プロローグ
「ようこそ、君だけの異世界へ——」
21世紀。
SNS、動画サイト、Web小説、ゲーム。
どこを見ても流行っているのは、異世界転移。
「現実がクソなら、異世界でやり直せばいい」
「君は勇者として召喚され、チート能力で無双する」
「孤独な君に、異世界では仲間も、恋も、居場所もある」
そんな言葉に救われた若者たちが、今日もまた画面の向こうに消えていく。
だが——その“異世界転移”はフィクションではなかった。
30世紀の異世界犯罪者たちが目をつけたのは、この21世紀。
彼らは高度な技術でネット社会に潜り込み、
異世界転移ものの作品を装ったプロパガンダをばら撒く。
「異世界転移ポータル」
「あなたを召喚したい者がいます」
「このボタンを押せば、“本当に”異世界へ行けます」
誘われるのは、孤独な者。社会に不満を抱く者。
夢を失い、何かを変えたいと願った者。
クリック一つで、世界は裏返る。
転移先で彼らを待つのは、剣と魔法の楽園ではない。
搾取、戦争、洗脳、実験。
彼らは“勇者”として武器を握らされ、
異世界の勢力争いの駒として利用される。
そしてこの真実を知る者は少ない。
それでも戦う者がいる。
異世界を渡り、転移者たちを救い出す者たちが——
異世界転移者探索人
通称:イセカイ・チェイサーズ
時空を超えて、真実を暴け。
「目を逸らした瞬間に誰かが消える。
それを二度と繰り返さないために、俺たちはここにいる」
《ISEKAI CHASERS》




