第9話 再生の兆候
ー怪気魔と男ー
「あと少しだ あと少しで祠の元に着く ここに何があるんだ?」
「ここは復活に最も適してる場所だ ここには何匹もの我らがいる」
「う、紫色の霧が濃い」
奥が見えないほどの霧
「当たり前だ 何匹も集まれば悪は重なる さあ行くぞ」
少し歩き、祠の元まで着いた
「ここが祠の元か」
見渡す限り怪気魔のモヤと目
怪気魔が僕に気づいたのか近づいてきた
「なんだ 怪放者か 早く我らの封印を解け」
「はいはい」
ここにいる全部の目を見て解放した
「久しい また暴れるぞ」
「待て まだこいつに名前を教えてないだろ」
うずまくに教えてもらった
ここにいるのは
おののく怪気魔 人形
からまる怪気魔 草のような形
からかう怪気魔 DNAのような形
すみつく怪気魔 半分とろけたスライムのような形
むしばむ怪気魔 虫にところどころ食われた葉のような形
ゆらめく怪気魔 シャンデリアのような形
つながる怪気魔 t字が繋がったような形
ちらばる怪気魔 別々の丸が複数ある形
とどろく怪気魔 チューバのような形
はばたく怪気魔 コウモリのような形
合計10もの怪気魔が蔓延っていた
さすがの量だ 霧がこんなに濃いのも納得できる
「さあ こいつの心に入れ 街へ降りるぞ」
ー2人の魔術士ー
祠の元へ来た
「ここか」
「待て 怪気魔の気配がない!」
「まずい ここも先を越されたか 全部封印を解かされておる」
「すぐに連絡だ」
「わしは他の祠を見ておくぞ」
山を降りた
ー怪気魔と男ー
怪空で街へ降りて俺はご飯を食べた
「人の心の中は落ち着くな さあ悪を取り込むぞ 横浜に行け」
「わかった」
ご飯を食べ終わり、路地裏に入った
「空怪」
ー横浜ー
路地裏に出た
「交差点へ向かえ 人ゴミの場所、汚い心が集うのはここだ」
俺は交差点の端で怪気魔を解放した
「なにあいつ 真ん中で突っ立ってんだ?」
「やば 拡散しよ」
今から喰われるとも知らずに悠々とスマホを僕に向けている
「悪い心がたくさん 喰うぞ」
12体の怪気魔が悪念を持つ者を次々と喰う
男女問わず喰いちぎり悲鳴が四方八方から飛び交う
一瞬にして悪人が何百人も消えた
白い壁から誰か出てきた
「君か 悪さをしてるのは 久しぶりだね 天室黒銀 くん どうしてこんなになったかな? そんなふうに育てた覚えはないけどな」
服部!
「服部先生 いや服部 育てたのはお前だけじゃない この世界が僕を育てたんだ」
「こんなことして情けない 何が目的だ?」
「僕はただ、悪い人を殺してるだけだよ」
「わかっていないようだね僕は君を殺さないといけない 無駄な仕事を増やして
死にたいのか?」
「死ぬのは願望じゃないな」