想う気持ち
光秀の大好きが、どんな大好きなのか分からない。しかし俺は信じている、光秀が俺と同じ気持ちなんだと。だからこそ、濃には誠意を込めて謝らないといけない。
そう思っていたら、翌日驚くべきことがあった。猿をまた痛い目に遭わせてやろうとログインすると、そこにはいる筈のない人が……。
「ここが、信長と光秀の愛の巣? ふん、中々面白いじゃない」
興味深そうに周りを見回すと、まっすぐ俺のことを見つめてくる。その姿は、以前なら美しいと感じ抱き締めていたほどだった。
しかし今は違う。俺には光秀がいるんだから。
「濃、どうしたんだ? どうやってこんなところに」
どうやってって、そんなのは分かっている。ゲーム内にダイブすることを嫌っていただけで、濃には簡単に出来る。ログインする為の道具を用意して欲しい、パパにそうお願いするだけでいいんだもんな。
「ノブナガはノウちゃんをセットクシテあげな。ソノアイダ、ボクはヒデヨシと遊んでるよ」
気を利かせてか、光秀はそう言って猿を運ぶ。そして俺たちとある程度の距離を置いて拷問を始めた。
「ごめん、ごめんなさい。別れよう」
意を決して、俺はその場に土下座した。プライドを捨て、汚い地べたに頭を付けた。




