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さいっあく




 「ナナカマドん」。

 震災復興の象徴として全国に植えられたナナカマドにちなんで名づけられた災害復興用搭乗型巨大ロボット。

 搭乗する為に課された過酷な訓練を日夜受け続ける二十人の少年少女たちの内の一人である十三歳の少年、茜《あかね》は苦悶していた。

 今現在、「ナナカマドん」の操縦シミュレーション室にて、実践さながらの操縦を行わなければならないのだが、緊張と勉強不足も相まって、身体も思考も停止してしまったのだ。

 茜の前に立ちはだかるは、百は超える色違いのボタンと十は超えるレバー。

 初歩中の初歩。起動スイッチすら分からない始末。


「ええとええとええとええとええと。あ。そうだ。確か。サポートAIを起動するスイッチがあったはず………あった!」


 金色のスイッチを押したその瞬間、けたたましい警鐘音が鳴り響いたかと思えば、三百六十度茜を囲む画面一面が空の景色から赤色に染まり、白色で五の数字が表れたのも束の間、四、三、二、とカウントダウンが始まった。

 もしかしてと顔を蒼褪めた茜の予想通り。金色のスイッチは脱出スイッチなのであった。






「あんなまぬけが私の相棒だなんて、」


 操縦シミュレーション室から茜が出て行ったのちの事だ。

 茜をサポートするAIの菊花《きっか》。画面上にツインテールの少女の姿で現れては、しかめっ面になった。




「さいっあく」












(2026.10.10)




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