狩りましょう!!
「え? そ、そんな風に思ってもらえるなんて
光栄です、えへへ」
まあ、そう思ってもらうためだけに
この一ヶ月強を彼のために
費やしてきたのだと有心は心で呟いた。
それもそのはず、
有心は草薙に好かれるため彼と接しつつ趣味を研究。
それから勉強もして、
彼と同じ趣味を持つ同士を装えるまでになった。
実際有心は心から彼の趣味を楽しめるようになったし、
苦でもなんでもないのだが
その領域に至るまでどれぐらいの努力を
続けたかなんて言うまでもないだろう。
もちろん草薙にはけしてそれを悟られぬように。
隠密に、ひっそりと、ただ一人で。
有心の仕草が気になったのか、
草薙は読んでいた本を閉じて
有心の方へ身体を向け直した。
「そういや逢坂、
シルエットモンスタークエストの
新作出たの知ってるか?」
補足程度に説明すると、
シルエットモンスタークエストというのは
闇に潜むモンスターをシルエットだけで
位置を特定しながら攻撃し、
討伐するというゲームである。
「え! そうなんですか?
知らなかったです、いつ出たんですか?」
「GW半ばだ」
GW半ばに新作が出ると知っていたら、
残り半分はゲームに時間を費やしただろう。
それを思うと有心は歯噛みせずにはいられなかった。
「えー買い逃したの残念です……」
有心はしょぼんと肩を落として残念がる様を表した。
「そうだろうと思ってお前の分も買っておいたぞ」
草薙は自慢げに笑むと、有心の頭にぽんと手を置く。
有心は予想だにしなかった
彼の言動に素直な喜びを言い表す。
「ホントですか!? ありがとうございます!!」
「奢ってやったんじゃないからな」
「分かってますよー
僕だってそこまで面の皮厚くないです」
僕ってそんなに図太い奴に
見られてるのかなーと素でぼやいていると、
「……早速家来てやるか?」
願ってもない草薙からの誘いに
有心は目を輝かせる。
「え、いいんですか!?
行きたいです、一緒に狩りましょう!!」




