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曲がり角の向こうに君が居てくれた  作者: 湖灯


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修学旅行⑨

 ボートはゆっくりと進んでいたため直に追いついたが、そのときボートに乗っている秋月穂香の姿は確認できなかった。


『妖精の国へ戻ってしまったのだろうか?』


 そんな有り得ない事を真剣に考えてしまい不安になる。


 俺がボートに追いついて直ぐ、ボートは運河の反対側にある船着場に着いた。


 乗っていた生徒達が降りだしたとき、再び秋月穂香のポニーテールの髪が揺れるのが見えてホッとするとともに、急に体の力が抜けてフラフラと近くの空いていたベンチにしゃがみこむ。


 追いかけても、追いかけても、この手に届かないことは承知の上だが、どうしても追いついつくことができない事実が急に俺の胸を締め付けた。


 途方もない絶望感に苛まれ、ベンチで蹲る。


 そんな俺に、俊介が駆けて来て大丈夫かと聞いた。


 大丈夫だと答えるが俊介は心配そうに傍にいてくれている。


 俊介には悪いけれど、秋月穂香のことで落ち込んでいるときに一番居て欲しくない奴が隣で心配そうに俺を眺めている。


 俊介の優しい気持ちが、更に俺を苦しめる。


 直ぐに本田と三木も来た。


 心配してくれるのかと思っていたら、寝不足で急に走るから体がついていかないんだ。


 と勝手に決め付けられた。


 まあ実際、人体的というか医学的には、そうに違いない。


 だから違うとも言えずに、ただ「あぁ」と小さい声で答えるしかなかった。


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