俺がママぁ!?
「この子の事って言っても、ギルドが保護してくれるのでは?他の奴隷の子もそうなんでしょ?」
「確かにそうなのですが・・・・現状、手一杯なんですよ」
「どうゆうこと?」
聞かれたロナルドの顔は悲痛と悔しさに満ちた表情で、事の詳細を話した。
「保護した奴隷の子は、実に60人に及びます・・・・そして殆どの子が心身ともに傷ついており、マンツーマンでケアしている状態なのです」
助けられた子達は、常習的に殴られた後や傷が残っており幾ら回復魔法やポーションで体の傷を癒しても、心に着いた傷は簡単には消えることは無い・・・・・
酷い子になれば常に震えが止まらず泣き叫ぶ子や、体の一部が欠損していたりと、ギルドスタッフも上へ下へと大忙しなのだ。
「要するにギルドにもう割けるだけの人員は居ないから、この子を私が面倒を見ればいいのね?」
「そうゆう事です」
「私は構わないけど、期間はどれくらいになりそうなの?」
「まず、町にある奴隷の刻印を消す魔方陣の起動許可を国に申請していますので、だいたい2週間くらいかと・・・・」
「分かったわ・・・・でも、この町に刻印を消せるのがあるの?」
「えぇ・・・革命以前この町は首都でしたからね、その頃の奴隷売買の施設が残っているのですよ」
「?・・・町の中にあるのだったら直ぐにでも出来るんじゃないの?」
「施設に魔力を送るだけですから、動かす自体は簡単なのですが・・・・この国は奴隷が禁止されていますので」
「あぁ・・・・だからいちいち国に申し立てしなくちゃいけないのか、面倒ねぇ」
「まっ、そんな訳でよぅ・・・その嬢ちゃんを頼むわ、お前さんに懐いているみたいだし問題ねぇだろ?」
「そりゃ・・・構わないけど・・・・・その前にこの子と話せる魔道具いい加減、貸してよ!」
「おっとすまねぇ・・・・っと、コレだ・・・・使い方は片方の耳にそのイヤリングを互いに付ければ話せるようになる」
「耳って・・・コレよね、イヤリングなんか付けて大丈夫かな?」
「安心してください、それで耳が痛くなったりはしませんよ」
手渡されたイヤリング状の魔道具を志信はウサ耳少女に付けると、自分の耳にも付けた。そして事情をとりあえず聞くためにタンクスとロナルドも付けていた。
(っぷ!ロナルドはともかく、タンクスは似合わないなぁ・・・・男にイヤリングってこの魔道具作った奴その辺考えていなかったのかな?ぷっふっ・・・・ダメだタンクスを直視すると笑ってしまいそうだ。)
内心、笑いを堪えるのに精一杯の志信ではあったが、何とか真顔を保ち優しくウサ耳少女へ話掛けた。
「ふぅ・・・これでようやく話せるね、えっと・・・とりあえず貴女の名前教えてくれる?私は・・・」
「ママッ!」
「へっ?」「はっ?」「えっ?」
突然の想像すらしていなかった言葉に、3人は唖然とし思考が停止してしまった。
「どうしたのママ?ねぇママッ、お話終わった?もうママ泣かない?怒らない?」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
「えっ・・・あの・・・私は貴女のママじゃあ・・・・」
そうやく思考が追いつき、志信は否定しようと言葉を発するが・・・・・突然ロナルドが口から血を吐き出し倒れた。
「・・・・・カハッ!?・・・・グフッ・・・・・」
「!!!? どうした!?しっかりしろロナルド!傷は浅いぞ!!」
「そっ・・・・・そうですよね・・・・・こっ・・・・子供くらい居ますよね・・・・ハハッ・・・・お相手は兎の獣人でしたか・・・ふっふ・・・・・私って本当にバカ・・・・・・ガック・・・・」
「ロッ・・・ロナルドォォォォ!!!!!!!」
タンクスはロナルドを抱え、涙を流しながらロナルドの名を叫んだ。
「なに、アホな三文芝居してるのよ!」
「いや・・・だって、その子お前の・・・・・・」
「私は、子供なんか生んだ事無いわよ!」
「えっ?ママはママだよ?」
「違うの!私は貴女のママじゃ無いのぉ・・・・あのね私は・・・」
「・・・・タンクス・・・・これは・・・夢ね・・・・・・・・」
「あぁ・・・・・悪い夢さ・・・・・・・・・」
「何、男同士で気色悪い事やってんの!もう皆いい加減にしてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
