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第14話 スキル「鳥の目」発動!

信長は、恵を「白き妖女」としてロックオン。木下藤吉郎、前田利家、狩野永徳を連れてチェース(追跡)を始める。今川義元の本隊を追いかける恵と5人の護衛騎馬武者だが、恵が馬上で居眠りして夢の中にいるうちに道に迷ってしまう。恵はチートスキル「鳥の目」を使うと5人に伝える。

 霧が白く立ち込める桶狭間の戦場。大高城を目指す今川義元の本隊250騎を追いかける(めぐみ)と5人の護衛騎馬武者。しかし、6人の目の前には、狩野永徳の国宝水墨画「花鳥図襖」からそのまま飛び出てきたような巨大な梅の老木が道を塞いでいる。初春の襖絵と違うのは、新暦6月の梅雨の霧中で視界がほとんど無いことだ。


 迷子となって恐縮する青年武将に、恵はチートスキル「鳥の目」があるから大丈夫と慰めていた。チートスキルは「(あや)かしの術、妖術」と説明する恵に、5人は動揺しながらも「姫」の力を信じてその術の発動を待つ。


 恵は巨木を背にスッと姿勢を正す。セーラー服のスカートが霧に濡れ、スマートチョーカーが微かに震えている。

 「やっぱり魔法少女かな」と呟き、両手でスカートの裾を軽くつまみ、魔法少女風にキュートにお辞儀。

 「メグミがみなさんを夢の世界へご案内します」と茶目っ気たっぷりに言ってから、高らかに叫ぶ。


「デロ・フィナーレ!」


 恵は右手で首のスマートチョーカーを2回タップして右にスワイプ、また2回タップして今度は左へスワイプ。「トントンツー、トントンツー」のリズムにスマートチョーカーがポワッと白く輝き、中心がパカッと開き、たくさんのLEDライトが現れ、光を四方に放つ。


 転生元の2028年には「無駄機能」として悪名高かったプロジェクションマッピング機能が、1560年の桶狭間の白い霧をスクリーンに炸裂する。


 「ウィーン!」と起動音が響き、たくさんの小さなLEDライトが赤、青、緑、黄、紫の虹色パターンの光を放ちながら首の周りを回転する。白い霧に「シュワーン!」と光が螺旋を描き、巨木の枝や草木にも星屑のような輝きを散らす。青年武将ら5人は目を丸くする。


 このとき、偶然、巨木の真上でとぐろを巻いていた霧が切れ、青空からスポットライトのような陽光が恵に降り注ぐ。


 枝の鳥たちが一斉に羽ばたき、「ホーホー」「ピューホロホロ」と清らかな鳴き声を響かせる。鳥たちは恵を周回してから、青空を目指して上空へ舞い上がる。


 神々しい光景に、青年武将は涙をダーッと流しながら不良口調で叫ぶ。

 「姫は(あや)かしなんかじゃねぇ! 俺たちの観音さまだ!!」と拳を突き上げる。


 護衛の4人は地面の枝を拾いあげると「うぉーっ!」と叫び、「三河萬歳(みかわまんざい)」を息を合わせて踊り出す。


 枝をサイリウム風に左右に振り、「オー! ソレソレソレ! メグミ姫!」と声を合わす。4人は左右に華麗なステップを踏み、枝を頭上でクロスさせ、「メグミ! メグミ! メグミ!」とコールする。


 恵は「リアル三河萬歳を初めて見たわ。まるでヲタ芸じゃん」と少し感動し、「まっ、どれも『鳥の目』発動には必要ないんだけどね」といたずらっぽく微笑む。


 「じゃあ、みんな行くよー!」


 恵は目を閉じ、戦国オタクの「鳥の目」スキルを本気発動させる。

 脳内にかつて見たグーグルマップが3Dで展開される。桶狭間山の丘、田楽狭間の谷、大高城の位置と地形が浮かぶ。

 「ここは完全に谷奥の行き止まり。800メートル戻ると三叉路があるわ。居眠りして見過ごしたのね、反省反省。東は来た道だから、西の下り坂で大高城まで一本道だわ」


 恵はパッと目を開け、スマートチョーカーを3回タップ。パッとプロジェクションマッピングが消え「ピピッ」と電子音が鳴り、LEDライトが内部に収まる。

 ちょうど霧が再び立ち込め、青空の隙間を埋め、周囲は白い闇に包まれる。鳥たちは行き場を失い「ギャーギャー」「ピーチク」と鳴きながら巨木の枝に羽ばたきながら戻る。


 青年武将と4人の護衛は動きを止め、恵をじっと見つめる。


「『鳥の目』完了! 大高城までの道、把握したわ。安心して!」


 青年武将は膝をつき、拳を引いて「よっしゃー!」と叫ぶ。護衛4人は同じ動きで枝を振り、「姫! 姫! 姫! 姫!」と絶叫する。

次回、三河萬歳でピッタリ息の合う四人はなにもの?四人は顔も全く同じで四ツ子兄弟?4月30日朝に公開!

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