第130話「荷場」
朝。
御着。
黒田万吉。
初仕事。
向かう先。
荷場。
御着。
かなり大きい。
荷。
人。
馬。
書付。
声。
かなり忙しい。
荷。
次々入る。
積む。
降ろす。
運ぶ。
叫ぶ。
止まる。
また動く。
山裾とは。
全く違う。
まず。
荷場役人達へ。
軽く挨拶。
「黒田万吉にございます」
周囲。
少し見る。
若い。
しかも。
黒田。
だが。
小寺から回された以上。
無視は出来ない。
荷場の役。
説明を始める。
「ここは、
城へ入る荷」
「商人荷」
「一時保管」
「確認」
「出入り」
「全部見ます」
かなり実務。
万吉。
静かに見ている。
書付。
動く。
荷。
止まる。
紐。
解く。
また結ぶ。
人。
探す。
馬。
待たされる。
かなり流れが多い。
その日。
万吉。
ほとんど喋らない。
ただ。
見る。
「……」
荷の流れ。
人の動き。
詰まる場所。
荷場役人。
少し不思議そう。
「あの若、
何見てるんだ」
別の役人。
小声。
「市を回したとか、
聞いたが」
「もっと喋る奴かと思った」
だが。
万吉。
ずっと見ている。
特に。
荷が止まる場所。
書付待ち。
確認待ち。
紐探し。
そこを。
かなり見ていた。
昼過ぎ。
荷方。
慌てる。
「紐どこだ!」
「さっき置いたろ!」
「誰か持ってった!」
荷。
止まる。
万吉。
そこ。
見る。
夕方。
仕事。
終わる。
祖父の屋敷へ戻る。
部屋。
万吉。
書き物している。
横。
与吉。
いる。
しばらく静か。
そして。
万吉。
ぽつり。
「……あれ、
流れ悪いな」
与吉。
頷く。
「そうですね」
「書付が、
行き来し過ぎです」
「なかなか、
荷が動いておりません」
万吉。
紙へ。
何か書く。
さらに。
「あと」
「荷方、
よく紐探してたな」
与吉。
少し笑う。
「皆、
そこらへんへ置きますからね」
万吉。
少し考える。
「……手ぇ出していいのか、
少し分からんが」
「紐ぐらい、
分けた方がいいだろ」
「それぐらいなら、
とやかく言われんだろ」
与吉。
少し笑う。
「若、
もう触る気ですよね」
万吉。
普通。
「流れ悪いと、
気になる」
かなり静か。
だが。
万吉。
もう。
「流れ」
として。
荷場を見始めていた。