カウ〇ーイビ〇ップのあのシーンを彷彿とさせるセリフ吐きながら、見詰め合う2人をみて志信は怒りと、混乱とでパニックに陥り金切り声を上げて叫んで暴れ回った。
「おひひゅきましたか」『落ち着きましたか?』
「はいだい、ほまへわはへんっへひゅうほのひらなひのか?」『だいたい、お前は加減って言うのを知らないのか?』
"何でもできる"のスキルを遺憾なく発揮した結果・・・・滅茶苦茶になった部屋で、顔面をボコボコにされたタンクスとロナルドは傷の手当をしつつ、とりあえずの片付けながら志信に問いかけていた。
「そっちが悪いんじゃない・・・・・」
「ただの冗談じゃねぇか・・・・・お前とリヒティーだって俺をこんな風にからかうじゃねぇか」
「・・・・そっ・・・ソレとコレは別よ・・・・」
「・・・・ふぅ・・・・たくよぉ・・・普通、俺達じゃなきゃ今の攻撃で死んでるぞ?」
「まったくです・・・・あーぁ、メガネが台無しですよぉまた修理に出さなくては・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・もう!悪かったわよ、今後は自制するから良いでしょ!?」
「まったく・・・反省の色がねぇなぁ・・・・まぁいいか・・・・・・さて、話を戻すとするか」
「そうですね・・・・・それではお嬢さん・・・・どうしてこの人が、お母さんなんですか?」
「・・・・・・・だって・・・・・・・・・ママの匂いがするからっ!」
「ママの匂い・・・?」
「って事は・・・・・やっぱりお前・・・・・・・子供を産んだっ・・・・ぶほっ!?」
「次、言ったら殴るわよ?」
「・・・ック、殴ってから言うんじゃねぇ!・・・・たく・・・・で、匂いって何だ?お前変わった香水でも着けているのか?」
「まさか!?蜜採取に行くだけに香水なんて着けるわけ無いでしょうが」
「じゃあ何か?お前の体臭が偶々この嬢ちゃんの母親と同じだったってか?在り得ねぇだろ?」
あーでもない、こーでもないと議論を続けるが一向に答えを見出せずにいたが、志信は咄嗟に閃いた。
「もしかして・・・・・・」
「何だ?心当たりがあるのか?」
「解かんないけど・・・・・ロナルドさん獣人って鼻は人より鋭いの?」
「えぇ・・・全種族の中で身体能力は高く特に嗅覚が鋭いですがそれが何か?」
「とすると・・・・・ねぇ、ママが大好きな食べ物ってな~に?」
「うーんとね・・・・・ハチミツ!特にハニー・ラビットの蜜が好きぃ♪」
「そう・・・・・ありがとう・・・イイ子ねぇ」
志信はそう言いながら少女の頭を優しく撫でた。
「っで、どうゆうことなんだ?」
「推測でしかないけど、この子は兎の獣人よね」
「見りゃ分かるだろ?」
「で、恐らくこの子母親も同じ兎の獣人だと思うの」
「その根拠は?」
「今日私は、ずっとハニー・ラビットと戯れながら蜜を採取していたわ」
「それで?」
「だから、体にハニー・ラビット匂いが染み付いていて、さらに蜜の匂いもする筈・・・・」
「なるほど・・・・そうゆう事ですか」
「っそ!この子が母親の匂いとして記憶しているのは、女性の体臭に兎の獣臭と蜜の匂いが混じった物なのよ」
「だから姿が違うが、匂いが一緒だからお前を母親だと勘違いしていると?」
「恐らくね・・・・・・」
『ママァ・・・・・・』と呟きながら、志信の胸に埋もれながら抱きつく少女を志信は優しく頭を撫で続けた。
「とりあえず、今日のところは帰るわ」
「そうですね・・・・もしシノブさんの推測が正しければ、体を洗えば匂いは無くなりますから状況は変化するかもしれませんし」
「どの道このままじゃ、まともに話せないしね」
「ですね・・・・」
「んじゃ、今日はお疲れさんだったな・・・・この子の親の事とかは明日以降、落ち着いてからって事で」
「分かったわ・・・・・・・・・あっ、その魔道具もう一つくれない?エルの分も必要だし」
「おう!・・・・ほら持ってけ」
タンクスから魔道具を受け取ると、志信は少女を抱えながら宿へと戻った。
次回は少女ととの、のほほん回かな?獣人少女・・・1人くらい俺も家に欲しいなぁ・・・・・ずっとモフモフしていたい・・・・・
それと話は変わりますが、新しく小説を連載し始めました。一応ストックを貯めて投稿していますが、もしかしたらこっちの投稿ペースが落ちるかもしれません
なので、気長にお待ちいだだけると幸いです。 ノシ




