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アナザー・ワールド・オンライン  作者: ジン
第一部:煉獄龍戦
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狂乱×覚醒②

「とう・・・ギルマス。レナードさんが動き出しました。」


「そう・・・か。まずは俺が確かめる。ありったけの回復薬を俺にくれ」


「分かりました。でも無理はしないでね」


 心配そうな眼でミレイはガゼルを見つめ、かき集めた回復薬をガゼルに飲ませる。


「ん、よっしゃ!いっちょやってやるか!」


 飲み終えた回復薬の入っていた瓶を投げ捨て立ち上がるガゼル。ブレスによる火傷の傷はあらかた塞がってはいるが体は満身創痍だった。


「おい、盾借りるぞ」


 槍部隊から大盾を二つもらいうけると片手で一つずつ持ち、静かにレナードへと歩みを進める。

お互いの距離が目視で顔を確認出来る位置まで近づいた時、先に行動したのはレナードだった。

 予備動作の殆ど無い動きであっという間に距離を詰め、ガゼルへとソウルイーターを振るう。


「おおっと!随分な挨拶じゃねえかレナードよう?」


 振るわれたソウルイーターによる一撃を大盾で受け止め、言い放つガゼル。


『・・・』


「無視か・・・まあいい、だが、ぶん殴ってでも正気は取り戻してもらうぜ!」


 ガゼルは片方の大盾でソウルイーターを弾き、もう片方の大盾を振りかぶりレナードにぶつける。その攻撃は鎧に当たると甲高い金属音を響き渡らせ、僅かにレナードの体を後退させる。

 後退したレナードにガゼルが追撃を加えようと前に出る。二つの大盾で完全に自身の姿を隠しながら近づく様はレナードに強烈なプレッシャーを放つ。


「オラ!」


 大盾を構えたまま突進するガゼル。レナードは大盾ごとガゼルを真っ二つにしようと真上にソウルイーターを構えて待ち構える。

 大盾が急激に接近しレナードの視界を覆い尽くす程接近したところでレナードはソウルイーターを真っ直ぐ下に振り下ろす。その剛剣に大盾はまるで自ら割れるように左右に開かれ、そこにガゼルの姿は無い。


『!?』


 レナードの顔が驚愕に染まる。そこに上空から落下してくる黒い影、ガゼルがレナードに覆いかぶさる。

 ガゼルは大盾で自身の姿を隠し、大盾を前に押し出すと同時に飛びあがりレナードへと襲いかかったのだ。

 レナードを押し倒し、マウントポジションをとったガゼルは足を絡めレナードの動きを完全に封殺する。そしてその手からソウルイーターを弾き飛ばそうとするも、腕に幾重にも張り巡らされている触手ががっしりと固定されており外れなかった。


「くそっ!」

(レナードの精神を支配しているのは鎧と剣の相乗効果だ。どちから一方でも破壊出来れば!)


 それからは長い攻防が続いた。まともな思考回路を失ったレナードがスキルを使用しない事を前回の暴走の時に知っていたガゼルは、ソウルイーターと鉤爪の攻撃をいなしながら鎧の開眼した中心部を一心に攻撃し、レナードはそれを防ごうとさらに腕で鎧をガードしたり反撃に転じたりとしていた。  


 そんな攻防の最中、ついに均衡が崩れる出来事が起きた。

レナードが自らソウルイーターを宙に放り投げ、空いた両手でガゼルの両腕を握るとそのまま力を込め握りつぶす。


「ぐあっ!」


 その余りの痛みに思わずレナードを抑える力が緩み、その隙を見逃さなかったレナードが両手でガゼルを突き飛ばす。

 突き飛ばされたガゼルが次にレナードを視界に捉えた時には既にレナードは立ちあがり、その手には再びソウルイーターが握られていた。


「振り出しか・・・」


 そうガゼルが毒づいているとレナードが思いもよらぬ行動に出た。


『邪魔だ・・・』


 そう言うとレナードはソウルイーターを自身の胸に切っ先を当て、そのまま突き刺した。


「何を!?」


 驚くガゼルの前でレナードは更に深く自身の体を剣で貫いていく。

するとある変化が訪れた。鎧に出来た瞳から光が漏れ、ソウルイーターを吸収し始めたのだ。

 光が収まりソウルイーターが完全に吸収されると、レナードが体を両腕で抱え込み、滾る力を解放するかに如く両手を広げ空を仰ぐ。

すると背中から禍々しい剣で出来た翼のようなものが現れた。

 それは完全に鎧と同化していて、筋のようなものが幾重にも張り巡らされており、脈動しているかのようだった。


「鎧が剣を取り込んだってのか!?」


 驚愕きょうがくしているガゼルだったが、レナードの目線が自分に向いたままだった事を思い出し戦闘態勢をとる。しかし両腕は潰され動かす事が出来ず、先程突き飛ばされた衝撃で肋骨が折れ、肺に突き刺さったようでロクに呼吸が出来ない状態だった。


