八雪目
書き方模索中なので途中で変えてすみません!
お姉様と会ってから2日過ぎた。
「―――――」
私達、女の価値が分からない。
「――――様!」
神様、アナタも私達、女を軽視しているんですか?
「パリシア様!!」
「うぇっ!?」
突然現れたメリッサに驚いて変な声が出ちゃったじゃん! 恥ずかしい!
「そんな驚かないでください。先程から幾度も呼んでたんですよ」
「そう…?」
「そうです。パリシア様、最近様子がおかしいですよ。よくボーとなさりますし――――」
無関心を装って義務的にしたいのだろうけど、少しいつもよりしかめられた顔や諭すよな口調で心配してくれてるのが分かる。
でも、ごめんね、メリッサ。
私――
イタイ子になりたくないの!
だってそうでしょ、『《救世主》の存在意義について考えてました』とか、痛すぎるでしょ!?
「パリシア様?聞いてました?」
「え? ご、ごめんなさい。なんですか?」
あー、最近上手くいかないなぁ…。
「ですから、スレルト様がパリシア様と庭園でお茶会をなさりたいと申しておられますが、如何なさいますか?」
「茶会…?」
うーん、王太子の嫉妬がウザイんだよなぁ。でもなー、王太子への意趣返しに丁度いいんだよねー。
悩むわー。
「…………そうですね、行きますわ」
悩んだすえ行くことにした。
所用でいないカリメアとミーティアが帰ってきたら行こっと。
「パリシア様、今戻りました」
って、思った瞬間二人とも帰って来るとか!
「今から、スレルトと庭園で茶会をします。身支度の準備をしてください」
「分かりました」
カリメアとミーティアに身支度をさせ、メリッサはスレルトに承諾の旨を伝えに遣わした。
庭園は秋から冬にかけて咲く花で埋め尽くされている。
「見て、パリシア! あれが――――」
無邪気に花の名前と花言葉を教えてくれるスレルトがチラチラと侍女や侍従達を気にしている。
「で、これが――――」
うーん、中々本題に入ってくれそうにない。適当な所で聞くか。
「それが――」
「コスモスですわね。花言葉は『乙女の真心』などでしたわ」
「う、うん!」
スレルトの顔が引きつったけど、気分を害したというより、動揺って感じだ。
「ごめんなさい。わたくし、スレルト様と二人でお話をしたいの。少し、二人にして下さる?」
パッとスレルトの顔色が明るくなったせいで侍女や侍従達も断れなそうな雰囲気だ。
まあ、メチャメチャ気にされた挙げ句、私と二人きりに顔色明るくされたら断りずらいよなぁ。
「です、があ…。……承知しました」
うん、侍従さん悪くないよ。仕方ないって。そりゃ、ね。
女の子みたいな美少年に泣きそうな顔されれば折れるさ! 誰でも! うん、私だって王太子の脅威さえ無ければ折れるもん! だから、落ち込まずにガンバッ!
泣きそうな侍従に心の中でエールを送っとく。もちろん、届かないけどね。
「…………」
「…………」
「…………」
「………………スレルト、お茶は如何です?」
「うぇっ!? え、あっ、うん、も、もらう!」
侍女達が下がってから、先程のように花の説明をするわけでもないスレルトとの沈黙に耐えれなかった。
ぶっちゃけ、心地好い沈黙とか理解できない人だしね。私。
「…………ふぅ、で? 用事はなんですの?」
え? 単刀直入過ぎる? 仕方ないじゃん、男のくせにぐずぐずしてる奴が悪くない?
「あ……」
持ってるカップにキュッと少し力が入り、下を向いて震える姿は保護欲を掻き立てる。もちろん、やってんのはスレルトだ。
「ぼ、僕、好きなんだ!」
覚悟を決めた瞳でスレルトが私を見つめる。
あー、はいはい。『だから、プロイスを僕から取らないで!』とかだろ?
安心しな。私は、既婚者で私の瞳には、ジュノットとロザラオしか――――
「パリシアが!」
――――は? え? 何言ってんの!?
「パリシアが結婚してるのは知ってるし、パリシアにとって夫達が特別で、夫達もパリシアを大切にしてるのは知ってる」
だってスレルトには王太子がいるでしょ!
「プロイスと出会って恋だって自覚した。でも、プロイスの方が好きだし、過去の思い出に、初恋の思い出にしようとした」
なのに何で!
「それなのに忘れられなかった。好きで好きで堪らなくて、精霊達に聞いたとき嬉しかった。パリシア、君を僕の妻に出来るって」
何で!
「プロイスは僕を優しいと言う。けど、僕は、僕の幸せのために、パリシアの幸せを無視した。僕は、パリシアという存在にこんなにも固着した醜い存在だ。それでも僕は、そこまでしても君と共に生きたい」
そんなに意志の強い瞳で私を見るの…?
いつもの少女のような姿はどこ?
――コンナ男知ラナイ。
「僕は本気――」
「いや!」
「ッパリシア! 僕を見て!」
私の手を握ろうとした男の手を振り払う。すれば、男に抱き締められる。
「放して!」
必死に抵抗してもびくともしない。私と変わらない身長に手足。それなのに少女の特有の柔らかさのない身体。ジュノットじゃない、ロザラオじゃない、二人じゃない男に抱き締められてる。
………コワイ。
「パリシア……泣かないで」
頬を伝う涙を拭く親指すら恐ろしい。恐い。知らない。解らない。これは誰?
「ごめん。醜いよね、僕。でも、好きなんだ。ごめん、ごめん」
私を抱き締める顔の見えない男が、私の肩に顔を埋めて震えてる。その姿は、小さい頃、知らない所で迷子になった私に似ていた。
「ずるいよ…」
「パリシア…。ごめん」
本当にずるい。
「そんな態度とられたら怒れないわ」
強引な男のスレルトを見せといて、男のまま弱々しくなるとかずるい。
いつもは女の子みたいな弱々しさなのに。
「え…?」
キョトンと私の肩から顔を上げ、首を傾げるスレルトが可愛くて吹き出す。やっぱり、こっちが良い! 男なスレルトなんて心臓に悪すぎる!
「何笑ってるの!?」
「ぷっ…な、何でもない」
笑いをムリヤリ押し留めれば、肩と声が震える。
スレルトは、釈然としないという顔で、それでも安心したように息を吐いた。
「まあ、パリシアが笑ってるから良いや!」
~~! だから! 心臓に悪いだろうが!
スレルトに頭を撫でなれ、頬に紅くなる。
ロザラオがいるのに、ジュノットがいるのに、私、ときめいてる?
自分で思った言葉に息が詰まる。
大好きな二人。離れても、一緒にいたくて、追いかけて、話すのなんて六年ぶりでも駆け落ちに迷わないぐらい大好きで特別な二人。
二人程強くない。でも、確かに惹かれてる。
前から惹かれてた?今、惹かれてた?
どっちにしても二人に不誠実だ。
「パリシア?」
ああ! もう! 頭がぐちゃぐちゃ! 難しいこと考えたくない!
よし、やめだやめだ。スレルトに感じたのは単なるギャップ萌えと言うやつだ。
はい、決定ー! 覆しませーん!




