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幸せだった時 弐
「お前が信長の妹か、ふん」
何このお義父さん、感じ悪っ。本当に長政様のお父さんなの? 全然似てないわ。ホント有り得ない、もうちょっと歓迎してくれたっていいじゃないの。
「宜しくお願い致します」
しかしあたしは、そうせざるを得ないと思ってちゃんと挨拶をする。この人に嫌われちゃったら、長政様と一緒にいられなくなっちゃうかもしれないんだもんね。それは嫌だわ、何があっても嫌だわ。
「浅井家の決まりには従って貰うからな」
あれ? よく見たらこの人、NPCじゃないの。名前の表示がプレイヤーじゃくって、NPCの色になっているもの。そういえば、普通家族のキャラがNPCで存在するらしいわね。結婚システムを使ってしばらく一緒にプレイしていると、子供のNPCが生まれることもあるとか? まああたしの場合、お兄ちゃんと兄妹でログインしているし。父親も母親も殆ど会わなかったけど、一応いはするのかしらね。
「はい、一生懸命頑張ります」