(こりゃ、俺も年貢の納め時ってヤツかも知れねえなあ・・・)


 などと苦笑しながらレナードを見つめる。

レナードは雄たけびをあげると地面を蹴り、ガゼルへと突撃しその鉤爪で心臓に突き立てた。



 ◇レナード視点


 遠巻きにこちらの様子を窺うモンスター達に怒りの眼を向けるレナード。

だが、モンスター達は一向にこちらへ襲いかかってくる様子は無かった。そこでレナードはゆっくりとした足取りでモンスター達の方へと歩を進める。

 すると一体のモンスターがゆっくりとこちらへ向かってきた。ソイツは巨大な骸骨のモンスターで両腕に大きな大盾を装備していた。

お互いの顔が視認出来る程の距離に近づいた際、先に動いたのはレナードだった。


(このモンスター共の首領か?真っ先に叩き殺す)


 強化された肉体をフルに活用して目標に接近しソウルイーターを振るう。すると巨大骸骨ジャイアント・スケルトンはその一撃を大盾で受け止め、何事かを口にした。


(何を言っているのかは知らんが聞く耳など持たん!)


 その後もモンスターは何事か喚き散らすと、片方の大盾でソウルイーターを弾き、もう片方の大盾を振りかぶりレナードにぶつけようとする。巨大骸骨の攻撃が鎧に当たると甲高い金属音を響き渡らせ、僅かにレナードは後退させられた。

 後退したレナードにモンスターが追撃を加えようと前に出る。二つの大盾で完全に自身の姿を隠しながら近づく様はレナードに強烈なプレッシャーを放つ。

 大盾を構えたまま突進する巨大骸骨をレナードは大盾ごと真っ二つにしてやると真上にソウルイーターを構えて待ち構えた。

 すると大盾が急激に接近しレナードの視界を覆い尽くす。


(なんだ!?)


大盾に視界を塞がれたがその先にいるであろう巨大骸骨にレナードはソウルイーターを真っ直ぐ下に振り下ろす。その剛剣に大盾はまるで自ら割れるように左右に開かれたが、そこに巨大骸骨の姿は無かった。


『!?』


 レナードの顔が驚愕に染まる。そこに上空から落下して来た黒い影がレナードに覆いかぶさる。

落ちて来たのは先程の骸骨のモンスターだった。


(コイツ、中々に知恵が回る!)

 

 毒づくレナードを押し倒し、マウントポジションをとったモンスターは足を絡めレナードの動きを完全に封殺する。そしてその手からソウルイーターを弾き飛ばそうと何度も剣に手を伸ばすも、腕に幾重にも張り巡らされている触手ががっしりと固定されており外れなかった。


(その程度のことで剣を手放すものか!)


 レナードはソウルイーターを振るい巨大骸骨に一撃を与えようとするも密着した状態で思うように剣が振るえず、また、鉤爪の付いた腕での攻撃は巧みに捌かれ中々脱出出来ずにいた。


(剣を放り投げろ)


 頭の中にふと呟かれた声に従いレナードは剣を上空に放り投げると、巨大骸骨の両腕を掴み取るとそのまま握りつぶし、両手で巨大骸骨を突き飛ばした。

 そして立ち上がると上空から落ちて来たソウルイーターを掴み取る。


『邪魔だ・・・』


 そう呟くとレナードの頭の中にまた声が響き、己自身に剣を突き立てろと言う。その言葉にレナードは疑問も浮かべる事もなく素直に従い、ソウルイーターを自身の胸に切っ先を当て、そのまま突き刺した。

 するとある変化が訪れた。鎧に出来た瞳から光が漏れ、ソウルイーターを吸収し始めたのだ。

 光が収まりソウルイーターが完全に吸収されると、背中に熱さを感じた。他にも全身に力がみなぎるような感覚に襲われ思わず体を抱きしめる。

 その感覚に導かれるように背中から禍々しい剣で出来た翼のようなものが現れた。

それは完全に鎧と同化していて、筋のようなものが幾重にも張り巡らされており、脈動しているのが感じ取れた。


(力が・・・剣の力を鎧が吸収したのか・・・これで・・・殺れる!!)


滾る力を解き放つかのように、目の前に棒立ちしている巨大骸骨へ雄たけびをあげると地面を蹴り、突撃しその鉤爪で心臓に突き立てた。



 

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