第48話 怪気のきっかけ
「もしかしたら外惑様っていうのは祟り神なのかもしれない」
「祟り神?」
「祟り神っていうのは
祀ることで厄災を鎮め、逆に守護神になるんだ」
「じゃあ、俺は護られているのか」
「わしはどうなるんじゃ?同じ祖先じゃろ?」
「祀ってないから護られてはないんじゃない?」
「わしの魔術はどうなんじゃ」
「そこの関係が謎だな、、」
ー黒銀ー
「どうだ?情報は見つかったか?」
黒銀はからかう怪気魔にいじめっ子を探させていた
「GPSというものを探しているのだが、、多すぎる」
「悪念は出てないのか?」
「ああ、それがあったか
悪念を元に辿ってみる」
再び電線をいじった
世界を巡る電気はからかう怪気魔の領域内
「おお、こいつか?」
「見つかった?」
「名前はなんだ?」
「はっきり覚えている
上杉赫夏」
「我が見つけた奴だな
だが、悪念が一切ない 生まれ変わったかのように
お前をいじめた過去はないようになっている」
「そりゃそうだろ いじめた奴なんかが覚えている訳ないだろ!
クソ!」
いいぞ いいぞ黒銀
過去最大に悪念が溢れている
「さあ 怒りが引く前に殺すぞ」
ー上杉赫夏ー
俺は横浜で働くただの社会人
上杉紫道の父で大切な宝までできた
毎日、仕事をこなして家を支えている大黒柱
だけど、こんなことが起きるなんて思いもしなかった
「上杉くん 昼食の時間ですよ」
俺の同期の竹取乃宮
毎日の昼食を食べる場所に行った
「最近どうですか?」
最近、、最近といえば何かあっただろうか
仕事ばっかりだったしな、、
そういえば紫道は何をしているのだろうか?
ずっと話せていなかったし、世話はもう高校生ですることもない
思い返せば学校に預けたまんまで無責任な親だな
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、ごめん 最近のことだったよな
最近は息子と全然話せてない」
「もう高校生ですか?」
「そうなんだよ 高校生になったらもう世話とかないから
関係が薄くなる」
「僕の子供もそんな感じですね」
そんな話をしながら昼食を食べ、締めにコーヒーを買いに
近所のコンビニに一緒に行った
「今日はブラックコーヒーなんですね」
「ああ たまには別のやつもな」
コーヒーを買い、コンビニを出た
「おい、お前 つら貸せや」
高校生ぐらいの不良に絡まれてしまった
せっかくの休憩を邪魔されて不愉快すぎる
「お前、聞いてんの?」
俺の肩を組んできた
「上杉さん!」
この高校生、、違うな
匂いがおかしい タバコでは普通臭わない匂い
怪気魔の匂いがする
「竹取 離れてろ」
俺は裏道に連れて行かれた
その不良集団は変身した怪気魔と誰かだった
「やあ 上杉 久しぶり」
初対面で久しぶりとは?
「覚えてなさそうだね」
覚えてない?
「僕を忘れたのか 黒銀だ 天室黒銀」
天室、、?
「ああ、高校生の時か?」
「思い出したか 僕をいじめたんだよお前は」
確かに俺は魔術士の時に中学の奴をいじめていたが
こんなやり返しをされるとは、、
「だから今度は僕がいじめてあげるよ」
狂気じみた目だから、本気の言葉だと確信ができた
「魔術士だったらしいなお前 なら怪気魔を知っているだろ」
おののく怪気魔が出てきた
「おののく怪気魔か
俺を舐めるなよ
挙術・蹐刹那」
おののく怪気魔の体をゴリゴリ削っていく
これはオリジナル極位技
俺が魔術を道具に込めることができず、尚且つ属性も扱えなかったため
自暴自棄に魔術を鍛えた結果、偶然できてしまった術
脊髄反射を意図的に起こす、無茶苦茶な術
怪気魔がいない世代だったから怪気魔と戦うことができなかったが、
魔術士は誰も俺を止められなかった
「恐れ慄くほどの力、、只者じゃないな」
「俺はかなり強いぞ」
短期間でそこら辺の小さめの町を壊してきたが
これでもなお、太刀打ちができる力は相当やばい
現役じゃなくてもこの強さは流石に自惚れても仕方がない
でも、復讐心が騒ぐ 殺す
この額の傷がさらに恨みを増強させる
「つながる
貫け」
「了怪
連結合」
つながる怪気魔は自身を増殖させ、赫夏を半球状の檻で囲んだ
「さあ どうだ上杉赫夏 最後の話だ
なんで僕をいじめた?」
「はぁ」
「なんだよその返事は
なんでそんな目で見るんだ!」
赫夏はじっと僕を見つめた
「なんなんだよ!なんで僕が加害者みたいになってんだよ!
お前だろ!加害者は!」
沈黙を続ける赫夏
そしてやっと口を開いたと思えば
「お前が最高で最低の没分暁漢の加害者だよ」
は?なんでこの状況で僕が加害者なんだよ
僕が間違っていることをしたか?
復讐が悪いのか?いじめた方が悪いんじゃないのか?
「なんで!なんで!なんで!どうしてだよ!
はあ もう話しても意味がない
殺してしまえ つながる」
「了怪
哀暗命殿」
囲んでいた無数のつながる怪気魔の目から針が赫夏に突き刺さろうとした
「見切った!
蹐刹那構え!」
つながる怪気魔の球状の檻は一瞬にして破壊された
「簡単には死なない」
「それはどうかな?」
つながる怪気魔の檻は即座に修復され、
それに対応できなかった俺は見事に串刺しにされた
「僕をいじめなければ今は幸せな運命の道を歩んでいただろうに
因果応報だよ」
ああ、意識が遠のいていく
紫道には少し話したかったな、、
どうやら俺はもう、お前の顔が見えないようだ
じゃあな母さん ごめんな紫道
俺は最後の力でグッと右手を握り締めた
紫道と母さんに気持ちが届くように
「死んだか?」
「生気がない あんな殺され方したなら生きている方がおかしいだろ」
「いやー やっと僕の復讐に区切りがついたよ
最後に、、」
一蹴り入れた
「じゃ 気が済んだから
空怪を」
「了怪」
その現場を目撃してしまった竹取
見てしまった、、上杉さんが殺されてしまったところ、、
スマホで証拠も撮った、、これで警察に、、
後ろへ一歩下がろうとした時
「どこに行くんだ?」
「ひぃ!」
「そんな証拠を消さない奴がどこにいるんだ
もちろん お前も殺させて貰うよ」
上杉赫夏、竹取乃宮ともに死亡




