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俺のトモダチ

…それは突然に訪れた。


「…トイレ…行きたい…」


尿意。おしっこしたい、と言う生理反応。


「行ってくればいいじゃない」


琴音が、さも当然のように言う。


「いや…その…」


「何よ」


「女の子の…おしっこの仕方…わかんないし…その…何というか…」


そう。俺の股間に、今、ブツはない。


今では俺より大きくなった(と言うか俺が小さくなったのだが)妹の身体に、ひょいと持ち上げられる。


「安心してね〜、天音ちゃん!女の子のこと、全部私が手とり足取り教えてあげるから…」


「へ、変態だ…」


「むしろ感謝してほしいわ」


そのまま、俺はトイレに連行された。


…………………………………


「…女って面倒くさいのな」


「あんたはまだお子様なんだからマシよ。これで私みたいにアレが始まるともう…」


「…」


トイレに行くたびにわざわざ紙で拭くなんて、しかも生理だなんて正直御免こうむる。


…………………………………


「お買い物行こうか?」


不意に、琴音が言い出した。


「ひとりで行ってくればいいだろ?」


「駄目よ、天音ちゃんみたいな可愛い女の子を家で一人にしておいたら危ないわ」


「…はいはい。」


どうやら完全に女の子扱いのようだ。


また琴音が俺を抱き上げる。


「じゃあ行こっか」


「抱き上げなくたっていいだろ?」


「だって今のあなたに合う靴ないもの」


「それは…そうかもしれないけどさ」


「だから今からそれを買いに行くの!わかった?」


「…りょーかい」


琴音は俺を抱いたまま外に出て、玄関の鍵を閉めた。


琴音の胸のところは、少し柔らかくて、暖かくて、歩く度にふにっ、と頬に当たる。


なんだかいけないことをしているような気分になった。


…………………………………


しばらく進むと、公園のように使われている空き地に通りかかった。


いつも買い物で通る道だが、少し様子が違っていた。


「あ…アクアトルネイド!」


さっきの色違いの服を着た女の子。


「ふ…ふははは!私にその程度の攻撃は効かんよ」


そして、変態オヤジ…のような角の生えた生物。


「なにアレ…」


琴音が震えていた。


「あ…あの子…やられちゃう!助けなきゃ…」


見ると、俺の腕のブレスレットの宝石が光っていた。


そこに手を当て、俺は叫んでいた。


「ラブリーレッド…トランスフュージョン!」


俺は琴音の手の中から抜け、"変身"した。


「愛の戦士ラブリーレッド、あんたなんかに負けないんだからっ!」


蒼い魔法少女は、怪人変態おやじ(俺命名)の背中から伸びた腕に巻き取られていた。


「ソード、プットメソッド」


不思議と、その言葉が出てきた。


助走からジャンプし、形成された刀で、その腕を斬り飛ばす。


蒼い魔法少女は、解放された。


「きみは…」


「あとだ。あいつに何か弱点は?」


「た、たしか心…しんぞうをつかれるととまるはずだよ」


「それ、やってみよ」


目を見合わせ、武器をまとう。


「ファイアソード!」

「アイスグローブ!」


蒼の子がアイスグローブを喰らわせ、怯んだスキに胸板にグサリ。


怪人変態オヤジは、燃やされて消滅した。


「「アンリミテッド」」


安全を確認し、変身解除する。ふと見やると、琴音は呆然と立ち尽くしていた。


蒼の子は、ジャケットを羽織って、パンツルック。女の子の割に、男らしい印象もあった。


…少なくとも今の俺よりは。


「…ありがとう。君、何ていうの?」


蒼の子が話しかけてくる。


「お…ぼ…わ、私?私は、あ…」


本名を言っていいのだろうか。まずいだろう。


「明音。かんざき、あかね」


一文字変えただけ。それが精一杯だった。


「あかねちゃん、ね。ウチは真城美姫。よろしく!」


「…うん!」


ホントはすぐにでも責任者を探してもとに戻りたかったが、この娘と一緒なら、魔法少女やってもいいかなって、ちょっとだけ思った。


「ふふふ、明音ちゃん?自分に随分と可愛い名前をつけたのね。それにあの子とお知り合いになったなら、小学校行かないと怪しまれちゃうわよ?お買い物の帰りに、転入手続しようか」


三十秒後、復活した琴音の発言で、俺はすごく後悔した。


「マジですか」


コ○ンくんじゃないんだから、小学校とか勘弁してくれよまじで…

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