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第1話.海超え

俺達がいた第2区は、日本地図で言うと [北海道] の位置となる。


向かっている第1区は海を挟んではいるが、一応は隣の領土ということになる為 海さえ超えればすぐに第1区の領土になるのだ。


「第1区って…日本地図で言うと、どこになるの?」


俺の質問に、久遠は うーん…と空を見上げながら考えた。


「東北らへん…。に、なるんやろなぁ。」


東北かぁ……。

記憶はないのに、日本地図は頭に入ってるんだよなぁ俺……。


「いちぃー。そんなに乗り出したら落ちちゃうわよ?籠に座っといた方がいいんじゃない?」

「ノア……」

「この高さから落ちたら、海に叩きつけられてスプラッタよ?」

「でもさぁ、風がすっげー気持ちいいんだよ。空の色と、風の匂いとか 、海の色とか。俺記憶ないはずなのに…なんか海って、俺の記憶と違わないっていうか……。

なんかすっげぇ安心する。」

「いちって、海見た事あったんだね。」

「そうなるよなぁ……。」



なんか海見てると和む……。



カッ……



気持ちよく海風を楽しんでいたその時、籠に載せていた手元のすぐ近くに何かが刺さった。


鳥……?


そう思った俺は、手元を見て絶叫した。


「なんっっっじゃこりゃあああああ!!!」


「え!?何!?どうしたのいち!?」

「敵襲か!?」

「今この時間にこの制空圏内を飛んでいる者はいないはずですよ!?」

「メル!!探知機能を!!」

「アイサ!!」


俺の叫び声を聞いて、同じ籠に乗っているノア、リーヴ、シュカさん、ギンが素早く反応し、ギンの支持を受けたメルは目を赤く光らせた。


「魚が……飛んで来たんだけど…。」


びっくりして籠に刺さってる魚を指さした俺を見て、全員がポカンとした。


「そりゃー…魚だもん。」

「は?」

「魚なんだから飛ぶだろ。」


「飛ばねーよ!?低空飛行ならまだわかるよ ?トビウオとかいるしね!?

でもこれ秋刀魚(サンマ)だろ!?ここ上空何メートルだと思ってんだよこの秋刀魚!!

…… あっ !!誰かが投げつけて来たのか!?敵襲だ!!」

「…どんな攻撃の仕方ですか…」

「だってこの魚、素っ裸だよ!?

人の手が加えられてるのはあきらかだ!!

そんなもんが籠に刺さってるって……これはどう考えても敵襲じゃん!!」


そう。素っ裸。

籠に突き刺さっているこの秋刀魚は、頭と尻尾以外に皮がついていない!!

ピンク色の身が丸見えだ。



ピチチ……ピチッ


「うっ……動いた!!生きてんのコイツ!?皮がないのにっ……………そうか、虐待だ!!!!」


そんな俺を見て、じゅんが呆れた顔をしながらリーヴをつついた。


『なぁ、あいつ頭おかしくね?バカなの?いつもああなの?』

「平常運転だ。」

『いつもバカなんだな。』


聞こえてんだけど。


「いち、その魚は秋刀魚(サンマ)なんて名前じゃないわよ?」

「へ?いや、どう見ても秋刀魚(サンマ)だろコレ。」


「この魚の名前は“刺身”よ?」


調理丸々すっ飛ばした!!!


豚といいあの果物といい、とにかく色んな物や生き物が遺伝子かなんかで食べやすく変化させられてるのかよ…。


「さて。せっかくのお刺身です。頂きましょうか。」

「食うの!?まだ生きてるよ!?」

「おどり食いですよ。新鮮で美味しそうですね。」


そりゃ、生きてるかるらね。新鮮でしょうよ。


ギンは、よっぽどお腹が空いていたのか 魚を両手で持つと…………


身ではなく、身 を取って骨をポリポリと食べ始めた。


「なんで骨行くの!?身ならたくさんついてるじゃん!!」


ギンは骨をポリポリ食べながら、座っているメルにも小さく砕いた骨を与えていた。


「何言ってるんです?刺身は、骨を食べる為の魚ですけど?」

「はぁ?いやいやいや、確かにギンは少しカルシウム取るべきだとは思うよ?

