金は天下の回りモノ
「売るのアレだけで良かったのか?」
「売りすぎると値崩れするからねぇ、アレくらいでちょうどいいのよ・・・・クックッククク・・・・」
ギルドで契約を終え志信とシリエルは宿に帰る道中で、帰り際にタンクス達に買取をお願いした時の事を話しながら声を殺して笑っていた。
出した量も然ることながら、その素材が一級品ばかりでタンクスは唖然としてしまい、その顔を思い出し志信は笑っているのだ。
「しかし・・・・もぅ急いで金を溜める必要は無いのではないか?」
そう、もはや志信たちはお金を貯める必要は無いのだ。何故ならタンクスに頼んで子供が受けるレベル上げの儀式に参加を許可してもらえたので、膨大な金を貯める必要は既に無かった。
けれど志信は何故かアイテムBOXの素材を売ったのだ。そのことを志信はエルに教え始めた・・・
「まっお金はいくら有っても困らないしね、とゆうか今の私達にはそれしか武器がないからねぇ」
「ん?武器なら剣でも槍でもあるが?」
「フッフ・・・そうゆう武器じゃないよ、いくらギルドが保護してくれたとは言え実力行使で教会や国が来たら防ぎようが無いでしょ?」
「大丈夫だ!志信は私がちゃんと守るぞ!?」
「フッフ・・・ありがとう♪でもエル1人だけじゃ騎士のトップの連中が襲って来たら防げないし、暗部みたいな隠密系の奴が来たら防ぎようが無いじゃない?」
「しかし、ギルドが保護したのだから無理やり来る事は無いのではないか?」
「そりゃあね・・・でも遠回しにはできるよ」
「遠回しとは?」
「忠誠心過剰な兵士や貴族を焚きつけたり、大商人や貴族連中にハッキリと言わないけど脅してみたりして、私達を拉致して来いみたいにはできるしね」
「その時に金が役に立つと?」
「力は無いし、知識はそれが真実かどうかが判断できないから武器に成り得ないけれど、お金なら一旦見逃してもらったり牽制には使えるよ」
「その為の金か・・・・」
「そうゆう事♪」
ギルドの帰り際、志信がタンクス達に買い取ってもらった物は"罪深の森"で爺さんとエルが貯めてきた素材の1%程を売ったのだ。
とりあえず、この2年余りで貯めた分とゆう事で・・・・・・一応ここから"罪深の森"まで馬で行けば1日程で行けるが、出てくる魔物がBランクのモノが多く最低でもCランクなので、あまり素材は出回ってないのだ。
別に森に入らない限り襲ってこないので魔物なんかを命がけで素材を取ってくるより、何処かの迷宮やランクに胡坐をかいて護衛の依頼をこなしていた方が何倍も楽なのだ。
なので"罪深の森"には普通人は入らないから、レアな素材や薬草類が多く自生しており高レートで取引されているとゆう訳だ。
「それじゃあ、これからは小出しに売ってゆく訳だな!」
「んー・・・・それは分からないかな」
「どうしてだ?値崩れを起こさないように、同じ量くらいを売っていけばイイのではないのか?」
「それだともっと持っているかも、って思われるじゃない?そうしたらアイテムBOXを取られる可能性が出てくるよ」
「タンクス達はそんな事しないだろ!?」
「あの2人はしなくても、他の人がしてくるよ・・・・《人の口には戸は立てられぬ》って言うからね、どこかで私達の事がばれれば余計な争いになっちゃうよ」
「では結局、宝の持ち腐れではないか」
「まっ、追々ギルドランクが上がってから小出しに売っていけばいいよ、どうせ腐るものでもないしね」
「そうは言うがなぁ・・・・」
「はいはいはい、このお話は終了!小銭も入ったんだし何処かでおいしいもの食べよ!ねっ」
懐が暖まった2人は久しぶりに豪勢な食事にありつき、有意義な食事を済ませていた。
一方そのころギルドでは・・・・・・
「なんか凄い光景ですねぇ・・・・」
「私、こんなに多くのレア素材見たの初めてですぅ」
「しゃっべていてもイイから手を動かしなさい!そうしないと今日は徹夜よ!!」
「はーい・・・」「やってるわよもぅ・・・」「はぁ、お家帰りたい・・・」
志信が出した素材の山の前でギルド職員の人たちがぼやきながら仕分け作業とリスト作成を行っていた・・・・・
「良かったですね」
「それは嫌味かロナルド・・・」
「率直な感想ですよ」
「ふんっ・・・・」
大量の書類にサインをしながらイライラしているタンクスの傍らで、涼しげな表情でロナルドも仕分けや整理に忙しく働いていた。
「結局、彼女達に振り回されぱなしでしたねぇ」
「ここまでやられると、いっそ清々しいよ!まったく・・・・」
志信が置いていった素材アイテムは、たとえ1%だと言えど過去のあの村の人や爺さんやエルが狩り続けた500年分くらいの素材である・・・・その量は尋常ではない、ギルドの倉庫は商業ギルドの倉庫まで間借りしてようやく入るほどの量で
そのリスト作成だけで途方も無い仕事量になっていた・・・・とりあえず量が量だけに志信たちには前金として今ギルドが出せる金額の限界である100万クートを手渡したが、ここにある量はそれを遥かに凌駕することはまず間違いがないであろう・・・・・
「しかし・・・2年でこんなに狩れるもんなんですかねぇ」
「知るか!まだ持っていたとしても驚かねぇよ俺は、まったく・・・・ぶつぶつぶつ・・・」
「そうですね、それについては私も同感です・・・・」
「「はぁー・・・・・」」
2人は深いため息を吐きながら仕事を黙々と片付けていった・・・・・・結局、書類の山がなくなったのは3日後の事だったという・・・・
今回は短めです。次回から多少時間が飛ぶと思います。多分・・・・でわ!ノシ




