君と別れたその後
それから7年の月日が経ち
皇太子が16歳になろうとする年、
ある小さな町外れにミアという少女が居た。
『おはようラムダスさん』
「おはよう、ミア」
『今日はこの間ラムダさんから頂いた牛乳で母さんとチーズをつくったの!パンと一緒にどうぞ』
「おぉ!ミアは本当になんでもやさんだね」
『ふふふ、だってこの間借りた料理の本がとてもおもしろいの!見たこともないりょうりもいっぱいでね!!このチーズもお店に出したら売れるかしら』
「うーむ。洪水か困った」
『あら、ラムダスさんの領地は大変だわね』
「仕方がない、これを売るしかないのう」
コロン
『うわ!私のところも戦争が起きたわ!仕方ないわね、私の貯金でなんとかー』
これは庶民が考えた皇様ごっこができるゲーム、サイコロをふりこまをすすめそこでおきる出来事を自分が皇帝になり税金や民心を得て国を発展させるというゲーム。
ミアは近所のラムダスじぃさんの本屋に毎日通い大好きな本を読み、毎日10手ずつだけパブリックオピニオン(民意ゲーム)をやって出店に行くのが日課だ。ミアは年齢の割に頭の回転が速く、家では弟や妹の面倒を見ている為か少しというか妙に達観している。
『またね、ラムダスさん』
「うむ、そうだ、ミアにこの本をあげよう」
『え?なに?どんな本?政治学?魔法学?』
「ははは、おとぎばなしじゃ」
『おとぎばなし??あたしもう12歳よ??』
「ふふ、そうだな、ま、だ、12歳だな」
『むぅ!もう立派なレディなのに』
「じゃあいらんのか?」
『・・・・いるわ』
「ははは、きをつけて帰るんだよ〜」
『おとぎばなしねぇ〜、ふふ』
『はぁー!!!』
ガキン!!
「うお!」
ガシャン!!
「ま、まいりました・・・」
『お前は途中から構えが雑になるから気をぬくな』
「はい、殿下。ーしかし私は剣よりも頭を使う事のが専門なので・・・」
『それでも有事の時必要になる事もあるだろう、お前の父、我が師匠は文武両道だ!』
「まぁ、私は母に似たので」
『はぁ、おまえってやつは!』
「殿下、メディナ嬢がいらっしゃいました」
『・・・今日はくると聞いていないが?』
「私も聞いておりません。」
『・・・・・・片付けておけ』
『・・・・ーーー。』
開けろ。
ガチャ
「殿下!お待ちしておりました。」
『今日は約束はしてなかったはずだが』
「ですけど、父が登城するというので参りましたの。殿下にお会いしたくて!!・・・ご迷惑でしたか・・・?」
『・・・私にも予定があるのでな、先振れも出さずに来るのは困る』
「大丈夫です!私は殿下のお時間のある時に少しお顔を見れたらいいのですわ!」
『・・・はぁ〜』
カチャン
『ー・・・』
「私今度初めて茶会を主催いたしますの。ご公務の合間にでも殿下も来てくださいませんか?」
『ーそうだな、もし時間が取れれば顔を出そう。』
「ありがとうございます、フラン侍従長にご予定を伺いますわね。」
『・・・日程はまだ決まっていないのか?』
「はい。殿下のご公務に合わせようと思いまして。」
『そうか・・・(断れなくなったな)』
『ただいま〜』
「あら、早かったのね」
『それが、近々隣国の大使が来るとかで町が大賑わいだったから今日の分はすぐ売り切れてしまって、父さんは商談に行ったから、お店は閉めてきたわ。』
ミアの家は小麦や薬草を育ててパン屋や貴族のお屋敷に納品したり、薬草は病院に下ろしたりしたり、結構手広くやっている。
ミアと母は育てた小麦でクッキーやパウンドケーキなどを作って市場の屋台で薬草と一緒に売っている。
「セルベラムかしら?」
『そうなんじゃない?ナディアとメディスは?』
「ルディがモリスと一緒にピクニックに連れ出してくれたよ」
『まぁ、素敵ね、あとは私がやるからたまには休んでて』
「ふふふ、ありがとう」
おやすみなさい
パタン
『(今日頂いた本でも読もうかしら)』
その日はまるで御伽噺の様な夢を見た。私はどこかのお金持ちのお家の子供で王子様と出会って恋に落ちて・・・将来結婚しようねと約束をした。去年私の誕生日にもらった私の名前のついたバラを見せたくて一緒にバラ園に走って、でもそこから急に息が苦しくなって目の前が真っ暗になって目が覚めた。
ガバ!!!
『はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・な、なんだったの??』
ー妙にリアルな夢、触れた感触も、苦しさも、何もかもリアルだった。
・・・とっとっとっとドン!!
『わぁ!』
「きゃははははー!!」
「きゃははー!!!」
「「ねぇねおはよぉ!!」」
『もぉ〜ナディアにメディス朝から元気すぎるわ〜』
「「あはははは〜ねぇねおきるのおそいよう」」
『あ〜ごめんね、今起きるから』
ナディアとメディスは歳の離れた双子の兄妹。可愛いけれど、最近はイタズラにハマっているらしく・・・結構しんどい。




