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俺のお部屋

間が開いて申し訳ない。これからもこんなマイペース投稿になると思います。

学校から帰るなり、俺は絶句した。


「おかえり、あ・か・ね・ちゃん。楽しかった、小学校は?」


魔法少女仲間(?)と別れ、玄関扉を開けると、妹の琴音(表向き上、今は姉だが)が、玄関で生意気に迎えた。


しかし・・・


「(ちっ)…琴音、学校はどうしたんだ?」


こいつは中学生。普通なら、今ここにいないはずだ。


「…休んだけど?そんなことより、今日学校で魔獣を撃退したんだって?凄いじゃん」


さも当たり前のように、話題を変えて会話を続ける。


「…うるさい。それが今、俺がやらなきゃいけないことなんだ…?それより…」


「まだ自分のこと俺とか言ってる…で、私が学校を休んだ理由が気になるの?」


「当たり前だろう」


妹が公然と学校をサボっていて、(一応)兄として見過ごせるわけがない。


琴音は一瞬言うのをためらってから、


「それはね、あかねちゃんのお部屋を作ってたからよ」


俺が兄だった頃には見たことのない、気持ち悪いほどのスマイルを浮かべて言う。


「…俺の部屋?そんなのとっくにあるだろ」


「ううん。あれは"天音お兄ちゃんの部屋"だったでしょ?だから、私が女の子っぽい部屋へ変えてあげたの」


「…は?余計なことすんなよ」


ガンを効かせて言っても、まったく迫力がないのが残念だ。


「まあ、聞くより見るが速いわ。ちょっと来て」


琴音に抱き上げられて、俺は連れて行かれてしまった。残念ながら、今の俺の身体は(変身していない時は)琴音に敵わない。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…なんだこれ」


正直言って、コメントすることも差し控えたいレベルだった。


床も、壁も、カーテンも。ピンク色でコーディネートされた部屋。同じくピンクのファンシーなベッドに、勉強机。


机の上には「こくご」や「さんすう」の教科書が綺麗に並び、ご丁寧にランドセルをかけるラックまで。


手で回すタイプの鉛筆削りと並んで、壁には「じかんわり」が貼られている。


部屋の隅にはクマや謎の生き物たちの可愛らしい縫いぐるみが並び、同じくピンクのハンガーには子供すら恥ずかしがりそうなデザインの服が掛けてある。


…俺は悪寒がした。場所は元の俺の部屋と一緒だったが、その部屋は綺麗サッパリ「あかねちゃんのおへや」として作り変えられていたのだ。


「どう?よく出来てるでしょ」


「…どうもこうも…勝手に人の部屋いじりやがって」


ここまで大胆にやられると、もはや反論する気力も下がってきてしまうのだった。


取り敢えず、忌々しいピンクのランドセルを机に掛けると、名札も外す。


髪の毛をまとめていたゴムも外して、髪をおろす。


着替えようとタンスを開け、できるだけ楽そうな部屋着を取り出すと、それに手を通した。


…タンスの中が全部女児物に変わったぐらいじゃ、俺は驚かんぞ。気は滅入るけど。


「…早く明日の時間割揃えときなさいよ」


「じゃかぁしい。大体俺の私物はどこやったんだよ」


「捨てました。ベッドの下にあったエッチな本も、全部」


うぉーい。兄の部屋に勝手に手を加えるだけでは飽きたらず、私物まで無断で処分して、いくらも悪びれないとは。


…というか、俺の秘蔵文庫の隠し場所って、小5の妹にすらばれていたのか。我ながら情けない。


そして琴音は続ける。


「でも…小学生の女の子って、部屋にお友達を招いたりするものだからね。可愛いお部屋があれば、お友達に自慢できるよ?」


「…誰が一丁前に友達なんて作るかよ」


「じゃあ、今日ちょうど玄関の前につくまで仲睦まじくしていた子たちは何なのよ」


「…あいつらはただの魔法少女仲間だ」


「でも少なくとも、あの子達にとっては明音は友達として見られてるわ。あなたはあの子達に悲しい思いをさせたいの?」


「…そんなことは」


「なら、お友達になっちゃいなさいよ。もうもとに戻れないかもしれないんだし、なら少しでも楽しく過ごさない?」


「…それは…」


「決まりね」


「…何がだよ…まあ、いいけど」


…そんなことを言いながら、俺は真新しいベッドの上に座り込んだ。


…このまま倒れたら、寝てしまいそう。


〜〜〜〜〜〜〜〜


ピンポーン。玄関のブザーが鳴り響く。


さっきの二人が家に訪れたのだろう。


「「おじゃましま〜す」」


「うわーッ、部屋かわいい!私もこういう部屋欲しかったな…」


美姫ちゃんが瞳をきらめかせて感動していた。


…やめなさい。後悔するから。


一方の薫ちゃんはというと、俺のベッドに寝っ転がり、顔をすりすりしていた。


「やっぱりなんかいい匂いする」


…オトナがやってたら立派な変態です。良い子は真似しないでね!


…というか、やっぱりってなんだよ。やっぱりって。


遊ぶこと自体は、童心に帰った感じで楽しかった。


「…ホント、楽しそうに遊んでたわよ、明音ちゃん!」


「…うるさい」


こいつがこんな余計なこと言わなければ。

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