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曲がり角の向こうに君が居てくれた  作者: 湖灯


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夏目書店⑥

「ちょっと、ここ分からないんだけど教えて貰えるかなぁ。わたし数学苦手でさあ、大体の解き方は昼休みに穂香に聞いたんだけどイマイチ良く分からなくて」


「えー!俺がぁ?」


「大丈夫よ、アンタ数学得意でしょ。それに要点は穂香から聞いているし」


 開かれたノートを見ると、そこに並べられた多くの数字や文字の中に明らかに他人が書いた物と分かる細くしなやかな文字があり目に付いた。


 この文字を記入したのは秋月穂香なのだろうか?


 問題を読むふりをして、その文字をズット眺めていた。


「綺麗な字でしょ、それ穂香の字だよ」


 不意に言われて焦る。


「いいよなぁ穂香って、顔もスタイルも良いし、しかも頭も良くて字も上手だし、わたし女だけど、進藤の気持ち良く分かるなぁ~」


 その言い方が可笑しくて、つい釣られて


「女のくせに惚れてやがる」


 と口走ってしまった。


「わたし”気持ちが分かる”とは言ったけど”惚れた”なんて一言も言っていないわよ。アンタ遂に本音を出したわね」


 そう言われて、今更もうしょうがないので


「惚れて悪いか!」


 と開き直る。


「まあ、正常な男なら好きになるよなぁ」


 山岡沙希は、しみじみとした口調でそう言うとショートケーキを口に運んだ。

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