表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第2弾 忘れ物の話をしていたら、なぜか記憶の書き換えの話になった件 ~記憶の所有権とロールバック領域を巡る僕らの放課後~  作者: とまCo
第11話 記憶の所有権(世界か、自分か)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/44

第11話 記憶の所有権(世界か、自分か)~選択の瞬間~ [4/4]

 ロールバック層の空間は、

 もはや“揺れている”というより、

 “崩れ始めている”に近かった。


〈!-- rollback-core:封鎖まで残り 08% --〉

〈!-- 整合性:重大警告(継続) --〉


 ログは赤く脈動し、

 空気はひび割れたガラスのように軋んでいる。


B君「……A。

  もう時間ないぞ……」


O君《……本当に、戻すのか》


AB君【A君……

   君の“意志”を聞かせて】


 A君はゆっくりと息を吸った。

 胸の奥が痛い。

 でも、その痛みは“恐怖”ではなかった。


A君「……俺は……

  昨日を取り戻したい」


 その言葉は、

 空間の中心に落ちた石のように

 静かに、しかし確実に波紋を広げた。


〈!-- 整合性:警告(強) --〉

〈!-- rollback-core:封鎖まで残り 06% --〉


O君《……A君……

  本当にいいんだね》


A君「……うん。

  俺は……

  “知らないまま”でいたくない」


 O君は目を閉じた。

 その表情は、痛みと理解が混ざった複雑なものだった。


O君《……分かった。

  僕は反対だけど……

  A君が選ぶなら……

  僕も一緒に行く》


B君「O……」


O君《A君が傷つくなら……

  僕が止める。

  でも……

  A君が進むなら……

  僕も進む》


 その言葉は、

 この空間で一番“優しい”言葉だった。


AB君【……これで……

   4人の意志が揃った】


 空間がわずかに震えた。


〈!-- 所有権:再評価 --〉

〈!-- request-source:4 --〉


B君「4って……

  俺たちのことか?」


O君《うん……

  “4人の意志”が揃ったってこと》


AB君【A君の記憶は……

   A君だけのものじゃない】


A君「……うん」


AB君【でも……

   “4人で共有した昨日”なら……

   世界も無視できない】


 その瞬間、

 unknown-node-02 の影がわずかに揺れた。


 影はゆっくりと向きを変え、

 空間にログを走らせる。


〈!-- rollback-core:封鎖プロセス 一時停止 --〉

〈!-- 整合性:再計算中 --〉


B君「……止まった……?」


O君《封鎖が……

  一時的に止まった》


AB君【4人の意志が……

   “整合性の優先度”を揺らした】


 A君は黒い穴のあった場所を見つめた。

 そこにはまだ何もない。

 でも――

 “開きかけた扉の気配”が確かにあった。


A君「……俺たちで……

  昨日を取り戻すんだな」


B君「当たり前だろ」


O君《……覚悟はしておく》


AB君【A君……

   君は一人じゃない】


 空間が静かに震えた。


〈!-- rollback-core:再開準備 --〉

〈!-- 所有権:暫定承認 --〉

〈!-- 整合性:警告(弱) --〉


B君「……弱になった……?」


O君《世界が……

  “様子を見てる”》


AB君【A君の意志と……

   4人の選択を……

   unknown-node-02 が観測してる】


 A君は拳を握りしめた。


A君「……行こう。

  俺の昨日を……取り戻す」


 その瞬間、

 空間に最後のログが走った。


〈!-- rollback-core:再開 --〉

〈!-- 記憶復元:準備完了 --〉


 黒い穴の“残響”が、

 ゆっくりと光を帯び始めた。


 ――そして、

 “昨日”が再び開こうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