第21話 交響曲第二番 魔羅(まら)の旋律
「動けない今のうちににとどめをさせ」
「棘木」
「定!」
茂みから飛び出してきたのは私の同期 大懸紅郎
「断悪蹴繕三日月蹴り(だんあくしゅうぜんみかづけり)」
足に絡まった根を細かく刻んだ
「助かった 礼を言う」
「構わない当然のことだ」
「敵が増えてしまったか まあよい
断崖渓谷造」
地が揺れ出した
「何?! 何が起きてるんだ」
周りは凹んだ いや違う 周りの地が囲むように地の壁ができた
「この壁は怪気を含んだ土だ つながる怪気魔の極意魔技 ここにいるのは危険だ」
「どこから出るつもりだ?」
「出口はない あいつの壁を壊すには私達も技で対抗しなければならない」
一体どうすればここを抜け出せるのか 打つ手なしなのか?
「美し音 何処に隠れし 夜の響 山も海をも あはれを知らす
侵怪・輻魔鬽呼」
この音はよく反響する だから壁と壁を行き来して音が強くなっていく
つまりこれは壁を破壊するのに最適な対処法
隆起した地面がひび割れ、崩れた
「何事だ?!」
「運が味方してくれたのか?」
「どうも 僧侶の人」
「ありがとうござ、、」
!!
「怪気人?!」
「なんと! 怪気克服を果たしたのか?!」
「話は後だ まずは敵を押し返してからだ
侵怪・ff振動」
見えない鍵盤を足で踏み鳴らした
力強い音が地面を揺らして足元を音が打撃する
「ジンジンする痛み だが地についていなければ当たらない
はばたく 攻撃命令」
「了怪
怪気ノ破動」
「任せなさい 水撃金槌」
水を高圧に溜めた手を破動に突き出し、打ち消した
「さすがだな 定」
「余裕だ」
「だが自惚れるな 気を引き締めろ」
「長年共にいるが情緒が全くわからないな」
「長年?まだ30年ぐらいだろ」
「何?そうだったか?」
「ボケた話してんじゃねえよ 敵に集中しろよ」
「おっとすまんな」
まったく
「どうだ? 我の力、存分に使えるか?」
脳内に流れる怪気魔の声
「はるかに魔術を超えた力があるな」
「怪気術と魔術を組み合わせた術 しかしながらこれ以上我の怪気術は使えない
次に使えるのは我の気分次第だ 約束を復活させる方法はわかるよな」
「わかったよ また曲を弾くから」
怪気魔と結んだ約束とは
怪気の力を使い、術を強化できるかわりに怪気魔の機嫌を良くしないといけない
怪気魔の気分を良くするために曲を弾かないといけない
そしてもう一つの条件が黒銀にとどめを刺す攻撃は怪気術を使用できないということ
「とどろく 裏切ってんじゃねえよ なんで殺される側の人間の味方についてんだ」
「味方じゃない 協力だ この世にやり残したことがまだあるのだ ただ最後の運命だとしても我は死よりも先に音楽を優先する」
「そうか 我らを妨げるのか 勝手にしろ」
「我が妨げているのではない こいつが勝手に我の術を使って妨げているだけだ」
「それを妨げているって言うんだよ ボケ!
身削黎怪挙!」
おののく怪気魔が拳を出した
「任せろ定!
反撃摩擦」
衝突した力を摩擦に変え攻撃を防ぎ、弱まった力の隙に攻撃を与える術
「防ぎようたって無駄だ」
衝突で爆風が起きた
「な?言っただろ 無駄と
百戰連魔」
拳の残像が映るくらいの速さでの連続攻撃
速いけど弱い 単純な攻撃 弱めの個体か?
「弱いねえ」
「弱えわけじゃねえ 本気を出してないだけだ」
「なんだそのガキみたいな言い訳」
「はあ゛?うるせえな なら見せてやるよ 過去の姿を」




