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4話

4話

ゆっくりと回転する球体の周りを二羽の鳥が翼を輝かせながら飛んでいる。

談話室の机の上に置かれたオブジェを脱出ポッドに乗っていた少年――ニア・ルジールは不思議そうに眺めていた。


「――それで、なぜ君は地球からわざわざここに来ようと思ったんだ?」


イア隊長が正面に座る少年に少しの希望と大きな不安を滲ませた真剣な面持ちで尋ねる。質問の内容は、答えによっては私たちの生死に関わることだ。例え子どもの思いつきだとしても、彼の行動には戦争を激化させる確かな火種がある。


「……この星に呼ばれた気がした、それだけ」


少年は所在なげに肩を丸めて指先をもて遊びながら言葉を出した。私は彼のつむじを眺めて思う。その言葉は、はじめに会った時にも聞いたぼんやりとした形のない夢のようなひと言だ。少年から漂う雰囲気からもその言葉に嘘はないように思える――が、私たちは疑わないといけない。何があるか分からない、敵国同士の人間なのだから。


「では、どうやってあの空域に来た?あそこは戦闘空域だ……一般の宇宙船は近づかない」


「……密航した。近くの空域に行く宇宙船に。……あそこに行くかどうかはわかんなかったけど、脱出ポッドに乗ればたどり着けるってなんとなく分かってた、から」


ただの予感。それに彼は命をかけて、本当にたどり着いたのだ。彼の言葉が本当ならばまるで――


「そんな運命のように決められた、不確かな君の予感を私たちに信じろと?」


「……それは、」


少年は黙り込む。重く垂れた沈黙が空間が支配する。

運命。そんなものがあるなんて信じられる人はほんの一握りだろう。


「――イア隊長」


でも。もしもあるのなら。それは、きっと。


「彼の言葉を信じてみませんか」


それはきっと。青く輝く――彼のような形をしている、気がした。

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