに息を吐く。


 成功だ。


 完全に。


「これでどうだ」


 男が言う。


 問いではない。


 確認だ。


 僕は、わずかに目を閉じる。


 肯定だ。


 それで十分だ。


「……成立だな」


 男が言う。


 決まった。


 この場の交渉は。


 完全に。


 父が横で息を吐く。


 重いものが抜ける音。


 だが――


 終わりではない。


 むしろ、始まりだ。


 僕は静かに目を開ける。


 これで、位置が変わった。


 完全に。


 外ではない。


 中だ。


 この構造の。


 その時。


 断片が来る。


 次は――


 別の場所。


 学びの場。


 そして――


 対立。


 今よりも、さらに明確な。


 そこで映像が切れる。


 理解した。


 次の舞台が来る。


 ここではない。


 別の場所で。


 僕は静かに息を吐いた。


 契約は成立した。


 だが――


 戦いは終わらない。


 次は――


 別の形で始まる。

ついに「条件」が提示され、そして書き換えられました。


ここからはただの対立ではなく、

“同じ構造の中でどう動くか”という新しい段階に入ります。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

面白いと感じていただけたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。


次は――新たな舞台での最初の衝突です。

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