でもね、栄養も取るべきでしょーが。

身も食べなさいよ。」

「今なんと?僕はそんなにイライラしてますか?」

「カリカリ?」


「…まぁいいや。もったいないから、俺は身をいただくよ?」


そう言ってギンが骨から取った身を口に入れた瞬間、ノアに思いっきり頭を叩かれた。


籠から落ちるかと思ったよ。

つーか、頭だけ吹っ飛ぶかと思ったよ。


「何もったいない事しようとしてるのよ!!」

「はぁ?もったいないから、食おうとしてるんだけど!!」

「身は海に戻するの!!早く戻して!!生きてるうちに!」


え、生きてんの?

ギンがポリポリ食ってたけど。


俺の手から秋刀魚(サンマ)……刺身を取り上げたノアは、その身を海に投げ戻した。


「俺の刺身!!」

「刺身はこっちの骨だって!!」

「これは刺身じゃない!!骨だー!!」


俺達が刺身と骨でギャアギャアと騒いでいると、メルが俺の顔に骨をプォッと吹いた。


「ぶへっ!!…メ…メル!?骨が飛んできたんだけども!?」

「イパイ!!!」

「はぇ!?」

「いちさん、メルはなんと?」

「あれ?ヤバイわかんない。メル、どうした?骨が喉に刺さったか!?見せてごらん!!口開けて!!」

「ンガ!!!チャ……ムキャ!!チャー!!!」


口を開けようとした俺の手を噛み付いて必死に否定したメル。


「チャー!!!アッチャー!!」

「え?…あっち?あっちが何??」


「まて!前方にいくつかの船があんで!?」


望遠鏡で見ていた久遠が メルの言う方向を指さして、俺らの方を真っ青な顔で見てきた。


「………あれは……5区の船団や…」

「5区……!?」


久遠の産まれた土地であり、人間殲滅作成なんて鬼の様な作戦で人間を皆殺しにしたのが第5区だ。


そうか…、さっき俺が秋刀魚で騒いだ時にギンがメルの探知機能をオンにさせたままだった…!!



「5区が…なんでこんな海の上にいるの?」


俺の質問に、久遠は唇を噛み締めて顔を俯かせた。

そっか…久遠にとって第5区は地獄の場所なんだよな。


そんな久遠を見て、代わりにギンが答えた。


「どうやら最新の情報では、5区は7区と6区を傘下に入れたという噂がある様です。」

「何ですって!!?」


ギンの言葉を聞いたシュカさんが悲鳴を上げた。


7区と6区が、5区の傘下!?


「て事は、5、6、7区が手を組んだって事!?」

「そうなりますね。」


へえ……ついに組む区が出てきたのか…。


「…それ…、勢力図が変わるんじゃないか……?」


リーヴが怖い顔をして呟いた。


「…え、勢力図が…って?

どういう事?」


首を傾げながら皆を見回すが、皆黙り込んでいて空気が重い。


困って久遠に目をやると、久遠は言いづらそうに口を開いた。


「5、6、7が組んだとなると…現在1、2を争っとるのは第1区と第2区やねんけど……それぞれの領土よりも でかくなってまうねん…」

「…え!?そんなにでかくなんの!?……いや、3つの領土が合わさると考えると…そうなるのか……」

「問題は、第1区や。」

「へ?」


「5区と7区が、第1区と隣同士の位置やねん…その下に6区があるんや。今まで第1区に手を出す区がほとんどなかったのは、圧倒的な大領地だったからってのもある…。」



胸がドキッとした。


それはつまり


第1区への侵略が始まる可能性を示してる…って事だった。



海を走る第5区の船団を見ながら、胸がザワつくのがハッキリとわかった。



第三章になります。

よろしくお願い致します

<(_ _)>ペコ

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