『まーま』
イースター(復活祭)記念作品。
「う、産まれるぅ〜」
私の目の前にいたうさぎが、突然お腹を押さえて丸まってしまった。身体中をプルプルさせながら、苦痛表情に加えほんのりと冷や汗も浮かんでいる。
「え? た、大変! 早く救急車! 救急車呼ばなきゃ! 助けてーうさぎさんがー!」
「産まれるぅ〜」
ぽんっ
私がおろおろしているうちに産まれてしまった。うさぎの足と足の間には、小石大の小さな卵が一つぽろん、と……
「あれ、うさぎって卵生動物だっけか?」
「胎生動物だよ」
呆れた顔をしたユウちゃんが、ひょっこりと現れた。
「『出産病』ですね」
「まだまだ産まれそうですぅ……」
ぽん、ぽん、ぽんぽんぽんぽんぽん、ぽんっ
「まだ、まだですぅ……」
ぽんぽんぽんぽんぽんぽんぽんぽんぽん……
「一体いくつ産まれるの!?」
「うさぎは多産だからね」
「いや、それにしても……」
「これから孵化します」
「いや、早いからっ!?」
ピキ、ピキピキピキ、パリン
「産まれました!」
『まーまー、まーまー』
卵から孵化したミニマムなうさぎたちが、産みの親であるうさぎさんにすがりついてきた。
結果、全身にびっちりとミニマムうさぎの赤ちゃんを纏った、うさぎ型の、粒々が蠢く……なんとも気持ち悪い光景が目の前にあった。
「大丈夫。この赤ちゃん、そのうち身体に吸収されて消えるから」
「一体どんな病気!?」
「いや、だから『出産病』」
私も最早呆れてしまい、『まーま、まーま、まーま、まーま』と連呼しているミニマムたちをぼんやり眺めていた。
うさぎ:多産
卵:復活
ということで、イースターの象徴であるうさぎさんと卵のお話でした。
※同人誌『うさぎの短編集』にも収録されています。
詳細は活動報告を読んでください。




