22.ゴルゴーン姉妹
俺はメデューサの姉たちの事を何も知らないことに気づく。これから会いに行くのだ。多少は情報を収集した方がいいだろう。近くにゴルゴーンがいないのを確認して俺は尋ねる。
「そういえばメデューサのお姉ちゃんはどんな奴なんだ?」
『ついでにスリーサイズと顔のタイプも聞いといてね』
「うん、僕には二人の姉がいてね、一番目のお姉さまがステンノ姉さま、二番目のお姉さまがエウリュアレ姉さまだよ。ステンノ姉さまは薬を作るのが得意で頭もいいんだ。自分にも他人にも厳しいけどすごいしっかりしていて頼りにされているんだ。その実力が認められて若いのに、私たちの里の長になったんだ。エウリュアレ姉さまはね、森で色々なものをみつけるのが得意なんだ。すごい優しくて、私がへこんでいるときはいつも慰めてくれたんだよ。二人とも美人ですごい自慢の姉なんだ」
俺の言葉にメデューサは本当に自慢げに言った。ライムの戯言は無視をする。ステンノさんは薬を作るのが得意か、アスとかぶるな……エウリュアレさんというのが今行方不明になっているというゴルゴーンか、アンドロメダさんの話でも心優しいゴルゴーンといっていたので、温厚なゴルゴーンだったのだろう。飴と鞭みたいな姉妹だな。メデューサを見てると二人の姉を愛しているというのがよくわかる。だからこそ、今回エウリュアレさんがさらわれたのが許せないのだろう。
「心配するな、我が歌姫よ、君もとても綺麗だ。それに、君もその二人の姉に比べて同じくらい美しいし、君の美声は世界一だよ」
「うるさいな!! そんなことは今話してないよね!? でも……ありがとう。そんなこと言われたのははじめてだな……お姉さまの比べられてばっかりだったからさ。あれ、でも。ペルセウスは姉さまたちをみたことあったっけ?」
「おお、シオンみるがいい!! 今、我が歌姫がデレたぞ!! ちなみに姉たちはみたことがないな」
「君ってやつはぁぁぁぁぁ!! 僕の喜んだ気持ちを返せ!!」
そういって顔を真っ赤にするメデューサは適当な事を言っているペルセウスの声をした方を睨む。でもさ、あいつMだから興奮してそうだよね。
「それでステンノさんは人間に対してははどうなんだ? エウリュアレさんは人間にも優しいみたいだけど……あとステンノさんの薬ってどんな薬があるの?」
俺の疑問にメデューサはうーんと悩みながらこたえた。
「そうだなぁ、僕たちの怪我を直したり……あとは、幻覚をみせたりする薬とか、毒薬とかも作っていたよ。ゴルゴーンの里は他の魔物におそわれることも時々あったからね。ゴブリン達を捕まえて、洗脳して自分の仲間にしたのはすごかったな。人に対しては……あんまりいいイメージはないかも。ステンノ姉さまはエウリュアレ姉さまが人と物々交換してたのも微妙そうな顔してたし……」
「うわぁ……これって交渉できるのか……?」
「大丈夫だよ!! ステンノ姉さまは頭がいいからちゃんと話せばわかってくれるよ。このままだとゴルゴーンの里も危険だしね」
アスは治療系の薬しか作らないがステンノさんの作るのは、殺意が増し増しな薬が多いな。交渉のテーブルにつけても、そこでだされた食事や飲み物には手をつけないことを誓うのであった。
やっぱりゴルゴーン3姉妹と言えばFGOが出てきますね。ステンノさんの性能とシナリオでの活躍はなんとかならないのでしょうか……
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