第15話 アンドロイドも夢を見る
「それで、あんた、どう思う?」
「ああ、未来の話か。
、、、、だいたい想定内だ。」
「チップに何を入れたんだ。」
「いろいろだ。日記や写真とか、映像とか、とにかく未来の全て、いろいろだ。
あの子が見ている未来は、その情報をもとに作られた幻影、まぼろしだと思う。
いくつか、俺がチップに入れた情報にはない話もあったが、多分、彼女の夢の中で再構築されたものだろう。」
「アンドロイドも夢を見るのか?」
「分からないが、否定する材料もない。
自我を持ったAIのことなんて、誰にも分からない。」
「そうか、この話はこれ位にしておくか。
あんたにとって、つらい話だろう。」
「いや、気にするな。
それに、俺は嬉しいんだ。」
「嬉しい?」
「ああ、俺があの子に一つだけ聞いたこと、、覚えてるか。
未来は今、車椅子に乗ってるかって。
あの子、言っただろ。
〜何、変なこと言ってる。
未来、歩いて、走って、いつも元気いっぱいに決まってるじゃないか〜って。」
「ああ。」
「だから、俺は嬉しいんだ。
それに、俺は、あの子の見てる未来の、何もかもが、夢や幻だと思ってる訳じゃない。
アンドロイドには、人間には無い、いや失われた、ある能力があるからな。」
「ほう、それは。」
「超高性能受信機としての能力だ。
電波、音波、光、磁気、あらゆる軽微な信号も受信できる。
俺の知らない、未来の新しい情報もどこからか受信しているのかも知れない。
まあ、これは、俺の、夢ってところかな。」
「ああ、それもあるかもな。」
「、、だろう。」
「で、これからどうする。
あんた、寝てないだろう。」
「一杯、いいか。
本物の酒を飲みたいんだ。
ガソリンの匂いがしない本物をな。」
「それなら、安心しろ。
正真正銘の本物がある。
そう言えば、レディミックが言ってたな。
彼女はリアルだ、間違いない。
本物の魂を持っている、ってな。
レディミックは、間違いなく本物を見分ける目を持っている。
なら、そういうことだろ。」
「そうだな。そういうことだろう。
アンドロイドは夢を見るかも知れないが、けして嘘はつけない。
一杯やってから、俺も、夢で、、、。
元気に走り回る、、未来に会えるといいが。」




