隣にいたい
「お兄ちゃん助けて」
その日の夜、市が俺の部屋に来た。
「苦痛を与えてやろうと思ってた。全裸の秀吉。あいつそれなのに、あたしに告って来た。気持ち悪い」
それは確かに気分が悪くなって当然。やっぱり、市に任せるべき仕事じゃなかったんだ。
「すまん。サンキュ」
謝り、お礼を言った。そして猿の呪縛から解放してあげる。傷を癒すのは長政に任せよう。
それから猿は現れなくなった。
天下統一を内側から妨げていた奴がいなくなり、統一し掛けた。
んだが、遂に卒業が来てしまう。
織田家と浅井家は全て市に譲り、旅立つ俺ら。
高校を卒業すると、俺と光秀は同居し始めた。
なんだかんだ言っても、蘭丸だって祝福してくれて。
ゲーム状況は、市と蘭丸に貰っていた。
強敵家康。
そんな不思議な言葉も増えた。
最終的には、あの家康が天下統一を。
気に入らない。
織田家の夢。仲間と見た夢を。
気に入らなかった、どうしても。
俺が不機嫌そうにしていた為か、光秀は気を遣ってくれた。精神不安定な俺の為、優しい口付けを毎日捧げてくれた。
その度に募る愛おしさ。俺はもう我慢の限界であった。犯したことはない。だけどもう、我慢の限界であった。理性を保ってなんかいられなかったんだ。




